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第2回 IBAF 15U 野球ワールドカップ 総括

2014年9月1日15U

第2回 IBAF 15U 野球ワールドカップ 総括

7月31日から8月10日までメキシコにて行われた第2回 IBAF 15U 野球ワールドカップ。日本は一次ラウンドにアメリカ、パナマに敗れ、決勝リーグ進出ならず、二次ラウンドでは7位~12位決定戦に回り5戦全勝(1次リーグのドイツ戦の勝利を含む)。7位で大会を終えた。

大会終了後、鹿取義隆監督は、15U野球ワールドカップでの戦いをこう振り返った。

「厳しい戦いでしたが、大会を通じて、選手たちは大きな成長をみせてくれました。勝つことだけを目的とした選手起用ではなく、ケガのない限り、メンバー全員を起用してみんなで戦ってきました。大会の終盤の試合をみれば、出発前に比べると上手くなったなと感じる部分が多くありました。また、チームとしても最初はお互いに遠慮がありましたが、だんだん結束力のあるチームになっていきました」

それでも、一次ラウンドでのアメリカ、パナマとの戦いは、悔しさが残った。

「アメリカとパナマは、試合にかける意気込みが他の国とは違いました。私たち日本は、高校野球、プロ野球とその先の野球があるから、15Uの世代というのは、いわば育成していく世代として捉えています。試合を通じて成長させることがミッションですし、故障にも気を付けなければならない。でも彼らはすでにMLBを目指しています。この大会でもMLBのスカウトは来ていて、契約できるチャンスがあるんです。だから、故障してでも、全力を出して良いところを見せたい。彼らにとっては生活をかけた場でもありました。アメリカの先発は中学生ながら90マイル(144キロ)を投げていましたし、抑えは、92マイル(147キロ)。高校生でも打ち崩すのは難しいスピードですが、中学生にとっては非常に難しかったですね」

しかし、一次ラウンドでの敗戦は、「選手の能力の差だけではなかった」と鹿取監督は話す。アメリカ戦もパナマ戦でも、「想定外のエラーが出たことが大きかった」と語った。

「野球はどうしてもミスは出るものです。パスボールや内野手の暴投などは我々が想定できるもので、カバーが出来ます。しかし、今回はゴロの暴投や、フライの落球。バックホームで相手のスライディングにやられてボールを落したりなど、そういったミスが多かったんですね。やはりこういうミスが起こってしまうのは、基本プレーが徹底できていなかったことが要因でした。今回、選ばれた選手は、中学球界の中でもエリートの選手たちばかり。でもまだプレーに甘さがあって、簡単なミスが起こってしまう。こういう基本的なミスは、アメリカやパナマのようなレベルの高いチームと対戦して、初めて出てくるものです。改めて一つ一つのプレーを大事にしなければならないと感じました」

7位で終わったものの大会を通じて、選手たちが学び得たものも多かった。

「色々な国と対戦する中で、彼らは一球に対する執着心を学びました。とくにパナマの選手たちのプレーから、選手たちはその大切さを学んだようでした。試合前ノックの様子を見ていても、日本の方がずっと上手いんです。でも、試合では、不恰好でもアウトにすればいいという気構えでボールを待ち受けているので、彼らは全くエラーをしないんです。また、試合に取り組む姿勢ではブラジルが素晴らしかったですね。日系人が多かったのですが、とても直向きに、一生懸命野球に取り組んでいることがプレーからも伝わってきました」

日本代表メンバーは、課題も見つけながらも、世界の舞台で戦うことで多くのことを吸収していった。選手は、来春からは高校生となり、より高いレベルでプレーする。そんな彼らにとって、今後キャリアを積んでいく上でも貴重な経験となった。

「この大会が、彼らにとって本当に意義のあるものにするためには、自チームにこの経験を持ち帰って、しっかりと大会について語ることだと思います。経験しても何も話さなければ次には生きません。アメリカの投手が90マイル投げていたよという話しでも良いんです。自分たちが感じたことをチームのみんなに話してみる。今後、国際大会を経験する球児たちが世界を相手に勝ち上がっていくために、そういった情報を伝えたり、聞いたりすることも大事なことだと思っています」

今回、侍ジャパン15U代表としてジャパンのユニフォームに袖を通したのは、20名のみ。それでも、このあと、18U、大学代表、21U、社会人代表、トップチームとまだまだステージは続いていく。そして、多くの15U世代の選手たちが侍ジャパンへの憧れを抱いている。鹿取監督は、今大会での個々の経験が、この15Uの世代間で広まり、それが今後の日本球界のレベルアップにつながっていくことを強く信じている。

試合結果

1次ラウンド
日程 結果
2014年7月31日(木) 日本 15 - 1 南アフリカ
2014年8月1日(金) 日本 7 - 5 ドイツ
2014年8月2日(土) ニュージーランド 0 - 16 日本
2014年8月3日(日) アメリカ 7 - 2 日本
2014年8月4日(月) 日本 1 - 6 パナマ
2次ラウンド
日程 結果
2014年8月6日(水) オーストラリア 1 - 15 日本
2014年8月7日(木) 日本 11 - 0 アルゼンチン
2014年8月8日(金) 日本 6 - 0 ブラジル
2014年8月9日(土) 日本 4 - 0 イタリア
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