9月21日~9月28日(現地時間)に韓国・仁川にて開催される『第17回 アジア競技大会』で、侍ジャパン社会人野球代表監督としてチームを率いる小島啓民監督に、一次合宿を通じての大会に向けての意気込みを伺いました。
――今回、一次合宿に臨むにあたって、選手たちにどんなことを話しましたか?
代表24名には、合宿前日の夜に、代表選手としての心構えを3つ話しました。まず1つ目は、相手がプロであっても、勝ちにこだわっていくこと。2つ目は、選手たちは海外に行くことになりますから、帰ってきたあとも、自分が感じたことを周囲にしっかりと伝えて、日本の野球界に還元してほしいということ。3つ目は、自信を持ってベストプレーを尽くすことです。
代表24人というのはとても狭き門です。代表選手になりたかったけど、なれなかった選手が多くいます。入れた選手たちは自信を持ってやってほしいですし、入れなかった選手の思いも忘れずにベストプレーを尽くしてほしいと思います。
――初日の練習を終えて、選手の動きはどうでしたか?
まだ完全に仕上がっていませんが、都市対抗を終えたばかりということもあって、我々が期待していた動きは出来ていたと思います。
――初日からサインプレーなど細かいプレーも練習をこなしていましたね。
一次合宿の狙いは『確認』です。僕らスタッフが考えていることをしっかりと伝えることが出来るように、意思統一を目的として練習を組んできました。
この後、行われるオープン戦の目的としては、日ごろやっている練習だけでは、分からないことがあります。オープン戦では選手の力量を把握しながら、我々がやる野球を作り上げていく意味合いがあります。
――今回、国際大会を勝つための選手選考の中で、どんな基準で選考されていきましたか?
まず投手の場合は、今まで国際大会の経験から、こういう投手は嫌がられそうだなとか、そういった部分ですね。野手に関しては、つなぐ野球が出来るような選手を選びました。
――その中で、キーマンとして小島監督が期待している選手を教えてください。
一番期待しているのは、井領雅貴(JX-ENEOS)、松本 晃(JR東日本)、ベテランの林稔幸(富士重工業)です。この3人は打線のキーマンになると思います。
また、まとめ役としては、去年の大会も経験しているまとめ役が3人いて、キャプテンの多幡雄一(Honda)、ベテランの林、そして捕手の上田 祐介(NTT東日本)。彼らのほかに世界大会を経験している選手も9人いるので、今大会は4年間の「総決算」という位置付けで戦っていきたいと思っています。
――小島監督はこれまで多くの国際大会を経験されていますが、改めて侍ジャパンの社会人野球代表に就任されて、どんな思いを持って、この合宿や今大会に臨まれていますか?
これまでと全く変わりありません。侍ジャパンが発足される前から僕たちは日本代表として戦っている意識はありましたし、相手からすれば、日本代表と戦っているのは変わりありません。だからこそ、相手がオールプロだから、負けましたという泣き言は絶対に言わないようにチームを作ってきました。ただ、侍ジャパンの一員になった以上、より結果を残せなければならないと覚悟をしております。
――社会人野球の代表として、選手たちへの意識付けはどのように行ってきましたか?
僕たちは、『野球人である前に企業人であれ』という言葉を大事にしております。社会人野球は企業の方の理解があって野球ができています。それはこの場に来ている代表選手たちも、十分に理解していると思っているので、その思いを持って、挑んでいきます。また、今回は若い選手も多いので、我々の責務としても、彼らにいろいろな経験をさせてあげて、上の組織(トップ代表)でも、活躍してほしいという思いはあります。
――最後にアジア競技会への意気込みをお願いします。
金メダルを獲る事しか考えていないです。ファイナル(決勝)で韓国を破って絶対に勝つという強い気持ちでやっていきたいと思います。