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会見レポート

侍ジャパン18U代表 記者会見

2014年8月26日18U

前日の甲子園決勝戦の興奮がまだ冷めやまぬ8月26日。大阪の中沢佐伯記念野球会館では、9月1日からタイで開催される第10回 BFA 18Uアジア選手権に向けての記者会見が行われた。選考された18名の選手は、今年の夏の甲子園で活躍したメンバーだけに限らなかった。まさに18歳以下の日本最強メンバーが顔を揃えた。

会見では高橋淳二団長(日本高等学校野球連盟副会長)と高橋広監督(鳴門渦潮監督)、そして選手を代表して岸潤一郎(明徳義塾)、高橋光成(前橋育英)、岡本和真(智辯学園)の3人が登壇。岸が「代表に選ばれたことを誇りとして精一杯プレーしたい」と話すなど、それぞれが決意を示した。
高橋監督の目指す野球は次の言葉に凝縮される。「日本の野球らしい、守備を主体としたスモールベースボールをして優勝を目指したい」。アジアの野球が一同に会する中でも、従来の日本の高校野球のスタイルを前面に押し出す決意だ。そこに笑顔はなく、むしろ決戦に向かう表情だった。

前大会まで「トリプルA」というカテゴリーで行われていたこのアジア野球選手権は、1994年の第1回以降、原則として2年に1度の周期で開催されてきた。アジア諸国が会場を持ち回りし、2011年には日本でも開催され、高橋周平(現中日ドラゴンズ)がMVPになった。

それが、今回から「18U」と改められた。その意味では、これまでのように甲子園で活躍した選手を集めて臨む親善大会の意味合いはない。代表選手たちはこのあとも大学、社会人の日本代表などを経て、将来はワールド・ベースボール・クラシックで日の丸を背負うことにも繋がっていく大会になる。

特に「日の丸を背負う覚悟」については会見後、すぐに行われた結団式で改めて意思疎通がなされた。選手全員が自己紹介をした際、脇本直人(高崎健康福祉大学高崎)が「日の丸を背負って戦うということは、甲子園以上に重いと思います」と、力強く話した。
そして、高橋監督は記者会見とは違う表情で選手を鼓舞した。
「今から我々はジャパンのユニホームを着て国際大会を戦います。これは誇りと自信と、そして大変な責任があります。皆さんが6月にそれぞれのチームで夏の甲子園を目指したように、熱い気持ちで『これから本当に戦うんだ』という強い気持ちで臨んで欲しいです」
いま一度、選手に日本を代表することに対する心構えを求める挨拶だった。

それは、単に野球のみではない。国際大会はグラウンドの悪条件や木製バットの使用、相手チームのラフなプレーなど、国内とは違った環境でのプレーを強いられる。
「それでも我々は、普段から甲子園で培われたマナーと、皆さん方がそれぞれの指導者に指導された日本の高校野球の素晴らしいところを他の国に見せる使命があります。そして、なおかつ勝たなくてはいけない」

名実ともアジアのお手本を目指す戦いになる。これまでのアジア大会に対する姿勢とは異なる「侍ジャパン18U」の所信表明である。その記念すべき一歩目が踏み出された。

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