「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」円滑な運営と取材現場の舞台裏
2017年9月4日
「第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(カナダ・サンダーベイ)は、日本からのメディアが約9割とほぼ"占拠状態"にある。約2週間に及ぶ、取材現場の舞台裏を紹介する。
今大会、侍ジャパン取材陣にとっては、非常にありがたい運営となっている。決勝まで順当に勝ち上がれば、全9試合がメーン会場の「ポート・アーサー・スタジアム」での試合が組まれており、大会事務局(メディアセンター)は同球場に隣接するサンダーベイ市民会館に設置されている。移動距離はわずか200メートル。9月1日の開幕以降、すべての取材がこの敷地内で済むことになる。
毎回、国際大会で心配されるのが取材パス(ID)のピックアップだ。今回もWBSC(世界野球ソフトボール連盟)のホームページを通じて日本で登録してきたが、本当に申請が通っているのか、現地でパスを受け取るまで不安が付きまとう。しかし、今回は受付窓口にてすんなり入手することができ、また、受け取りの際の手際も良く、出国前の心配は杞憂に終わった。
また、大会本部は今回を含め、一般的な国際大会(例えば台湾、韓国)でも、開催都市中心部のホテルなどに構えられることが多いのだが、ここへ足を運ぶ際、レンタカーを借りているならともかく、異国の地ではタクシーを手配し現地に向かうだけでも大変な作業となることもある。例えば台湾の場合、ホテルの名称を言ってもまったく理解してもらえず、住所の提示が必要となる場合もある。
今回のカナダでは、タクシードライバーと行先の意思疎通は問題ないものの、ある取材者によれば、ホテルのフロントでタクシーを呼んでから1時間後に到着、というのも珍しい話ではないという。関係者の話によれば、どうやらサンダーベイ市内のタクシーの絶対数が少ないようだ。国際大会で取材するたびに、日本ほど便利な国はないと改めて実感する。
さて、試合当日は先発オーダー、公式記録、他会場の結果もすべて大会事務局で情報を得ることができた。また、WBSCからの最新情報もインターネットを通じて随時入ってくる。
大会事務局2階には作業スペースが朝7時から夜11時までオープンされ、コーヒー、ミネラルウォーターのサービスまで整っている。作業スペースの奥には共同記者会見場が併設。すべてが効率良く回っているのだ。
このように感じてきた効率の良さや手際の良さは大会運営にも表れる。アメリカとのオープニングラウンドは2回途中に激しい雨で中断されたが、その際も、内野全面を覆うシートが迅速かつ手際よく敷かれた。統率された一連の動きには、スタンドから大歓声が上がっていたほどである。
こうした円滑な運営は、サンダーベイ国際野球協会のウォーレン・フィリップ事務局長の尽力が大きい。同事務局長は日本の甲子園大会、前回の日本開催のU-18ワールドカップ(2015年)も視察し、大会運営のノウハウを学んできたという。昨春、センバツ甲子園大会期間中にも来日し、記者会見を開いて、サンダーベイの良さをアピールする機会もあった。地道なPR活動、そして入念な準備を経てようやく世界大会を開催。その成果が、しっかり"形"となっている。
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2017年9月1日~9月11日
オープニングラウンド
9月1日(金)22:30 メキシコ 1 - 10 日本
9月3日(日)5:00 日本 0 - 4 アメリカ
9月4日(月)6:00 日本 7 - 2 キューバ
9月5日(火)3:00 オランダ 1 - 3 日本
9月5日(火)22:30 日本 12 - 0 南アフリカ
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)22:30 日本 4 - 3 オーストラリア
9月9日(土)6:00 日本 4 - 6 カナダ
9月10日(日)2:00 韓国 6 - 4 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
3位決定戦
9月11日(月)1:00 カナダ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(サンダー・ベイ:時差-13時間)
開催地
カナダ サンダー・ベイ
参加国
グループA
カナダ、韓国、チャイニーズ・タイペイ、オーストラリア、イタリア、ニカラグア
グループB
日本、アメリカ、キューバ、メキシコ、オランダ、南アフリカ