8月3日、東京オリンピックを戦う野球日本代表は、準決勝の韓国戦(4日19時から横浜スタジアム)を控え、公式練習を行った。練習後は、予告先発として発表された山本由伸(オリックス)らが取材対応。また、練習前にはこの日に49歳の誕生日を迎えた稲葉篤紀監督を選手・スタッフ全員がサプライズで祝った。
ホテルの食事会場に稲葉監督が姿を現すと、選手・スタッフは拍手喝采。青柳晃洋(阪神)がバースデーソングを熱唱し、菊池涼介(広島)の発案による2019年のプレミア12代表・田口麗斗(ヤクルト)からのメッセージ動画と赤いパンツがプレゼントされた。稲葉監督は「これを決勝戦ではかせていただきます」と満面の笑みを浮かべ、練習前には「サプライズでちょっと涙が出ました。非常に良い誕生日を迎えることができました」と報道陣に語った。
韓国戦の予告先発については「由伸らしい持ち味を十分発揮してくれれば」と山本を指名。山本は韓国について「この前の試合も大量得点をしていましたし勢いのあるチーム。打たれても連打を許さないなど基本をしっかりしていきたいです」と気を引き締めた。レギュラーシーズンと異なり、練習ができるのは公式練習の時間のみと制約はあるが「その中で詰め込んで、やりたいことはできました」と上手く調整ができたという。そして「1試合1試合が大事な試合。とにかく明日勝って、決勝戦に行けるよう全力で戦います」と抱負を語った。
一方、これまで1番打者としてチームの勝利に貢献している山田は、韓国について「日本と似ている部分がたくさんあり、パワーやスピードがある選手、器用な選手がいるので、どの相手でも変わりはありませんが気の抜けない相手です」と印象を語った。
2019年のプレミア12の決勝・韓国戦では逆転3ラン本塁打を放って優勝に貢献するなど韓国に相性が良い印象もあるが「過去は過去。油断してはいけません。新たな気持ちと、勝利への気持ちを持って戦います」と、終始気を引き締めていた。そして、自らの武器の一つでもある盗塁を含めた走塁についても「打つだけや守るだけじゃなく、走塁で勝つ試合もあると思うので、そこでも貢献していきたいです」と変わらず積極的な姿勢を示した。
1984年のロサンゼルス大会以来2回目、プロ選手の参加解禁となった2000年のシドニー大会以降では初となる金メダルまで「あと2勝」と迫った中で、過去に多くの名勝負を繰り広げてきた宿敵・韓国との熾烈な戦いが予想される。
稲葉篤紀監督コメント
「(北京オリンピックの準決勝で敗れた韓国が相手だが)私の中では特別な思いはあります。でも、試合の中で特別なことはしようと思っていません。これまで同様に、選手全員で結束して、この一戦を取りにいきたいと思います」