8月1日、東京オリンピックを戦っている野球日本代表は、東京都の大田スタジアムで公式練習を約2時間行い、2日のノックアウトステージ初戦・アメリカ戦(19時から横浜スタジアム)に向けて調整した。
大事な一戦の先発マウンドを任されるのは、前回2008年の北京オリンピックを経験し昨年までMLBでプレーしていた田中将大(楽天)。「チームが良い流れ、雰囲気で来ているので、良い投球をして勢いに乗っていきたいです」と心境を明かした。
代表最年少だった北京オリンピックとは違い、今大会は最年長であるため「楽しみという気持ちはありません。国を背負って戦うわけなので。自分のやるべきことをやってベストを尽くすだけです」と責任感は人一倍強い。
25日に行われた巨人との強化試合では投球内容に満足していなかったが、オリンピック本番に向けては「技術的な部分での修正は図ってきたので、それが試合に出せるかどうかだと思います。自分を信じてやっていきたいです」と語った。
また、左の強打者として期待される吉田正尚(オリックス)と村上宗隆(ヤクルト)も公式練習後に取材に対応した。
吉田は対戦相手のアメリカについて「若い選手が多く、中堅・ベテランの選手もいてバランスの良いチームだと思います」と印象を語り、「やってみなければ分からないこともありますが、自分たちの力を出して勝利に向けて戦っていきたいです」と抱負を語った。
調整については、定められた公式練習の時間のみの練習や新型コロナウイルスによる制限はあるが、「しっかりと自分の体と相談しながら、キレが必要な時はキレを出すように、休みが必要な時は休むと感じたことをやるようにしています」と臨機応変に対応しているという。
村上はこの日、「走りたかったので」とアメリカンノックなどで体を動かし「良い調整ができました」と話した。いよいよ始まるノックアウトステージに向けて「これからが勝負。今以上の活躍をできるようにやっていきたいです」と抱負を述べた。
オープニングラウンドBグループ1位のアメリカに対しては「球が速い投手や良い打者が多いので、引かずに攻めていきたいです」と、変わらず積極的な姿勢を示した。
ノックアウトステージはオープニングラウンド各グループの同じ順位同士が対戦。1位対決となる2日のアメリカ戦を勝てば、イスラエル対韓国の勝者と8月4日19時から対戦。負ければ8月4日12時からの敗者復活に回って1敗も許されない中で金メダル獲得を目指すことになる。
若手有望株や経験豊富な選手、オースティン(DeNA)らNPBで活躍する選手も加わっているパワフルな相手に対して、日本がどのような野球を見せるのか注目だ。
稲葉篤紀監督コメント
「(チーム状態について)最初の試合は少し硬さがあったんですけど、2戦目は選手がそれぞれ、らしさが出て、チームが機能し始めましたね。ノックアウトステージでも我々の野球をしっかりやることに何も変わりはありません。(田中の先発について)彼は経験も豊富ですし、自分の投球をしてもらえればと思います。負けていい試合はないですし、とにかく明日も全員で1つの勝ちを取りに行きます」