8月30日から韓国・釜山広域市機張(キジャン)郡で行われている第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップは、9月5日からスーパーラウンドが始まった。
侍ジャパンU-18代表はカナダと対戦し5対1と初戦を飾った。スーパーラウンドでは、オープニングラウンドで戦ったアメリカ(勝利)、チャイニーズ・タイペイ(敗戦)との対戦はなく成績が持ち越されるため、これで2勝1敗となった。
甲子園決勝を投げ抜いた8月22日からちょうど2週間。疲労を考慮して実戦の登板を回避していた奥川恭伸(星稜)だったが、永田裕治監督らスタッフの「緩急に弱い」というカナダ打線の研究により、先発に送り出された。
登板前の状況を奥川は「しばらく感覚が空いていましたし、国際試合の難しさなど不安がありました」と振り返ったが、そんなことは微塵も感じさせない奪三振ショーがすぐに始まった。
初回は1安打こそ打たれるが3三振を奪うと、2回は三者連続三振、3回には2三振を奪った。ただ打線は、安打や相手投手の四球で出塁しながら得点を奪えずに3回を終えた。
すると4回、奥川は連続三振で2アウトを奪うが、相手4番打者のオーウェン・ディオダディに、追い込んでからの高めに甘く入ったストレートを強振されると、打球はライトフェンスを越えるソロ本塁打となった。
先制を許してしまった奥川だったが「点をこれ以上取られたくないので気持ちを切らさないように投げました」と続く打者を三振に抑えて、相手に完全に流れを渡すことはなかった。
そんな中5回、相手先発投手の制球が定まらなくなり連続四球をもらうと、武岡龍世(八戸学院光星)の犠打を代わったばかりの相手2番手投手が悪送球して同点に。さらに続く韮澤雄也(花咲徳栄)が147キロのストレートをセンターに弾き返し、勝ち越しタイムリーを放った。
奥川は中盤になっても勢いは衰えることなく、力強いストレートとスライダー、フォークなどの変化球を緻密なコントロールで投げ分けていき、7回103球を投げて2安打18奪三振と圧巻の投球を見せた。
追加点を挙げたい打線も7回に相手の四球や失策を見逃さずに3点をダメ押すと、8回と9回は飯塚脩人(習志野)が2回を無安打に抑える完璧な救援を見せて試合を締めた。
最速163キロを投じる佐々木朗希(大船渡)は投手陣で唯一未だ登板はないが、この日はブルペンで登板の準備をするなど役者が揃ってきた侍ジャパンU-18代表。
6日のスーパーラウンド第2戦(18時開始予定)は、負ければ優勝の可能性が潰える状態の開催国・韓国と対戦。背水の陣の相手との対戦に際し、永田監督は「こちらも死にもの狂いで戦いたい」と気持ちを引き締めていた。
監督・選手コメント
永田裕治監督
「投手陣がよく頑張ってくれました。野手は四球をたくさんもらったが、試合前半はなかなか得点を奪えずに苦しい試合になりました。勝ち越し打の韮澤もまだ彼本来の状態ではないですし、踏ん張りどころですね」
奥川恭伸(星稜)
「なんとか7回までと思って投げました。(久々の登板で)残り2イニングはしんどかったので、まだまだ課題があります。(18三振を奪ったが)今日は今日。これくらいで満足はしていられません。世界一になってみんなと喜びを分かち合いたいです」
第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2019年8月30日~9月8日
オープニングラウンド
2019年8月30日(金)12:00 日本 4 - 2 スペイン
2019年8月31日(土)12:00 南アフリカ 0 - 19 日本
2019年9月1日(日)18:00 日本 16 - 7 アメリカ
2019年9月2日(月)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
2019年9月3日(火)19:30 日本 5 - 1 パナマ
スーパーラウンド
2019年9月5日(木)18:00 日本 5 - 1 カナダ
2019年9月6日(金)18:00 韓国 5 - 4 日本
2019年9月7日(土)12:30 日本 1 - 4 オーストラリア
決勝・3位決定戦
2019年9月8日
開催地
韓国(機張郡)
出場する国と地域
グループA
韓国、オーストラリア、オランダ、カナダ、ニカラグア、中国
グループB
日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、パナマ、南アフリカ、スペイン