7月23日、東京オリンピックの野球競技開幕を28日に控えた野球日本代表・侍ジャパンが強化合宿5日目(非公開)を楽天生命パーク宮城で行った。
山本、森下ともに順調な調整を続ける
4日目となった前日は休養日として全体練習はオフ(一部の選手は午後から楽天生命パークに行き、ランニング・キャッチボールなどの自主練習を約1時間行った)。5日目となったこの日から全体練習を再開した。
『ENEOS侍ジャパン強化試合』として24日12時から楽天、25日18時から巨人と行う、このチームでは初の実戦に向けての最終調整となった(強化試合は入場制限を設けた上で有観客開催。詳細は下記)。
24日の楽天戦で先発する山本由伸(オリックス)は、この日ブルペンで15球を投じ「体調は良いですし、大会使用球についても違和感はありません」と順調な調整ぶりを明かした。強化試合では「オリンピック本番では外国人選手相手に配球が変わるかもしれないので、結果を気にせずに試していけたらと思います」と抱負を語った。
同じく24日に登板する森下暢仁(広島)は合宿3日目にブルペンで30球を投じ「あまり違和感なく投げられています」と、こちらも順調といった様子。オリンピックに向けては「ゼロに抑えることでチームに勢いを与えたい」と語った。
柳田は室内で打ち込み
右脇腹の違和感で合宿初日から別メニュー調整が続く柳田悠岐(ソフトバンク)は「スイングの状態は100%に戻っている」と明かし、室内練習場でも金子誠ヘッドコーチ兼打撃コーチの投げた球を打ち込んだという。自身としては「いける(出られる)と思っていますが止めていただいている状況」とし、「最高のパフォーマンスができるように準備していきたいです」と明るい表情だった。
稲葉監督も「今日は30球くらい打ったんですけど、今のところ痛みは出ていない。打っても大丈夫だと聞いたので、一段階またステップとしては上がったかなというところです」と慎重な姿勢は見せながらも復調の手応えを感じていた。
いよいよ始まるこのチームでの実戦。オリンピックに向けて、どのような戦いを見せるのか注目だ。
チケットは楽天戦が完売で巨人戦は残りわずか。この2試合は東北放送(24日のみ、放送対象:宮城県)、J SPORTS、J SPORTSオンデマンド、DAZNで生中継されるほか、24日に石橋貴明さん・中畑清さん、25日におぎやはぎさん・上原浩治さんが出演する「みんなでオンライン観戦」のチケットも各プレイガイドで好評販売中だ。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「どの選手も自分のやるべきことをみんなしっかり持って取り組んでいて、非常にありがたく思っています。強化試合2試合でいろんな課題が出てくれた方がいいのかなという話をしています。良い2試合にしていきたいです」
山本由伸(オリックス)
「国際経験豊富な投手の皆さんから的確なアドバイスをたくさんいただいています。とにかくいつも通りでいることを忘れずに落ち着いていけたらと思います。(12時開始の強化試合とオープニングラウンドに向けて)暑さは気になりますが、その辺りも含めて明日に確かめられたらと思います」
森下暢仁(広島)
「いろんな人とコミュニケーションを取りながら、いよいよ始まるなという雰囲気になってきました。登板を伝えられた日に向けてしっかりと準備していきたいです。いつも通り気負いすぎずに、バックを信じて思いきり投げられたらと思います」
柳田悠岐(ソフトバンク)
「今はリラックスして取り組めています。本番が始まれば緊張すると思いますが、金メダルに向けて少しでも力になれるようにするだけです。チームはメチャクチャいい雰囲気ですね。若い選手も多いですが、一流選手ばかりなのでやるべきことをみんなやっています」
吉田正尚(オリックス)
「いい緊張感もありながら充実した日々を過ごしています。オリンピック本番まで強化試合が2試合なので、一球一球大切に、集中して臨んでいきたいと思います。(オリンピックでは)その場に立ってみないとわからないことはたくさんあるので、そこも感じながら良いプレーがたくさんできれば良いなと思います」
栗林良吏(広島)
「(初めてのトップチームは)考え方や調整方法、環境への適応力など刺激を感じています。特に一緒にキャッチボールをしている岩崎優さんや、よく話しかけてくださる山﨑康晃さんは色々な話をしていて勉強になります。(明日からの強化試合は)結果と内容にこだわって、シーズン同様に抑えていければと思います」
平良海馬(西武)
「いろんな選手の技術や取り組みを間近で見ることができ、本当に楽しいです。試合が始まってみないとわからないですが、今のところは緊張感なく練習できています。(オリンピックでの目標は)チームとしては金メダル、自分としては無失点、そこに向けて調整していきたいです」