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チームレポート

第17回 アジア競技大会 二次合宿総括

2014年9月17日社会人

第17回 アジア競技大会 二次合宿総括

 第17回 アジア競技大会開幕まで残り1週間を切った。その総仕上げで臨んだ9月12日から17日まで行われた二次合宿。合宿中に実施された強化試合では、5試合戦って、3勝1敗1分けの結果を残した。

12日 ○ 対 Honda 2対0
13日 ● 対 ロッテ 4対6
15日 ○ 対 JX-ENEOS 7対0
16日 △ 対 東芝 2対2
17日 ○ 対 JFE東日本 11対8

 

 勝敗がすべてではないが、これまでの試合内容について小島啓民監督は、「投手については、その選手の持ち味を引き出すことが出来るように、適材適所を見極めてきました。5試合戦ってきて、各選手の役割も見えてきました」と話していたが、その中でも、最も重要な場面で起用されてきたのが、投手の関谷亮太(JR東日本)だ。普段、JR東日本では、主に先発を任されているが、社会人代表の強化試合では試合終盤での登板の機会が多かった。

 小島監督は、「期待しているからこそ、苦しい場面でも起用しています」と関谷について語っていたが、これまでの強化試合では、その期待に応える投球をみせてきた。

 13日の千葉ロッテ戦では、6回から登板し、2回1/3を投げて、6三振を奪う好投。さらに最終戦のJFE東日本戦では、一気に4点を追い上げられ、11対7で迎えた8回、一死二塁の場面で登板。ここで、JFE東日本の4番小峰に適時打を浴び、11対8にされるも、5番金森をストレートで空振り三振に斬って取ると、さらに6番大澤をセンターフライに打ち取り、見事にピンチを切り抜けた。関谷は、「追い上げられていても、点差が開いていたので、1人ずつ打ち取ろうと思っていました」と、その言葉通り、140キロ前半のストレート、キレのあるカーブ、フォークを投げ分け、安定した投球をみせた。
アジア競技大会でも、厳しい場面での登板が予想されるが、関谷は大会へ向けて、「こういう機会で登板することはないので、良い経験になっていますし、試合に向けての準備は掴めてきました。あとは、ベストパフォーマンスを発揮できるように、睡眠、食事にも気を遣っていきたいと思います」と語った。 昨年の第6回東アジア競技大会では、代表の投手陣の中から、5人がプロ入りするほど高い力を持っている選手が多かったが、今年は大エースがいない。全投手が与えられた役割の中で、しっかりと実力を発揮していけるかどうかが勝敗のカギを握る。

 一方、打線は毎試合、好調で、強化試合の5試合で計26得点を挙げた。主砲として期待する林 稔幸(富士重工業)はJFE東日本戦で、特大3ランを含む4打点をマークする活躍をみせた。小島監督はベテランの林について、「二次合宿でも毎試合、活躍をしていましたし、調子が上がってきているのは頼もしいですね。林が打つとチームも勢いにのります」と、大きな信頼を寄せている。

 さらに、同試合では、1番の石川駿(JX-ENEOS)も6回裏に2ラン本塁打。また、内野の全ポジションを守る3番の遠藤一星(東京ガス)も3安打をマーク。また主将の2番・多幡 雄一(Honda)は、初回に先制のきっかけとなる右前打や、4回裏に二死走者なしから、林の3ランを呼び込む二塁打を放つなど、各打者ともに順調な仕上がりをみせた。

 小島監督が「攻守のキーマン」と期待を寄せる倉本 寿彦(日本新薬)もまた、全試合で安打を放ち、守備でも魅せた。JFE東日本戦では、4回表、4対2と2点差に追い上げられ、なおも二死二、三塁のピンチの場面で、三遊間の深いゴロを逆シングルで追いつき、ワンステップからダイレクトスローでアウトにした好プレーも。小島監督は「まだまだ。彼の力はこんなものじゃない」とさらなる活躍を求めている。

 強化試合では、打順は日替わりで代わり、多くの選手が起用された。固定されていたのは4番の林のみ。それは相手チームの力量と、相手投手の兼ね合いも考慮し、決めていくと話していた小島監督。準決勝以降は台湾、韓国との対戦が予想されるが、どんな打順を構成するかも注目だ。

 最後に、二次合宿を通して、主将の多幡は、「順調にチームが仕上がってきていると思います。最初は即席のチームでしたが、二次合宿を終えて、自分以外の選手の特徴も掴んできました。みんなで協力することがアマチュア野球の最大の強みだと思うので、そこを伸ばすことが出来たと思います。金メダルを目指す一体感は出てきていると改めて感じます。僕たちは、金メダル獲得が大前提の目標なので、そのためにチームがどうすればよいか、また自分がどうすればよいかを大会でも考えていきたいと思います」と力強く語った。

 迎えるアジア競技大会に向けて、小島監督も、「やり残したことなく、チーム作りが出来ました。もちろん目指すは、金メダルです。チャレンジャーのつもりで大会に臨み、韓国、台湾には総力戦で臨みたいと思います」と話した。
およそ2週間に及んだ強化合宿で、最終日に最高の手応えを掴んだ侍ジャパン社会人代表。二次合宿を打ち上げた後、そのまま決戦の地・韓国・仁川へ渡航。9月22日から始まる第17回 アジア競技大会では、金メダルを目指し、全力で戦い抜くことを誓った。

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