11月17日、「第2回 WBSC プレミア12」の決勝戦が19時から東京ドームで行われ、侍ジャパンが前回大会の準決勝で敗れた韓国に5対3で勝利。2回目となる大会で初優勝、トップカテゴリーの世界大会として2009年のWBC以来10年ぶりの優勝に輝いた。
試合は序盤から激しく動いた。侍ジャパンの先発マウンドに上がった山口俊(巨人)が韓国2番のキム・ハソンに2ラン、5番のキム・ヒョンスにソロ本塁打を浴びて、いきなり3点を失った。
だが侍ジャパンもその裏に4番の鈴木誠也(広島)がレフトフェンス直撃のタイムリーを放って1点を返す。さらに2回には、山田哲人(ヤクルト)が韓国先発のヤン・ヒョンジュンの甘く入ったストレートを見逃さずレフトスタンドへ運び、これが逆転の3ラン本塁打に。スーパーラウンド途中までは不振に苦しんでいただけに、三塁を回ったところで思わずガッツポーズも飛び出した。
初回の3失点こそあったものの、2回と3回は高橋礼(ソフトバンク)、4回と5回は田口麗斗(巨人)、6回は中川皓太(巨人)、7回は甲斐野央(ソフトバンク)と若手投手陣が躍動。韓国守備陣の好守もあり、なかなか追加点が奪えない中で決して相手に流れを渡さなかった。
すると7回裏、先頭の坂本勇人(巨人)がレフトフェンス直撃の二塁打を放ってチャンスを作ると、その後二死三塁から浅村栄斗(楽天)が貴重な追加点となるライト前タイムリーを放ち、点差を2点に広げた。
このリードを8回は山本由伸(オリックス)が156キロのストレートや140キロ台前半から後半のフォークやカットボールで三者凡退に抑えると、9回は絶対的守護神の山﨑康晃(DeNA)が大観衆のヤスアキジャンプでマウンドに迎え入れられる。山﨑は二者を簡単に凡打で打ち取ると最後は空振り三振に抑えて試合終了。
スタッフ・選手たちは感情を爆発させ、歓喜の輪には大会前に負傷離脱した秋山翔吾(西武)も飛び入り、喜びを分かち合った。
約1カ月という長い活動期間を経て、一体となった侍ジャパン。接戦を幾度も制して、野球世界一の座に輝く最高の結果となり、2020年に行われる東京五輪に向けても大きな弾みがつくこととなった。
※プレミア12を終えて2020年の東京五輪出場国枠6つのうち4つが決定。大会前に出場を決めていた日本(開催国)、イスラエル(ヨーロッパ・アフリカ予選優勝)に加え、今大会2位の韓国(日本を除くアジア・オセアニア地区最上位)、3位のメキシコ(アメリカ大陸最上位)が出場権を獲得した。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「最高の気持ちです。宮崎合宿から日々“世界一になりたい”と取り組んできた選手たちのおかげです。非常に強い韓国とは東京五輪でも良い勝負ができればと思います。皆様に勇気や希望を与えられるようにと戦ってきましたので、東京五輪でも世界一が取れるよう準備していきます」
山田哲人(ヤクルト)
「打った球はストレート。追い込まれていましたが、大事な場面だったので、 集中して自分のスイングをしようと心掛けました。チームに迷惑をかけていた悔しい思いを胸にフルスイングしました。4年前の悔しさを晴らすこともできましたし、来年の東京五輪でも世界一になれるよう頑張ります」
第2回 WBSC プレミア12
大会期間
2019年11月2日~11月17日
オープニングラウンド
11月5日(火)19:00 日本 8 - 4 ベネズエラ
11月6日(水)19:00 日本 4 - 0 プエルトリコ
11月7日(木)19:30 チャイニーズ・タイペイ 1 - 8 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
11月11日(月)19:00 日本 3 - 2 オーストラリア
11月12日(火)19:00 日本 3 - 4 アメリカ
11月13日(水)19:00 日本 3 - 1 メキシコ
11月16日(土)19:00 日本 10 - 8 韓国
※開始時刻は日本時間
決勝
11月17日(日)19:00 日本 5 - 3 韓国
※開始時刻は日本時間
開催地
日本、台湾、韓国、メキシコ
出場する国と地域
グループA
メキシコ、アメリカ、オランダ、ドミニカ共和国
グループB
チャイニーズ・タイペイ、日本、ベネズエラ、プエルトリコ
グループC
韓国、キューバ、オーストラリア、カナダ