8月4日、「第7回 WBSC U-12 ワールドカップ」(台湾・台南市/8月6日まで)のスーパーラウンド第2戦が行われ侍ジャパンU-12代表はアメリカと対戦。前回大会を含む大会最多4回の優勝を誇る相手に対し攻守が噛み合い、7対0と快勝を収めた。






この日も火付け役は主将の舩山大翔(東名古屋ボーイズ)だ。1回表、「甘い球が来たら思いきり行こうと思っていました」と、いきなりライトフェンスを越える先頭打者本塁打を放った。
続く2回、相手失策と大塚凰太郎(宮城リーグ宮城野)の二塁打でチャンスを作ると舩山がタイムリーを放って2点目。ここで攻撃の手を緩めることなく、井端弘和監督が「大会通じて成長している選手の1人。国内合宿の時から見違えるほど打撃や動きが良くなっています」と称賛する藪内雅也(堺ビッグボーイズ)が2点タイムリーを放つと、三ツ井蓮(松戸柏リトルリーグ)の犠牲フライでも1点を追加し、2回表までに5点のリードを奪った。
3回こそ無得点に終わったが、4回にも成長株が値千金の一発を放つ。2死二塁から橘漣次(東久留米リトルシニア)が追い込まれてからの高めに浮いた変化球を左中間に運ぶダメ押し2ラン。井端監督は「以前は全部の球を振ってしまう打者だったのに、低めの変化球を振らずに高めに浮いた変化球を本塁打にしてくれました」と成長に目を細めた。






こうした援護に皆川旺介(東京城南ボーイズ)も応える。井端監督から「球が強いのでストライクが入ればアメリカ打線にも通用する」と先発投手に抜てきされた本格派右腕は、期待通りの力強いストレートを次々投げ込み、変化球の緩急も上手く使いながらアメリカ打線を封じ込んでいく。
「相手の3番打者を抑えてからいけると思いました」と振り返るように、相手3番のヘンリージュニア(180cm104kg)を初回に空振り三振に抑えて勢いに乗り、自身の持てる力を存分に発揮した。
アメリカはワールドカップ予選決勝でベネズエラから29点を奪ったほどの超強力打線ではあったが真っ向勝負し、5回3分の1を投げてわずか2安打3四死球という首脳陣の期待を遥かに上回る投球を見せた。さらに6回途中でマウンドを引き継いだ三ツ井も物怖じしない堂々の投球で打者2人をきっちり抑えて試合終了。成長著しい打者の活躍、皆川と三ツ井の好投、守備陣も無失策という今大会ここまでのベストゲームと言っていい内容で勝ち切った。
これでチャイニーズ・タイペイとベネズエラに敗れたオープニングラウンドの2敗を持ち越しながらもスーパーラウンドは韓国戦に続き連勝。スーパーラウンド最終戦のドミニカ共和国戦(日本時間8月5日正午開始予定)には決勝進出をかけて臨む。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「舩山はチームの軸ですから、攻守にわたって頑張ってくれています。薮内も橘も大会を通して成長してくれていますね。皆川は3回か4回持ってくれればと思っていたので200点…1000点くらいあげてもいいですね。(ドミニカ共和国戦に向けて)細かい嫌らしい野球をしてくるチームなので、バタバタせずにアウトを積み重ね、打撃では低めを捨てて甘いところに来たら積極的に打っていければ勝機があると思います」
皆川旺介(東京城南ボーイズ)
「アメリカ相手にも自分の投球ができました。試合前に少し緊張しましたがワクワクした気持ちでした。いけると思ってからも、1イニングずつ抑える気持ちで投げました。打撃の援護が本当に大きかったです。(球数制限により今大会はもう投げられないが)野手として試合に出たら自分のプレーをしっかりして、出ない時もしっかりとベンチから応援したいです」
藪内雅也(堺ビッグボーイズ)
「溜めて自分の間で、球を呼び込んで打てるようになりました。慣れてきましたし打撃の調子がとても良いです。チーム全体が盛り上がっているので、このまま世界一になりたいです」
橘漣次(東久留米リトルシニア)
「(本塁打の場面)第2打席に変化球で安打を打てていたので変化球を狙ってカットしていたら甘い球が来ました。今ではストレートより変化球の方が打ちやすいほどです。井端監督に褒めてもらって素直に嬉しかったです。明日も打撃で貢献して決勝に行きたいです」
第7回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2023年7月28日~8月6日
オープニングラウンド
7月28日(金)12:00 日本 (雨天延期) メキシコ
7月29日(土)19:30 チャイニーズ・タイペイ 3 - 2 日本
7月30日(日)19:30 日本 16 - 0 ドイツ
7月31日(月)15:30 ベネズエラ 7 - 1 日本
8月1日(火)12:00 日本 15 - 0 オーストラリア
8月2日(水)12:00 日本 12 - 6 メキシコ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月3日(木)12:00 日本 7 - 4 韓国
8月4日(金)12:00 アメリカ 0 - 7 日本
8月5日(土)12:00 ドミニカ共和国 1 - 13 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
3位決定戦
8月6日(日)15:30 日本 8 - 9 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、ドミニカ共和国、パナマ、チェコ、ニュージーランド