11月13日、2018日米野球の第4戦がMazda Zoom-Zoomスタジアム広島で行われ、MLBオールスターチームと対戦した侍ジャパントップチームは終盤に逆転勝ち。5対3で勝利し対戦成績を3勝1敗とした。
両先発投手は、侍ジャパンが大瀬良大地(広島)、MLBは広島で9年間プレーした前田健太(ドジャース)、日米通算203勝を挙げた黒田博樹氏(前広島)が始球式ということもあり、広島での第4戦は熱気に包まれた中で始まった。
先制したのはMLB。2回裏、リース・ホスキンス(フィリーズ)が逆方向のライトスタンドに飛び込む先制本塁打を放った。手痛い一発を許した大瀬良だったが、「強気に自分らしい投球ができました」と以降は1安打に抑え、5イニングを73球で投げきった。
一方、MLBは先発の前田が2イニングを1安打無失点2奪三振に抑え、凱旋登板で好投を見せた。さらに後続の投手たちもクリス・マーティン(レンジャーズ/前日本ハム)らが侍ジャパン打線を7回まで無失点に抑えると、7回裏にはフアン・ソト(ナショナルズ)がライト線へタイムリーを放ち追加点を奪った。
反撃したい侍ジャパンは8回に1死から秋山翔吾(西武)がランニング本塁打を放って1点を返すと、その裏にカルロス・サンタナ(フィリーズ)の犠牲フライで3点目を失うが、9回に猛攻を仕掛けた。
まず先頭で代打に起用された田中和基(楽天)が四球を選ぶと、その後二盗を成功。上林誠知(ソフトバンク)のセンター前安打で生還し1点差とする。さらに曾澤翼(広島)の犠打と田中広輔(広島)のセンター前安打で同点に追いつく。そして、今度は田中広輔が二盗に成功。これがさらに相手捕手の送球失策も招くと、三塁へ進む。ここで秋山が申告敬遠され打席には菊池涼介(広島)。
事前に稲葉篤紀監督から、バントしてから三塁走者が走るセーフティースクイズの提案を受けた菊池は「2球目でどうですか?」と答え、その2球目にサインが出るときっちりと一塁前に転がし、田中が俊足を飛ばして本塁にヘッドスライディングすると間一髪セーフ。ついに勝ち越しに成功する。
さらに続く柳田悠岐(ソフトバンク)が打球を叩きつけてショートゴロを放つと、ゴロゴー(打球が転がった時点で三塁走者がスタートを切る)のサインが出ていた秋山が迷いなく三塁から本塁に突っ込み、ダメ押しの5点目を奪った。
この2点のリードをその裏、球場全体の「ヤスアキジャンブ」で迎えられた山﨑康晃(DeNA)が無失点で守り試合終了。長所であるスピードや小技が終盤に冴え渡り、会心の逆転勝ちを収めた。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「投手陣が全体的に粘り強く投げてくれました。(8・9回の攻撃は)最後まで諦めないという形が出ました。(柳田選手の内野ゴロの間でのダメ押し点は)これが今日の試合展開の中で、大きな意味を持ちます。日本の武器であるスピードで勝ち取った1点で、これからも続けていかなければいけない日本らしい作戦だと思います」
大瀬良大地(広島)
「マエケン(前田健太)さんと投げ合えるということで、いつもと違う緊張感がありました。一発は打たれましたが、インコースを突くともできましたし、強気に自分らしい投球ができました」
ドン・マッティングリー監督
「素晴らしい雰囲気の中で良い試合ができました。(9回表は)ああいったスタイルの野球には慣れてきており、我々も良い動きができていたと思うが、日本の良い形での打球や粘りが我々を上回りました」
前田健太(ドジャース)
「久しぶりにこの球場でプレーできて幸せでした。日本の打者との対戦も楽しかったですし、日本のファンの皆さんの前で投げることができ嬉しかったです。無失点に抑えることができ、成長した姿を見せることができました」
2018日米野球
試合日程
11月8日(木)18:00
巨人 6 - 9 MLBオールスターチーム
11月9日(金)18:30
侍ジャパン 7 - 6 MLBオールスターチーム
11月10日(土)18:30
MLBオールスターチーム 6 - 12 侍ジャパン
11月11日(日)19:00
侍ジャパン 3 - 7 MLBオールスターチーム
11月13日(火)18:30
MLBオールスターチーム 3 - 5 侍ジャパン
11月14日(水)19:00
侍ジャパン 6 - 5 MLBオールスターチーム
11月15日(木)18:00
MLBオールスターチーム 1 - 4 侍ジャパン
開催球場
11月8日(木)、9日(金)、10日(土)、11日(日)東京ドーム
11月13日(火)マツダ スタジアム
11月14日(水)、15日(木)ナゴヤドーム
出場チーム
侍ジャパン、MLBオールスターチーム