11月25日、愛媛県松山市・今治市にて「第11回 BFA U12アジア野球選手権」のオープニングラウンド第3戦が行われ、侍ジャパンU-12代表は松山市の坊っちゃんスタジアムでインドと対戦。22対0の4回コールド勝ちで大勝し、オープニングラウンドを3連勝で首位通過。27日から始まるスーパーラウンドへ進むこととなった。
仁志敏久監督が「打てなかったですね。なかなか子どもたちの集中力を保たせるのが難しかったです」と険しい表情で振り返ったように、相手のミスで加点はできたもののクリーンヒットはそこまで多くなく、韓国とチャイニーズ・タイペイが待つスーパーラウンドを前に気を引き締めた。
試合は初回から得点を重ねた。1死後、ここまでの2試合3打数無安打だった杉浦颯真(保々ジュニヤーズ)に待望の初安打となる左中間への三塁打が飛び出すと、惣宇利銀河(神明サンダーズ)のショートゴロの間に杉浦が先制のホームを踏んだ。その後、古畑太誠(深川ジャイアンツ)、漆崎一輝(ドラゴン中藤スポーツ少年団)、立岩駿(古高松ブルースターズ)、西谷内駿希(松任若体スーパースターズ)、藤原虎之助(深川一已バトルス)、峰岸走太朗(菱・境野フューチャーズ)に安打が生まれ、いきなり6点の先制に成功した。だが2回は無安打で四球と暴投、内野ゴロの間の1点のみに終わった。3回は藤原や古畑の2本のタイムリーや西谷内のタイムリーなどで得点を重ねた。
また、100m走の自己最速が13秒07で、小学5年時に群馬県4位、今年8位に入った峰岸が俊足を飛ばしてランニング本塁打を放つなど、3回裏に一挙15点を奪ってダメ押し。仁志監督が「すごくひたむきで、いつも一生懸命にやる模範的な選手の1人」と姿勢面も高く評価する峰岸は、前日に自ら打撃指導を受けに仁志監督のもとへ。「もともと綺麗なスイングをしているから、もっと振り抜いて打った方がいいんじゃないかと言ってもらいました」と話すように、そこで受けた助言をさっそく形にした。
投手陣は一寸木健翔(西湘シーホース)、石﨑悠士郎(本郷北学童野球クラブ)、福田周吾(IBCレイカーズ)、古畑が1イニングずつを投げて打者12人から11三振を奪い、1人の走者も出さない完全リレー。4回コールドで試合を終わらせた。
これでオープニングラウンドは3試合47得点無失点と圧倒し、スーパーラウンド進出を決めた。一方で仁志監督は前述のように危機感も感じており、夜のミーティング時にはこの日行われたチャイニーズ・タイペイ対韓国(韓国が1対0でサヨナラ勝ち)の試合映像を見てレベルを感じさせるとともに、選手たちに自覚の大切さを説いた。
スーパーラウンドは27日から開始。27日にグループB首位の韓国と、28日に同2位のチャイニーズ・タイペイと、それぞれ14時から松山市の坊っちゃんスタジアムで対戦。上位2チームに与えられる決勝戦進出を目指す(グループAからともに進出した中国との対戦成績は持ち越し、1勝0敗からスーパーラウンドを始める)。
監督・選手コメント
仁志敏久督
「(スーパーラウンドに向けて)オープニングラウンドでは満遍なく選手を起用しました。実力の差はそこまであるわけではないので、スーパーラウンドでは取り組む姿勢やチームに良い影響を与える選手をできるだけ試合に使いたいと思います。また、高いレベルの相手と戦う際の準備をもっとさせていかないといけないと思います。(峰岸のランニング本塁打)昨日“打球が上がらない”と言っていたのですが足も速いので“打ち抜いて、強い打球を打つのが良いんじゃないか”という話をしました。すごくひたむきな選手です」
古畑太誠(深川ジャイアンツ)
「(投打に活躍)自分が打って投げて、チームが勝つことができて良かったです。スーパーラウンドでは強い相手に対しても自信を持って戦いたいです。投打両方で活躍していきたいです」