7月31日、「ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025」(台湾・台南市で8月3日まで)のスーパーラウンドが始まり、侍ジャパンU-12代表は韓国と対戦。4対0で競り勝ち、初優勝に望みを残す大きな白星を挙げた。





両グループ3位以上が進むスーパーラウンドは、オープニングラウンド同グループとの対戦成績が持ち越されるため、チャイニーズ・タイペイ戦の1勝とメキシコ戦の1敗を持ち越す1勝1敗からのスタートに。
この日の韓国戦で敗れれば初優勝が大きく遠のく大事な一戦だったが、キューバ戦で3安打完封を遂げた橋本翔太朗(高崎ボーイズ)が、この日も持ち味を存分に発揮した。初回から伸びのあるストレートとキレの良い変化球でストライクが先行。韓国打線をテンポ良く抑え込んでいく。
味方の援護は2回の相手投手陣の4連続四球による1点のみで、3回と4回は味方に失策が出たものの後続を冷静に抑えていった。
5回表、ベンチが慌ただしくなった。この日の投球数が61球に達すれば、大会規定により中3日が必要となり、決勝戦や3位決定戦が行われる8月3日の最終日も含めて、今大会でもう登板ができなくなるからだ。
大久保秀昭監督、林卓史投手コーチは何度もコミュニケーションを取り、相当悩んでいる様子が見られたが、下した決断は「続投」。目の前の試合を確実に取ることだった。橋本もその期待に応え、60球を超えてもなおも無安打に抑え、味方の追加点を待った。
するとその裏、先頭の外山泰基(福岡ベースボールポニー)が三遊間を破るレフト前安打を放つと、その後、小川大良(湘南リトルリーグ平塚)と橋本が冷静に四球を選び無死満塁に。ここで吉塚真之介(狭山西武ボーイズ)のファーストゴロ、茨木雄之介(松戸中央ボーイズ)の犠牲フライ、大原颯二郎(糸島ボーイズ)のタイムリーで3点をダメ押し。
最終6回表、橋本は1死からこの日初めて安打を打たれるが、表情ひとつ変えずに後続を抑えて完封。キューバ戦の1四球に続き今回は無四球で1安打完封を収めて、初優勝を目指すチームに大きな大きな白星をもたらした。






これでスーパーラウンドの成績を2勝1敗とした侍ジャパン。8月1日のスーパーラウンド第2戦は日本時間15時半からドミニカ共和国と対戦する。
監督・コーチ・選手コメント
林卓史投手コーチ
「橋本が素晴らしい投球をしてくれました。すごいですね。球数は迷いましたけど…昨日負けて一戦必勝の状況になったので続投を決めました。(無四球完封について)たまにバランスを崩すのですが、修正能力がすごくて、次の球になったらバチっと直ってるんです。大したものです。変化球のコントロールは台湾に来てから良くなりましたね。僕からは何も言っていません。(配球について)今日も河津が上手くリードしました。インコースを途中から使って、こうやったら打ちづらいなという配球をしてくれました。(次戦以降は)投げられる者が投げていくしかない。ただ変化球でストライクが入ればなんとかなると思います」
大久保秀昭監督
「もう負けられないですからね。本当は60球で橋本を代えて最終日に使いたい気持ちもありました。でもノーヒットですし、1対0じゃ代えられない…というところで究極の悩ましさでした。(続投を決めたのは)やっぱりもう勝てる時に勝っておかないと。交代して負けたら悔いが残るし、後から投げる投手も可哀想なので、橋本勝負と決めました。こないだのキューバ戦でさらに自信をつけたような抜群の安定感でしたね。チームとして残塁が多いことなどは課題ですが、彼らができる限りの最大限は出してくれています」
橋本翔太朗(高崎ボーイズ)
「投げた試合を両方とも完封で抑えることができて嬉しいです。インコースにストレートがしっかり決められたことが大きかったです。河津のリードは投げやすかったです。(60球に達しても続投を告げられた時は)もうこの大会で投げられないことが分かったので、この試合をしっかり決めようと思いました。(ノーヒットノーランは)4回終わった頃に気がついて。意識しました。変化球のコントロールは少しだけ握りやリリースを変えました。この後は投げられないので、守備や打撃で貢献していきたいです」
大原颯二郎(糸島ボーイズ)
「(貴重なダメ押し打)大久保監督から“調子が良いから三振してもいいからフルスイングで打ってきていい”と言われ、気持ちが楽になりました。タイミングが合っていて調子が良いです。まずは明日も勝って優勝できるよう頑張りたいです」
茨木雄之介(松戸中央ボーイズ)
「(貴重な犠牲フライ)相手の韓国も強いので自分よりもチームがどうやって勝てるかを考えて逆方向に打ちました。調子は悪くありません。長打を打てるタイプではないので、チームに何が必要かを考えてプレーしていきたいです」
ラグザス presents 第8回 WBSC U-12野球ワールドカップ2025
大会期間
2025年7月25日~8月3日
オープニングラウンド(グループA)
7月25日(金)15:30 日本 17 - 0 ドイツ
7月26日(土)15:30 日本 4 - 0 キューバ
7月27日(日)19:30 チャイニーズ・タイペイ 2 - 7 日本
7月28日(月)15:30 メキシコ - 日本 雨天延期
7月29日(火)11:30 日本 15 - 0 オーストラリア
7月30日(水)11:30 メキシコ 7 - 6 日本
スーパーラウンド
7月31日(木)15:30 日本 4 - 0 韓国
8月1日(金)15:30 日本 10 - 6 ドミニカ共和国
8月2日(土)15:30 日本 - アメリカ
決勝・3位決定戦
8月3日
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、キューバ、オーストラリア、ドイツ
グループB
アメリカ、韓国、パナマ、ドミニカ共和国、チェコ、南アフリカ