8月19日(日本時間20日)、「第6回 WBSC U-15 ワールドカップ」(コロンビア・バランキージャ)のオープニングラウンド4戦目が行われ、侍ジャパンU-15代表はグアムと対戦。スタメン10人中8人を入れ替えながらも14対0の5回コールド勝ちで大勝し開幕4連勝とした。
「この炎天下で日本より暑い気候の中で3試合続けて出ていた選手を上手く休ませようと思いました」とスタメンの大幅な入れ替えの意図を語った井端弘和監督。その中でこれまで出場機会の少なかった選手たちが持ち味を発揮し、初回から順調に得点を重ねた。
相手投手の4四死球で先制すると、前日に先発登板した福井那留(愛知豊橋ボーイズ)が痛烈なライナーをライトに放つと、相手右翼手は捕球ができず。フェンスまで打球が転々とする間に福井が俊足を飛ばして一気に本塁へ生還しこの回に一挙5得点を挙げた。
福井は「足を生かすことができました」と笑顔で振り返り、「投手としても野手としてもチームに流れを持って来られるように調整していきたいです」と殊勝に語った。さらに2回には林将輝(日高リトルシニア)のセンター前安打で2点を追加した。
井端監督は、世界一とともに「全員がヒットを打って帰る」ということも目標にしている中で、2人の今大会初安打が試合の大勢を決めることになった。さらに同じく無安打だった石毛慎二郎(千葉市リトルシニア)や柴﨑壮佑(東京日本橋ボーイズ)にも安打が生まれ、試合前まで無安打だった7人中4人が初安打を記録した。
打線は手を緩めることなく4回は内野ゴロの間に2点を加えると、5回は太田蓮(京都リトルシニア)の右中間への二塁打と岡田良太(熊本泗水ボーイズ)のレフト前安打でダメ押しの14点目を挙げた。
投げては今大会2試合目の登板で初先発となった大久保遼(東京ヴェルディボーイズ)が井端監督の期待に応える。社会人野球の名門・ENEOS大久保秀昭監督(元近鉄外野手)の次男で、日本から応援に駆けつけた両親の前で、「ストレートがコースに決まりました」と振り返るようにストライク先行中心の投球でアウトを重ねた。
そして最後までグアム打線に反撃を許さず「試合前から狙っていた」というノーヒットノーランを5回参考ながら果たし「メチャクチャ嬉しいです」と笑みがこぼれた。
これで開幕4連勝。オープニングラウンド最終戦は日本時間21日0時半から同じく無敗のプエルトリコと対戦。オープニングラウンド同グループのチームとの対戦成績はスーパーラウンドに持ち越されるため、大事な一戦となる。
井端監督は、南北アメリカ予選(3月のU-15パンアメリカ選手権)1位のプエルトリコが相手ということで「全勝で突破してスーパーラウンドに弾みをつけたいです。ここで勝つか負けるかでは大きく違ってくるので、勝って1位通過してアドバンテージを作ってスーパーラウンドに入りたいです」と意気込んだ。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「(無安打だった7人中4人が初安打)世界一とともに”全員がヒットを打って帰る”ということも目標だったので、良い機会にまた選手を出していきたいです。(大久保が5回参考ノーヒットノーラン)ストライク先行で投げていました。最後は四球を出してしまったことが反省点くらいで、あとは完璧でした。(右肩痛から復帰し2試合連続先発起用の岡田)本職の外野手が戻ってきたことは大きいですし、彼の魅力はパンチ力と走力。良い形で出塁しているので今後も期待していきたいです。プエルトリコ戦の予告先発は谷口哲聖(摂津リトルシニア)で行きます。マウンド度胸もセンスも良く、バッターを見ながら投球できるので、そこに期待をかけたいと思います」
大久保遼(東京ヴェルディボーイズ)
「ノーヒットノーランは人生初なのでメチャクチャ嬉しいです。先発するのが久々で緊張しましたがマウンドに上がると気持ちがほぐれて、全力で抑えてやろうという気持ちになりました。(両親の前で)好投できて嬉しいです。欲を言えばヒットを打ちたかったです。(今後に向けて)投手で出たら全力で投げて、打者で出たらフルスイングしていきたいです」
柴﨑壮佑(東京日本橋ボーイズ)
「(捕手として)ブルペンから大久保のストレートが走っていたのでストレート中心で配球しました。母親が応援に来ているので、活躍している姿を見せられて良かったです。(これまでノーヒットだったが、この日3打数2安打)母に“自信を持って打席に入って”と言われ元気が出ました。試合に出ているからには世界一の良い報告ができるようにと思っていますし、出ない時は声を出してチームを盛り立てます」
第6回 WBSC U-15 ワールドカップ
大会期間
2024年8月16日~8月25日
オープニングラウンド(グループA)
8月17日(土)9:00 日本 12 - 9 ドミニカ共和国
8月18日(日)5:00 イタリア 3 - 8 日本
8月19日(月)9:00 コロンビア 3 - 14 日本
8月20日(火)5:00 日本 14 - 0 グアム
8月21日(水)0:30 日本 4 - 2 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
スーパーラウンド
8月23日(金)5:00 日本 5 - 6 チャイニーズ・タイペイ
8月24日(土)5:00 日本 6 - 1 メキシコ
8月25日(日)5:00 日本 7 - 2 ニカラグア
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
決勝
8月26日(月)9:00 日本 7 - 6 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)
開催地
コロンビア(バランキージャ)
出場する国と地域
グループA
日本、ドミニカ共和国、プエルトリコ、コロンビア、イタリア、グアム
グループB
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ