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チームレポート

第8回 BFA 12Uアジア選手権 12U代表合宿総括

2014年8月26日12U

第8回 BFA 12Uアジア選手権 12U代表合宿総括

第8回BFA12Uアジア選手権に向けた強化合宿が、8月23日から3泊4日で神宮軟式野球場など都内で行われた。アジアの覇者を目指すべく全国から集められた小さな侍たち。その姿を追った。

24日午前8時、やや緊張した面持ちで球場入りした選手たち。それでも、少し難しい動きが取り入れられたウォーミングアップに集中するうち、いつしか余計な緊張感が取り払われていく。

この日のメニューはシートノック、フリーバッティング、シートバッティング。まだどこか遠慮がちな選手たちも、実際にボールに触れるうちに徐々に本来の元気の良さを発揮。シートノックではライトに入った文珠玄基(六会レッズ)の大きな声がグラウンドに響き渡る。小柄な体から発せられる溌剌とした声とプレーがグラウンドの雰囲気を変えていく。
バッティングで一際目を引いたのは、岡本徹真(丘の上トータス)。堂々とした体躯にゆったりとした構え。小学生離れした岡本が期待通り大きな打球をポンポンと飛ばしていく。
岡本と同じ組で負けじとアピールしたのが、アップから笑顔が弾けていた荒木飛有馬(大牟田イーグルス)。こちらは低い弾道、鋭いヒット性の打球を飛ばしていく。
さらに小河原凱(加須ドリーム)も続く。しっかりとバランスのとれた体つきから繰り出される打球の速さが目を引いた。

序盤は遠慮がちながらも、徐々にチームとしてまとまってきた様子が見て取れた合宿2日目、午後からは東京ドームに野球観戦へ。プロ野球選手のプレーを見て勉強するとともに、チームとしての一体感を育てていく。

そして合宿3日目となった25日。この日は時折小雨がぱらつく空模様だったが、選手たちは元気いっぱい。前日のどこかよそよそしい緊張感は消え、打ち解けた様子。アップから笑顔が見られた。
この日行われたのは、第34回全日本学童軟式野球大会の東京都代表、久我山イーグルスとの練習試合。
「日本代表チームとして見られている中で自分が出来ること、やるべきことをしっかりやる。良く考えて行こう」と仁志監督が声をかけると、選手たちは戦闘モードに入った。

後攻の侍ジャパン先発は方伊儀直明(仲宿ファイターズ)。クールな外見同様、肝の据わった投球を披露。同じく先発マスクをかぶった嘉手苅浩太(広畑コンドルズ)も、どっしりと安定感のある構えで応え、初めての練習試合という緊張感を感じさせない落ち着いたバッテリーが試合をコントロールしていく。

トップバッターとして打席で粘り強さを発揮しチームに流れを呼び込んだのは、荒木駿之介(根上学童野球クラブ)。また、荒木駿之介の魅力はその守備にもある。この日はショートに入ると、流れるような守備でチームに貢献した。

その荒木駿之介と二遊間コンビを組んだのが、主将・志村佳樹(大明見)。チームの中で一番小柄ではあるが、守備位置に着くとその存在感は途端に大きくなる。しっかりとしたグラブさばきと打球判断でアウトを量産。仲間にも的確なフォロー、指示を飛ばしていく。

先制点を叩き出したのは、この日2番に入ったスイッチヒッター、宇野竜一朗(浦安ベイマリーンズ)。第1打席、右打席に入り、放った打球は先制のホームラン。宇野は投手としても4番手に登板し、ぴしゃりと抑える活躍を見せた。

5番手としてマウンドに上がった増田和樹(熊取ベアーズ)もキレのある速球で打者を翻弄。打っては三塁打、好走塁も見せるなどトータルで質の高いプレーを披露した。

この日最も球場を沸かせたのは、大脇理雄(小山ファイターズ)。打席に入りヒットを飛ばすと、100mを12秒4で走るという快足を飛ばして一気にホームへ。あまりのスピードにベンチも観客もしばらくざわめきが収まらなかった。

そしてなんといっても元気いっぱいなのが柳舘憲吾(山友スターズ)。チーム一の元気印ながら、その一方で冷静な判断力と鋭い目も持ち合わせている、なんとも頼もしい存在だ。

その柳舘をホームに迎え入れるタイムリーを放ったのが岩本慎之介(和気軟式野球クラブ)。攻守ともキッチリとした仕事振りが光る。

3番目にマスクをかぶったのは山田将義(リトルジャイアンツ)。守備では堅実なプレーをみせながら、鋭い打撃も見逃せない。打席では6回にホームランを放ち、ベンチを笑顔にさせた。

侍ジャパン、勝利の完封リレーを締めくくるべく最後に登板したのは松井兼世(加須ドリーム)だ。プレッシャーはあっただろうが危なげのないピッチングを見せた。

結局、この練習試合は15対0で勝利。代表チームの強さを見せつけるとともに、大会へ向けて弾みをつけられた格好だ。試合後、侍の選手たちは午後1時過ぎに練習を終えると、夕方にはお台場で行われた壮行会に出席。普段接する関係者や家族以外のファン等から激励を送られ、選手たちは代表チームとして一層顔が引き締まっていった。
続いてオフィシャルパートナーである楽天カード株式会社での食事会が品川の楽天タワー2号館で行われ、穂坂雅之代表取締役社長からは、「世界最強を目指して奮闘する皆さんに共感しました。我々もスポーツを通して夢を叶えていけるようにサポートしたいと思っています。優勝ももちろん目指してほしいけれど、まずは無事に、ケガをしないで帰ってきてください」と激励を受けた。

身も心も充実させ、戦いの地、フィリピンへと旅立って行った12U代表選手たち。この世代としては初めてとなる「アジアチャンピオン」。その称号を手にするための戦いは、27日から31日まで行われる。

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