東京オリンピックの野球競技開幕を28日に控え、野球日本代表・侍ジャパンが強化合宿を開始した。この合宿は、楽天生命パーク宮城で行われ、24日には楽天、25日には巨人と『ENEOS侍ジャパン強化試合』を行う予定になっている(合宿は非公開、強化試合は入場制限を設けた上で有観客開催)。
合宿初日は午前10時から全体ミーティングを行い、13時30分に選手・スタッフ全員の記念撮影をして、練習が始まった。
まず、全体ミーティングでは冒頭に稲葉篤紀監督がオリンピックを戦うにあたって熱いメッセージ(※下記)を選手・スタッフに送った。
選手たちはアップをした後、投手・内野手は室内練習場で投内連携を行い、外野手はノックを受けた。その後に野手は打撃練習を行い、各選手ともシーズン中とあって快音を響かせた。
オールスターを欠場した田中将大、浅村栄斗(ともに楽天)、近藤健介(日本ハム)も復帰し、右脇腹の違和感で別メニューとなった柳田悠岐(ソフトバンク)もノックでは軽快な動きを見せており大きな心配はなさそうだ。
予選ラウンドは2試合ともに12時試合開始であるため、猛暑の中での調整となっているが、悲願の金メダル獲得に向けて、準備は着々と進んでいる。
稲葉篤紀監督による全体ミーティングでのメッセージ(一部抜粋)
「いよいよオリンピックが始まります。コロナ禍の影響で、オリンピックは1年延期になりました。今も新型コロナウイルス感染症の最前線で戦ってくださっている医療従事者や我々の暮らしを支えてくださっているソーシャルワーカーの方々に、敬意と感謝の気持ちを持ってやっていきましょう。また、野球ができる喜びを感じてオリンピックに臨んでいただきたいと思います」
「短い期間の中で、しっかりコミュニケーションを取っていきましょう。グラウンドの中で投手も野手もみんなでいろんなことを話し合って、我々も皆さんに不安なくやってもらえるように準備します。年齢や先輩・後輩関係なくみんなでチームを作るんだという意識していきましょう」
「我々は野球界のトップチームです。侍ジャパンには女子代表やアンダー世代もいます。子供たちからも憧れの選手たちです。そのことを頭に置いて言動やプレーをやってもらいたいと思います」
「オリンピックにプロ選手が参加してから金メダルが獲れていません。各国を見ても良い選手が揃っています。ここにいる選手・スタッフみんながとにかく結束して、一つになって、侍ジャパンの誇りを胸に今日からみんなで戦っていきましょう」
選手コメント
田中将大(楽天)
「(ワクチン摂取後の副反応による体調不良について)倦怠感があったのですが、今はもう大丈夫です。(オリンピックに向けて)北京はメダルを取れなかったという悔しさしかありません。金メダルのために力になれることがあれば、荷物運びなどのサポートも含めて、なんでも力になっていきたいです」
甲斐拓也(ソフトバンク)
「あらためて身が引き締まる思いです。雰囲気も良くて初日からやりやすかったです。まず捕手ということで守りを1番大事にしていきたいです。時間は限られているので、グラウンド内でしっかりとコミュニケーションを取っていければと思います」
村上宗隆(ヤクルト)
「ようやく実感が湧いてきて、良い緊張感で練習ができました。いい人ばかりでやりやすかったですね。稲葉監督からは体重移動などの打撃の助言をいただきました。走攻守すべてで貢献できるよう調整していきます。(海外の投手と対戦するにあたっては)自分の状態を上げていければ打てると思うので、まずは状態をしっかり上げていきたいです」
青柳晃洋(阪神)
「金メダルに向かってやっていく、そのメンバーの一人として頑張っていきます。先日のオールスターゲームは菊池さんの指名で声出しをしましたし、菊池さんにはかわいがってもらっています。初めての代表であまり話したことのない選手も多いので、少しでもコミュニケーションが取れるならそういう役割もいいかなと思います」
源田壮亮(西武)
「やっと始まったなという、引き締まる気持ちです。みんなでたくさんコミュニケーションも取りながら良い練習ができたと思います。(初戦のドミニカ共和国は)強打のイメージがあるので、守備からリズムをつくる形になると思います。与えられたところでしっかり仕事をして、チームの勝利に貢献できるように頑張りたいと思います」
近藤健介(日本ハム)
「みんなで質の良い練習ができたと思います。(胃腸炎の影響は)体調は戻ってきましたし、少し痩せてしまったのでしっかり戻したいです。オープニングラウンドはロースコアゲームになってくると思いますし、1本のヒットで1点が取れるような繋ぎの野球をしていきたいなと思います。持ち味でもある塁に出ること、次の塁に進むことでしっかりチームに貢献したいです」