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試合レポート

プエルトリコに雪辱を果たし侍ジャパンU-23代表が2大会連続3回目の優勝

2024年9月15日

 9月15日、「第5回 WBSC U-23ワールドカップ」(中国・紹興市)に出場している侍ジャパンU-23代表が決勝戦でプエルトリコと対戦し、5対0で勝利。2大会連続3回目の優勝を果たした。

 オープニングラウンドでは3安打1得点と最後まで打ち崩せず、今大会唯一の黒星を喫した相手に、この日は初回から打線が繋がった。
 先頭の山田拓也(東芝)がプエルトリコ先発・ルイス・リベラの初球を右翼前に運ぶと、今里凌(日本製鉄鹿島)の安打と死球で無死満塁のチャンスを作る。1死から髙橋隆慶(JR東日本)が打った二塁へのゴロは併殺を焦った二塁手の送球が逸れ失策となり、山田がホーム生還。続く吉川海斗(日立製作所)のゴロの間にもう1点追加し、2対0と先制に成功した。

 先発の長久保滉成(NTT東日本)は、オープニングラウンドの中国戦では81球を投じて1安打完封勝利を飾っているが、この日は毎回安打を許すなど息をつく余裕はないながら無失点の投球を続ける。3回裏には失策と内野安打で1死一、二塁とされるが、髙橋が右翼線へ抜けるかと思われた強いゴロに飛びつき、これをアウトに。4回にも遊撃手・相羽寛太(ヤマハ)の好守で併殺に打ち取り、いずれも得点を許さなかった。

 追加点の欲しい侍ジャパンU-23代表は、オープニングラウンド初戦でも好投したプエルトリコの2番手左腕・ホルハン・ラボイを打ちあぐねるも、終盤に貴重な得点を刻み、優勝が現実味を帯びる。
 6回表、2死から髙橋と吉川がそれぞれ安打と四球で出塁し一、二塁にすると、西村進之介(ヤマハ)が右翼前へ安打。髙橋がヘッドスライディングで本塁へ帰還する。さらに続く相羽も中堅前へ適時打を放ち、4対0とリードを広げた。
 7回表には四球で出塁した山田が、牽制球が逸れる間に一気に三塁を陥れると、1死から村上裕一郎(ENEOS)の犠飛でダメ押しの得点をあげた。

 5回からマウンドにあがった笹森公輔(東芝)は、6回と7回にそれぞれ安打を許すも二塁を踏ませない好投をみせる。最終回は2死からアロルド・ラクエンテを高めの直球で空振り三振に打ち取り、ゲームセット。選手全員が一気にマウンドへ駆け寄り、歓喜の輪が広がった。

 侍ジャパンU-23代表はプエルトリコに対して5回を除き毎回安打を許したが、野手陣が3つの併殺を記録するなど、守備での集中力も高かったことが勝利につながった。

 大会初戦のプエルトリコ戦を6対1で落とす苦しいスタートとはなったものの、川口朋保監督が「まだ終わったわけじゃない。これから8連勝をチーム全員で勝ち取っていきたい」と話していた通り、この試合の後は1つも落とさず、優勝トロフィー獲得まで駆け上がった。

 決勝戦終了後には閉会式が行われ、個人選手賞と上位3チームが表彰された。日本からは髙橋が最優秀守備選手に選出された。大会最優秀選手(MVP)には、準優勝・プエルトリコから最多盗塁および最多得点を記録したエドガルド・ビエガスが受賞した。

監督・選手コメント

川口朋保監督

「先発の長久保が走者を出しながらもリズム良く0点に抑えたのが非常に大きかったです。それと攻撃陣が初回に点を取れたというのは、長久保を含めてバッテリー中心にして守る野球というのを掲げていますから、勇気を与える得点になったのではないかと思います。リリーフの笹森も本当に良い投球で締めてくれましたし、この大会を通じてバッテリーを含めた投手陣が粘り強く戦ってくれて、日本の強みを存分に発揮した大会だったのではないかなと思います。初戦で負けてあまり良い流れではなかったですが、2戦目から切り替えてしっかりと自分たちの野球を体現してくれた選手、関係者のみなさんに感謝したいと思います」

野口泰司(NTT東日本)

「苦しい展開が続きましたが、こうやってチームとして一つにまとまれたことが優勝につながったと思います。応援ありがとうございました。この経験を1人、1人がチームで生かしてもらって、より社会人野球の良さをこれから伝えていければいいと思います」

長久保滉成(NTT東日本)

「決勝戦の先発は数日前に言われていました。(台風の影響で)試合時刻が急に前倒しになりましたが、この試合に向けてしっかりと準備ができていたので全く影響はなかったです。初回に先制点が入ったこともあり、気負うことなく攻めの投球ができました。優勝に繋がる投球ができて嬉しいです。チームに戻ってからもこの経験を生かしていきたいです」

山田拓也(東芝)

「初回に相手のミスもありましたし、投手陣を中心に守りの野球ができ、打者陣も適時打が出て、すごく良い勝ち方ができたと思います。(優勝の実感は)表彰式がありメダルをもらって、だんだんと湧いてきています。(今大会を振り返って)安打もでましたし守備でも貢献できたと思うので、個人的にもチーム的にもすごく良い大会になったかなと思います。日本に帰って自チームの大会もありますし、また日本を代表して大会に出られるような選手になりたいなと思います」

吉川海斗(日立製作所)

「今日は初戦で負けたプエルトリコが相手で、良いチームでなかなか思い通りの試合ができなかったのですが、チーム一丸となって試合を進めた結果、優勝という形にたどり着くことができました。(今大会を振り返って)初戦は負けてしまいましたが、日に日に良いチームになっているなという感覚もありましたし、試合を重ねるごとにチームとして、個人として成長できた結果、優勝することができたと思います。(大会途中から先発出場)最初は出ていなかったですが、いつでも行ける準備はできていました。体調面に関してもいろんな方々のサポートがあったおかげで、最後まで戦い抜くことができました」

第5回 WBSC U-23ワールドカップ

大会概要 出場選手

大会期間

2024年9月6日~9月15日

オープニングラウンド(グループA)
2024年9月6日(金)20:00 日本 1 - 6 プエルトリコ
2024年9月7日(土)15:30 日本 2 - 0 中国
2024年9月8日(日)20:00 オーストラリア 1 - 4 日本
2024年9月9日(月)20:00 日本 7 - 1 コロンビア
2024年9月10日(火)20:00 イギリス 1 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(中国:時差-1時間)

スーパーラウンド
9月12日(木)20:00 日本 5 - 1 ベネズエラ
9月13日(金)15:30 ニカラグア 1 - 9 日本
9月14日(土)20:00 日本 2 - 1 韓国

決勝
9月15日(日)10:00 プエルトリコ 0 - 5 日本

開催地

中国(紹興市)

出場する国と地域

グループA
日本、オーストラリア、プエルトリコ、コロンビア、イギリス、中国
グループB
韓国、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ

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