11月23日、愛媛県松山市・今治市にて「第11回 BFA U12アジア野球選手権」のオープニングラウンド第2戦が行われ、侍ジャパンU-12代表は松山市の坊っちゃんスタジアムでフィリピンと対戦。序盤は苦しんだものの9対0で快勝し、連勝を飾った。
前日夜のミーティングで仁志敏久監督からチームの良かった点と改善点を問われると、主将の惣宇利銀河(神明サンダーズ)は「ノックから1球1球集中していたけど、まだまだ声が少ないと思います」と回答。仁志監督は「練習は試合のように、試合は練習のように取り組もう。最後にはチームの改善点が何も思い浮かばない状態がベストだよ」と選手たちに伝えた。
江尻慎太郎投手コーチは立岩駿(古高松ブルースターズ)を先発に指名。試合当日、立岩は緊張が隠せない様子で、チームメイトに「みんなが初回に点取ってくれたら楽になるから、いっぱい打ってね」と話した。
試合前のウォーミングアップでは、今大会で初めてスタメンに名を連ねた石畑一馬(富士見クラブ)が「みんなリードしっかり!集中しよう!」など、チームの空気を引き締める声かけを行っていた。
序盤は先制点が遠かったが、投手陣が奮闘してチームに流れを作った。先発の立岩は初球を低めのコースに決め、緩い変化球も織り交ぜながら初回を無失点に抑える。続いてマウンドに上がった惣宇利銀河(神明サンダーズ)と西谷内駿希(松任若体スーパースターズ)もそれぞれ1イニングを三者凡退に抑えた。
先制点の火付け役となったのは池田夏唯(下馬ジュニアクラブ)だ。4回表の先頭打者として四球を選んで出塁し、すかさず盗塁を決める。続く石畑の内野ゴロの間にランナーが三塁へ進むと、鈴木陽士(松島ジュニアクラブ)のショートへ転がした打球が相手の野選を誘い池田が生還。待望の先制点を挙げた。その後、鈴木が二盗三盗と足でチャンスを広げ、同じく俊足の峰岸走太朗(菱・境野フューチャーズ)の内野安打で、さらに1点を追加した。
5回表の攻撃では、先頭の石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)と福田周吾(IBCレイカーズ)が連続で四球を選んで出塁。すると、池田がライト前に鋭い打球を運んでこの回1点目。さらに、石畑の四球と古畑のタイムリー二塁打で2点を追加した。6回表には打線の中軸を担う一寸木健翔(西湘シーホース)と石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)の連打で1点を挙げると、中村豪志(枝吉パワーズ)と杉浦颯真(保々ジュニヤーズ)の内野ゴロの間にさらに3点を追加。試合を通じて8安打9得点を記録し、前日の中国戦に続いて快勝を収めた。
投手陣も完封リレーを披露。チームが先制した直後にマウンドへ上がった藤原虎之助(深川一已バトルス)はわずか9球で1イニングを抑える。5番手の鈴木は相手の有利なカウントになってもすぐに立て直す落ち着いた投球で5回裏を三者凡退に。最終回の6回は石畑が伸びのあるストレートで空振りを量産し、試合を締めた。
オープニングラウンド最終戦となる次戦は25日14時から坊っちゃんスタジアムでインドと対戦。全勝でのスーパーラウンド進出を狙う。
選手コメント
仁志敏久監督
「投手陣はストライクを簡単に取れてコントロールも良い子たちなので、順当に投げてくれました。(この日2安打の古畑は)なんでも器用にできて非常に期待も高いので、もっと打ってほしいなと思います。今日のフィリピン戦全体を通して、ミスをしない相手だとなかなか点が入らないなという印象はありました。積極的に打って点を取っていかないと厳しいですね。アジア選手権は試合数が少なく、予選でなかなか結果が出ない選手はスーパーラウンド以降出場のチャンスが限られてしまうので、もっといいところを見せてくれたらなと思います。スーパーラウンドに上がってからは対戦相手のレベルが急に上がることもあるので、そのための準備にしっかり取り組んでいきます」
立岩駿(古高松ブルースターズ)
「昨日投げられなかったので今日投げるとは思っていたけど、先発と言われたときはびっくりしました。投球練習ではいつも通りミットより下に投げることを意識して投げました。明日は守備で活躍して、バッティングでもチームを勝利に導けるように頑張ります。目標はこのアジア選手権で優勝することです」
鈴木陽士(松島ジュニアクラブ)
「(チャンスでの打席について)しっかりバットに当ててランナーを返そうと思っていました。開幕してから2回勝って、点差もあったのでチームの雰囲気はとても良いです。インド戦も油断しないで頑張ります」
惣宇利銀河(神明サンダーズ)
「今日はピッチャーとして投げる予定だったので、ストレッチからしっかり体を温めました。試合前は緊張しすぎてしょうがなかったです。いいピッチングができたのは、ブルペンのときにたくさん優しい言葉をかけてくれた浦ちゃん(杉浦颯真)のおかげです。明日は4回コールドで勝って、スーパーラウンドに1位通過で行きます」