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試合レポート

太田蓮の好救援や福井那留の勝ち越し打などでプエルトリコを破りオープニングラウンド首位通過

2024年8月21日

 8月20日(日本時間21日)、「第6回 WBSC U-15 ワールドカップ」(コロンビア・バランキージャ)のオープニングラウンド最終戦が行われ、侍ジャパンU-15代表はプエルトリコと対戦。南北アメリカ予選(3月のU-15パンアメリカ選手権)1位で、ここまで無敗の難敵が相手だったが、投打が噛み合い4対2で制した。

 ともにスーパーラウンド進出を決めていたが、オープニングラウンド同グループのチームとの対戦成績はスーパーラウンドにも持ち越されるため大事な一戦だ。
 試合を振り返り、井端弘和監督が「試合の入りが良くなかったですし、すべての回で先頭打者が出塁しましたが、牽制死や走塁死でなかなか生かしきることができませんでした」と振り返ったように、序盤は苦しんだ。先発の谷口哲聖(摂津リトルシニア)が2回表、2四球から招いたピンチで、相手9番打者にタイムリーを浴びて先制を許した。
 打線も初回から3回はそれぞれ無死で走者を出すも、プエルトリコの鋭い牽制球やライナーの飛び出しでアウトとなり、チャンスを逸していた。

 そんな嫌な流れを変えたのは3回表からマウンドに上がった太田蓮(京都リトルシニア)だ。先頭打者を内野安打で出してしまうが「これ以上点を取られるとプエルトリコのペースになってしまうと思ったので全力で投げました」と、そこから三者連続で空振り三振を奪うと、4回は三者凡退に抑えてチームに活力を与える。
 すると4回裏、四球と中嶋蒼空(佐倉リトルシニア)の内野安打でチャンスを作ると中島齊志(飯塚ボーイズ)が一、二塁間を破る安打を放ち、新井悠河(藤岡ボーイズ)が生還。同点に追いつく。さらに続くチャンスで、前日にランニング満塁本塁打を放っていた福井那留(愛知豊橋ボーイズ)が力強く振り抜いた打球はセンター前安打となり2者が生還。この回3点を挙げた。

 勢いに乗る太田は5回も三者凡退に抑えて、プエルトリコ打線に反撃をさせず。6回は今大会投手・野手双方で活躍している戸倉光揮(狭山西武ボーイズ)が登板すると、いきなり三塁打を許すも、後続をサードゴロと二者連続の見逃し三振に抑えてピンチを脱した。
 その裏、追加点が欲しい状況で先頭の川上慧(明石ボーイズ)がライト線へ鋭い打球を放つと、俊足を飛ばして三塁へ。このチャンスで中島がセカンドゴロを打ち、川上は好スタートを切って本塁に生還し、貴重なダメ押し点を奪った。
 そして最終回は戸倉が2安打こそ許すが、堂々とした投球で暴投による1失点のみに抑えて、試合終了。スーパーラウンドへの進出は第3戦後に決まっていたが、オープニングラウンド全勝・Aグループ首位というこれ以上ない形で駒を進めた。

 この勝利とコロンビア戦での勝利により、スーパーラウンド(初戦は22日※日本時間23日、試合開始時刻は未発表)で2勝のアドバンテージ持って始められることとなった。
 2016年に福島県で開催された第3回大会の準優勝を超える初優勝を目指すためにも、スーパーラウンドでは2位以上に与えられる決勝進出を目指していく。

監督・選手コメント

井端弘和監督

「相手の牽制が上手かったとはいえ反省しないといけません。走塁ミスがこれだけあった中で4点を取れたのは良いと思いますが、もっと上手く工夫すればもっと楽に勝てたのかなと思います。(太田蓮について)1イニング目はコーナーを狙って硬かったですが、2イニング以降のように大胆にいって欲しい。そうすれば相手も威圧感に押されていましたよね。(勝ち越し打の福井について)彼は体幹が強い。インパクトの強さが他の打者よりあります。(ダメ押しの場面)川上がノーアウトでも積極的に三塁まで進んだのは良かったですし、その後の内野ゴロのギャンブルスタートも良かったです。(いよいよスーパーラウンドが始まる)一戦一戦負けたら終わりという気持ちでやっていきたいですし、必ず決勝に進出したいです。日本の足は警戒されると思うので、走塁と守備が鍵を握ると思います。走塁のミスは今日たくさん出ましたけど積極的に次の塁を狙って、冷静になるところは冷静になって。守備は、これまでのように守ってくれれば勝機は訪れると思います」

太田蓮(京都リトルシニア)

「最初はボールが定まらなかったのですが、途中から修正することができました。前のコロンビア戦で少し無くなった自信が、今日またついてきました」

福井那留(愛知豊橋ボーイズ)

「(勝ち越し打)しっかりと自分の思いきり良いスイングができました。体幹は自信あります。特に何もやってないですが、強いと思います。大谷翔平選手のように投打で活躍していきたいです」

川上慧(明石ボーイズ)

「(ダメ押しのきっかけとなる三塁打)塁に出ようと思って打席に立ちました。相手投手のテンポが速いので、気持ち早めにタイミングを取るようにしています。基本はセンター方向の打球を狙っているのですが、タイミングが少し外れて引っ張りの打球になりました。一戦一戦雰囲気が良くなっているので、この調子で戦っていきたいです」

中島齊志(飯塚ボーイズ)

「(同点打)繋ぐ意識と強い打球で野手の間を抜く打球を心がけました。打った瞬間は少しファースト寄りだったので、抜けてくれと思いながら走りました。(ダメ押し打)1点欲しいところだったので、ゴロで点を取ることができて良かったです。スーパーラウンドでも全員でチーム一丸となって勝利にこだわりたいです」

第6回 WBSC U-15 ワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2024年8月16日~8月25日

オープニングラウンド(グループA)
8月17日(土)9:00 日本 12 - 9 ドミニカ共和国
8月18日(日)5:00 イタリア 3 - 8 日本
8月19日(月)9:00 コロンビア 3 - 14 日本
8月20日(火)5:00 日本 14 - 0 グアム
8月21日(水)0:30 日本 4 - 2 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

スーパーラウンド
8月23日(金)5:00 日本 5 - 6 チャイニーズ・タイペイ
8月24日(土)5:00 日本 6 - 1 メキシコ
8月25日(日)5:00 日本 7 - 2 ニカラグア
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

決勝
8月26日(月)9:00 日本 7 - 6 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

開催地

コロンビア(バランキージャ)

出場する国と地域

グループA
日本、ドミニカ共和国、プエルトリコ、コロンビア、イタリア、グアム
グループB
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ

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