11月4日、都内ホテルにて、株式会社NPBエンタープライズの設立記者発表会が開催された。
「株式会社NPBエンタープライズ」は一般社団法人である日本野球機構(NPB)とは別法人で、NPBおよびプロ野球12球団の出資で設立。侍ジャパンに関する事業拡大を図り、女子・12U・15U・18U・大学・21U・社会人・トップチームの全世代で、世界一を目指す侍ジャパンをバックアップする。
代表取締役 社長執行役員に就任した熊﨑勝彦氏(一般社団法人 日本野球機構 会長 日本プロフェッショナル野球組織 コミッショナー)は、今回会社を設立する最大の目的として、「プロとアマが一体となって、野球振興に取り組むこと」だと話した。
「新生」侍ジャパンが誕生したのは、2013年10月。全カテゴリーを侍ジャパンとして謳い、統一ユニフォームを着用するにようになった。
そして、今回の新会社の設立を機に熊﨑新社長は、「プロ・アマの連携を深めていき、国民から愛される侍ジャパンを目指し、野球の裾野をさらに拡大していきたいです。最終的な目標は、全カテゴリーでの“世界一”。さらには、2020年東京五輪での野球競技の復活です」と話し、今回の株式会社設立にあたって、「新会社の設立に至るまで、12球団のオーナーなど様々な専門家からご意見を頂きました。会社を持つことにより計画的に事業を行うことが出来て、侍ジャパンの事業を推進させるにはベストなのではないかという結論となりました。侍ジャパンで生み出された収益は主に野球振興、野球市場拡大のために役立てていきます」と説明した。
また、「侍ジャパンアンバサダー」が新設されることも合わせて発表され、阪神タイガースで活躍した赤星憲広氏が就任。
就任の経緯にあたって熊﨑新社長は、「赤星さんは高校野球、大学野球、社会人野球。また、シドニー五輪も経験されて、プロになってからもトップ選手として大活躍を収めました。プロ・アマ一体となって取り組む侍ジャパンの活動を広げるためにも、これほどアンバサダーに相応しく、心強い人物はいません」と語り、赤星氏もまた、「侍ジャパンの皆さんと協力をして、日本の野球の普及に貢献出来ればと思っています」と話した。
そして、今回の会見に同席した小久保裕紀侍ジャパン代表監督は、「昨年、プロ・アマが結束する目的でスタートした侍ジャパンが、新会社の設立により絆がより深まり、良い形になるのではないかと思います。現場としては常に強いチームであり続けたいと思います」と、意気込みを述べた。
新会社の設立に伴い、プロ・アマの結束が深まった侍ジャパン。全カテゴリーでの“世界一”を目指すとともに、さらなる野球の裾野拡大へむけて邁進していく。
コメント紹介
一般社団法人全日本野球協会 副会長 鈴木義信氏
「この度は株式会社NPBエンタープライズの発足おめでとうございます。野球はプロ・アマがいつ1本になるのかというのが長年の課題でありました。新会社の設立により、プロとアマがさらに一体となって取り組むことができると大変喜んでおります」
侍ジャパン代表監督 小久保裕紀氏
「今回、株式会社NPBエンタープライズが設立したことで、今後、中南米、アジアなど各国とより多く試合が出来るなど、サポートや環境面での充実も期待できると思っています。ただ、その分、トップチームを率いる私は、2017年のWBCの世界一奪回へ向けて強いチームへ育てることに取り組む所存です」
侍ジャパンアンバサダー 赤星憲広氏
「非常に大役を任されたと思っています。私は野球界のためにアマチュア、プロと一緒に戦っていなければならないと常々感じておりました。小久保監督が率いるトップチーム以外にも、21U代表や18U代表などアンダーカテゴリーの存在をもっと広めることが私の仕事だと思っています」