2019年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~大学代表編~
2019年10月19日
10月17日、『2019年プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD』(以下、ドラフト会議)が行われた。およそ3時間に渡って行われたドラフト会議では、未来のスター候補生107名(支配下74名、育成33名)が、名前を読み上げられた。
そのなかには『第43回 日米大学野球選手権大会』(以下、日米大学野球)に出場した侍ジャパン大学日本代表メンバーも含まれている。代表メンバー24名中、4年生は10名。そのうちプロ志望届を提出したのは8名。さらに名前が読み上げられたのは7名だった。
みごとドラフト指名を受けた大学日本代表メンバーを紹介していきたい。
広島から1位指名を受けた森下暢仁(明治大)は、大学ナンバーワン投手とも称されており今年の目玉でもあった。その森下は今春のリーグ戦では4勝1敗、防御率2.03の成績でベストナインも受賞。大学選手権でも2勝0敗、防御率0.50と圧倒的なパフォーマンスを残し最優秀選手、最優秀投手賞に輝いた。
日米大学野球では3試合に先発し15回を投げ2失点、17奪三振とここでも好投し、最高殊勲選手に選ばれている。米国代表相手にもストレートとカーブやチェンジアップといった緩い変化球との緩急をうまく使い、投球回数以上の三振を奪ったのは好材料と言えそうだ。
吉田大喜(日体大)はヤクルトから2位で指名を受けた。チームでは先発だが、日米大学野球では5試合全てに中継ぎとして登板。5回を投げ1失点(自責0)と完ぺきな投球を見せている。
また、8月26日に行われた高校日本代表(U-18日本代表)との壮行試合でも、1回を無失点投球と貫禄を見せた。150キロを超えるストレートにスプリット、スライダーを武器とする本格派。先発、中継ぎどちらでも対応できるのは強みのひとつとなる。
捕手は佐藤都志也(東洋大)、海野隆司(東海大)、郡司裕也(慶応大)の3人が揃って指名を受けた。
3人のなかで最初に名前が呼ばれたのはロッテから2位指名を受けた佐藤だった。東洋大では主将も務める扇の要だが、日米大学野球では一塁と外野で出場。そこでは打率.111(18打数2安打)と不完全燃焼に終わってしまった。しかし、秋のリーグ戦では打率.304(46打数14安打)と結果を残しており心配はなさそうだ。
ソフトバンクから2位指名を受けた海野は、日米大学野球全5試合でスタメンマスクをかぶった。打率.200(15打数3安打)と苦しんだが、第4戦では先制の2点本塁打を放ちパワーを見せた。高校日本代表との壮行試合でも一発を放っている。どちらかというと強肩を売りとした守備型タイプだが、一発もある。
郡司は中日から4位で指名を受けた。海野、佐藤と同世代にドラフト上位候補の捕手がいたこともあり、日米大学野球では主に指名打者として出場。そのなかで打率.286(7打数2安打)、2本塁打と結果を残した。東京六大学でも通算9本塁打を放っておりパワーがある。「打てる捕手」として期待される。
その他の野手からは2名が指名された。柳町達(慶応大)と宇草孔基(法政大)である。
柳町は海野と同じソフトバンクから5位で指名を受けた。柳町は大学野球界屈指の安打製造機であり、日米大学野球でも打率.500(12打数6安打)と首位打者に輝いた。春のリーグ戦を終えた段階で102安打を放っており、この秋でどこまでその数字を積み上げるのか注目されている。
1位で森下を一本釣りした広島が、2位で宇草を指名した。日米大学野球では打率.333(18打数6安打)と結果を残した。本質は左のアベレージヒッターだが、今春は4本塁打を放ちベストナインも受賞。長打力があるところも見せている。
今春、東京六大学タイ記録となる5試合連続本塁打を放った安本竜二(法政大)は、惜しくも指名漏れとなった。
日本代表クラスの大学生の多くは、各球団から即戦力として期待されていることがほとんど。1年目から結果を求められることも多い。この夏、大学日本代表として戦った7人の選手たちもその期待に応え、1年目から輝くことができるだろうか。