香港・晒草湾遊楽場で開催されている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」。4日目の第4戦、侍ジャパン女子代表は地元・香港と対戦し、2対0で勝利。再三走者を背負う厳しい試合になったが、接戦を制し遂に初代女王の座を確定させた。
この日、香港チームに予想以上の苦戦を強いられるが、侍ジャパン女子代表内野陣の堅実な守備が光った。
初回、先発の小野あゆみ(埼玉栄)は四球とヒットでいきなり一死2、3塁のピンチを招くが、続く打者をサードゴロ、空振り三振に打ち取り無失点で切り抜ける。その裏、蛭田菜月(埼玉栄)が四球で出塁すると、一死3塁から渡辺那奈(作新学院)がライトへ犠牲フライを放ち侍ジャパン女子代表が先制した。3回には吉井温愛(履正社)のバントに俊足の安達瑠(京都両洋)が二塁から一気にホーム生還し、追加点をあげる。しかし、これ以降は追加点を奪えないまま再三ピンチを迎える。
4回、前の回からマウンドにあがった松島瑠菜(履正社)が二死2塁のピンチを招くが、一二塁間へのゴロを蛭田が捌いて守りきる。6回には無死2、3塁の同点のピンチを見逃し三振、キャッチャーゴロ、サードゴロで切り抜けた。
優勝が目前に迫った7回には、一死1、3塁から見事な連係で盗塁を阻止。内野陣の堅実な守りでチームを救い、果敢に攻める香港にホームを踏ませず完封で勝利した。
これで開幕から4戦全勝。仮に翌日のインドとの対戦に敗れても、他4チームとの直接対決に勝利しているため、最終戦を待たずに優勝が確定した。
目標としていた初代女王の座を手にした侍ジャパン女子代表。最終戦となる次戦は、6日(水)日本時間10時より、この日大会初勝利を挙げたインドと対戦。笑顔で帰国できるよう、全勝優勝に向け確実に勝利を掴みに行く。
監督・選手コメント
橘田恵監督
「しんどい戦いになると思っていましたが、こうもしんどいとは。昨日打っていた打者を見た選手が、大振りになっていた。セーフティーバントなど小技を使っていけばもう少し崩せていたと思います。ランナーを置きながらも内野手がしっかりと守ってくれて、日本らしい野球を見せてくれたと思います。選手たちは初めての国際大会で、苦しい戦いや雨の影響もありましたが、考えながらやってくれています。明日、もう一度気を引き締めて戦いたいと思います。」
蛭田菜月(埼玉栄)
「この試合を勝ったら優勝だと聞いていましたが、そこで安心すると気が緩んでしまうので、目の前の試合を勝とうという気持ちで臨みました。(ピンチが続いた場面では)焦らず冷静に守ろうと心がけました。あまり緊張はしませんでした。香港の投手は緩い球が多かったので、しっかり振っていって、強い打球を打とうと思い打席に入りました。」
渡辺那奈(作新学院)
「香港の選手はアップのときから全員揃っていて、強そうだなと感じていました。1打席目(ライト犠牲フライ)は、アウトになってもいいのでランナーを還すことだけを意識しました。(内野の守備に関しては)内野に飛んだら絶対にアウトにしてくれると思っているので、安心していました。」