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試合レポート

先発の長久保滉成が1安打完封の快投 中国を破り大会初勝利を収める

2024年9月7日

 9月7日、「第5回 WBSC U-23ワールドカップ」(15日まで中国・紹興市)に出場する侍ジャパンU-23代表が、オープニングラウンド2戦目で中国代表と対戦し、2対0で大会初勝利を収めた。

 侍ジャパンU-23代表は先発左腕の長久保滉成(NTT東日本)が快投を見せて相手を完封する一方、打撃では髙橋隆慶(JR東日本)が2本の適時打を放ち、勝利に貢献した。
 試合後に川口朋保監督は「国際大会でどういうチーム相手でも非常に苦しい試合で、その中で選手が我慢しながら戦って今日は勝てたので、まずはほっとしています」と安堵の表情で語った。

 前日のプエルトリコ戦では打棒が湿った打線だったが、この日は初回にMBLミルウォーキー・ブルワーズ傘下でもプレーの経験がある中国の先発右腕・伊健から村上裕一郎(ENEOS)の安打と今里凌(日本製鉄鹿島)の四球でチャンスを作ると、5番・髙橋隆慶(JR東日本)の適時打で先制した。
 ところがこの初回以降、中国の投手陣を打ちあぐね、追加点を奪うどころか出塁すらできず接戦を強いられた。

 1対0で迎えた6回の裏、先頭の山田拓也(東芝)がチームにとって初回以来の安打で出塁し、今里も単打で出塁。このチャンスに二死から高橋が、好投を続けていた中国の2番手左腕・趙偉の変化球をバットの先に当てながら中堅前へ適時打を打ち、欲しかった2点目をようやくあげることができた。
 高橋はこの場面について「昨日の最後の打席で、同じく3-1のカウントからちょっと強引にいってサードゴロに終わってしまったので、その反省も生かしながら中堅に返すことを意識して打てたのが良かった」と振り返った。

 しかし勝利の立役者は長久保のすばらしい投球だった。プエルトリコに敗れ連敗が許されない重圧の中、試合開始直後から2者連続三振を奪い、初回をわずか10球で終えると、その後もテンポ良く、うなるような直球や変化球を精度良く捕手・有馬諒(ENEOS)のミットに収め続けた。
 投球間隔を短くしテンポよく次々と打者を打ち取り、5回まで1人の走者も出さない完璧だった長久保は、6回表の先頭打者に初めて安打を許すも攻めの姿勢は崩さず、最後まで投げきった。
 完封勝利の長久保は81球(うち54球がストライク)を投げて被安打わずか1。6奪三振、与四死球ゼロの内容だった。
 長久保の投球に川口監督は「昨日のプエルトリコ戦で痛い敗戦をしてしまいました。その流れを初回から断ち切る投球をしてもらう登板を期待していましたが、期待通りの投球をしてくれました」と笑顔を見せた。

 この日の勝利でオープニングラウンドの成績を1勝1敗とした侍ジャパンU-23代表。次戦は日本時間8日20時よりオーストラリアと対戦する。

監督・選手コメント

川口朋保監督

「調子の良い投手もいるので、本来であれば他の投手にも投げる機会を作りたかったのですが、やはり僅差で投手を代えることによって試合の流れが変わるのを気にしていたので。今日は長久保が乗り切って、しっかりと完投してくれたので非常に良い投球でした。(打線について)初回に点を取れたのは非常に良かったと思います。でも途中は走者がなかなか出せない状況が続いて。思い切って振れる選手を2人、3人と増やしていけばこちらの方に流れが来るのではないかと思っています。(打順について)U-23という若くこの大会を通じて成長する選手たちなので、その可能性を少しでも発揮できるような、そういう打順を組みたいという思いを込めて少しずつ変えています。ですから明日も今日一晩考えてどういう打線にしていくかを慎重に考えながら、選手が一番伸び伸びとできるように配慮していきたいなと思います」

長久保滉成(NTT東日本)

「(捕手の)有馬としっかりコミュニケーションを取って相手の打者を見て投げられたことが良かったです。(中国打線の印象)結構日本人寄りというか、大きいスイングじゃなくて当ててくるスイングだったので、そこは良かったです。ボールが多少滑るのですが、マウンドは良い感じで投げられたとは思います。ちょっとバットに当たるだけでも歓声がすごかったので、安打じゃないかなみたいなのもありました」

髙橋隆慶(JR東日本)

「(初回の適時打について)昨日から点を取ることに苦しんでいましたしチャンスでもあったので、自分のスイングをしようというのと、前の打者を見ていて変化球を狙いながら来た球を素直に打てた結果が良かったかなと思います。慣れない国でのプレーですが、自分自身を変えることなくベストパフォーマンスを出すことを常に心がけているので、良い状態でやれていると思います。(地元中国への声援)都市対抗に近い、お互い満員でやっている感覚がありました。やり辛さはありましたが、切り替えてプレーに集中することができました」

有馬諒(ENEOS)

「日本での試合と違いあまりデータが無いので、1順目でしっかり打者の特徴を把握して1試合投げ切るつもりでと(長久保と)試合前に話をしました。長いイニングを組むことはなかなか無かったので、完封で勝てたのはよかったと思います。構えたところにほとんど狂いなく投げ込んでくれたのでリードしやすかったですし、いい投球だったと思います。今日はなんとしても勝って次に繋げようという思いで試合に出たので、自分の役割を果たすことはできたのかなと思います。(試合前にファンからサインを頼まれ)嬉しかったですね。異国の地で応援してもらえることはなかなか無いですし、楽しくプレーすることができました」

第5回 WBSC U-23ワールドカップ

大会概要 出場選手

大会期間

2024年9月6日~9月15日

オープニングラウンド(グループA)
2024年9月6日(金)20:00 日本 1 - 6 プエルトリコ
2024年9月7日(土)15:30 日本 2 - 0 中国
2024年9月8日(日)20:00 オーストラリア 1 - 4 日本
2024年9月9日(月)20:00 日本 7 - 1 コロンビア
2024年9月10日(火)20:00 イギリス 1 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

スーパーラウンド
9月12日(木)20:00 日本 5 - 1 ベネズエラ
9月13日(金)15:30 ニカラグア 1 - 9 日本
9月14日(土)20:00 日本 2 - 1 韓国

決勝
9月15日(日)10:00 プエルトリコ 0 - 5 日本

開催地

中国(紹興市)

出場する国と地域

グループA
日本、オーストラリア、プエルトリコ、コロンビア、イギリス、中国
グループB
韓国、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ

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