8月5日、「第7回 WBSC U-12 ワールドカップ」(台湾・台南市/8月6日まで)のスーパーラウンド第3戦が行われ侍ジャパンU-12代表はドミニカ共和国と対戦。負ければ決勝進出が極めて厳しくなる試合だったが攻守で圧倒し13対1の5回コールド勝ちを収め、その後の試合結果を待つ形で2大会ぶりの4位以上を確定させた。
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
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

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井端弘和監督が「先頭の舩山大翔(東名古屋ボーイズ)が塁に出て初回に得点できているのが大きいです」と語るように、オープニングラウンド第4戦のオーストラリア戦から4試合連続で初回に得点し連勝を続けてきたが、この日も舩山が先頭で出塁し打線が繋がった。
舩山が四球を選ぶと、すかさず盗塁を決める。その後も富田歩(大和ボーイズ)のレフト前安打、藪内雅也(堺ビッグボーイズ)が四球を選び無死満塁のチャンスを作る。ここで4番の駒勇佑(湖南ビッグボーイズ)が逆方向のライトへ痛烈な当たりを放って先制。さらに三ツ井蓮(松戸柏リトルリーグ)の犠牲フライで2点目を挙げた。
続く2回には舩山の3試合連続の4号3ラン本塁打、駒の6号3ラン本塁打で6点を追加すると、4回には橘漣次(東久留米リトルシニア)の2試合連続の2号2ラン本塁打が飛び出し、5回には暴投でダメ押し。前日の時点で決勝進出の可能性が薄くなっていたドミニカ共和国投手陣を圧倒した。
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
投手陣も先発の水野蒼介(武蔵府中リトルシニア)が初回を4球で抑えるなどテンポの良い投球を見せて2イニングを1人の走者も出さずに抑えると、3回から宮野瑛心(仙台育英学園秀光ボーイズ)がキレの良いスライダーを中心とした投球で3イニングを2安打1失点に抑えて試合を締めた。
オープニングラウンド最初の3試合は1勝2敗と、早々にこれ以上負けられられない状況に追い込まれたが、そこからオープニングラウンドの残り2試合に連勝すると、スーパーラウンドを3戦全勝で駆け抜けた。
これでチャイニーズ・タイペイとベネズエラに敗れたオープニングラウンドの2敗を持ち越した3勝2敗でスーパーラウンドを終えた。
侍ジャパンU-12代表が戦った第1試合終了時点では決勝進出の可能性もあったが、第2試合で勝敗が並んでいたベネズエラが韓国に延長タイブレークの末に勝利。チャイニーズ・タイペイが4勝0敗で前日に早くも決勝進出を決めており、2位の行方は侍ジャパンU-12代表、ベネズエラ、アメリカに絞られた。
しかし、ベネズエラに直接対決で敗れているためベネズエラとのみ3勝2敗で並んだ場合はベネズエラが決勝進出、アメリカがチャイニーズ・タイペイに勝利し3カ国が3勝2敗で並んだ場合は、3カ国間での対戦時の得失点率で争われるが、それもアメリカに劣っている。そのため、侍ジャパンU-12代表は8月6日の3位決定戦(日本時間15時半開始予定)で銅メダルをかけて戦うこととなった。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「8連戦目で疲れもある中、試合の入りは良かったですが、中盤に失速したことは課題です。最後の試合に向けて気を引き締め直さないといけません。このチームの中心である舩山と駒は素晴らしい活躍をしてくれています。チームとしてやるべきことをやれるようになってきて選手たちの力がつき、まとまりが生まれています。このメンバーでやる最後の試合なので良い試合をしたいです」
舩山大翔(東名古屋ボーイズ)
「みんな気合いの入れ方が違いました。本塁打はバットの先だったので入るとは思いませんでした。最後の試合も変わらずみんなで声を出して戦い、勝って井端監督を泣かせたいです」
駒勇佑(湖南ビッグボーイズ)
「本塁打は良い感触で打つことができました。初回に走塁ミスをしていたので取り戻そうと思いました。最後の試合なので勝って井端監督を泣かせたいです」
橘漣次(東久留米リトルシニア)
「低めのボール球を振ったら次の試合に出られないと思って、高めに浮いた球を打って本塁打にできました。最後の試合、最大の力を出してぶつかっていきたいです」
水野蒼介(武蔵府中リトルシニア)
「打たせて取る投球で流れを持ってくることができたのかなと思います。無四球で抑えられたことも良かったです。(30球以内の球数で降板したため)明日も投げる可能性があることを伝えられていますし、全力でプレーして勝って日本に帰りたいです」
宮野瑛心(仙台育英学園秀光ボーイズ)
「連打から失点をしてしまいましたが全体的には最少失点で抑えることができて良かったです。曲がりが良かったスライダーを中心に投げました。(球数制限により)明日は投げられませんが、チームのサポートをするなどして全力で戦いたいです」
第7回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2023年7月28日~8月6日
オープニングラウンド
7月28日(金)12:00 日本 (雨天延期) メキシコ
7月29日(土)19:30 チャイニーズ・タイペイ 3 - 2 日本
7月30日(日)19:30 日本 16 - 0 ドイツ
7月31日(月)15:30 ベネズエラ 7 - 1 日本
8月1日(火)12:00 日本 15 - 0 オーストラリア
8月2日(水)12:00 日本 12 - 6 メキシコ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
8月3日(木)12:00 日本 7 - 4 韓国
8月4日(金)12:00 アメリカ 0 - 7 日本
8月5日(土)12:00 ドミニカ共和国 1 - 13 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
3位決定戦
8月6日(日)15:30 日本 8 - 9 ベネズエラ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、ドミニカ共和国、パナマ、チェコ、ニュージーランド