新たに野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの指揮官となった栗山英樹監督。2023年3月に開催予定の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(以下、WBC)での世界一奪還を託された同監督の新春特別インタビューを3回に分けて連載する。
第1回となる今回は、今の思いや2022年3月5日、6日に東京ドームで開催される『ENEOS 侍ジャパンシリーズ2022「日本 vs チャイニーズ・タイペイ」』で重視することなどを語った。
コーチ陣の人選の意図
――就任記者会見から日が経ちましたが、日の丸を背負う重圧とワクワクする気持ちはどちらの方が強いですか?
「ワクワク感に持っていこうと自分に言い聞かせていますけど、正直言って責任の重さを感じています。だから、この時期でもこんなに緊張感があるんだろうなという気持ちですね」
――普段の年末とは過ごし方もだいぶ違いますか?
「そうですね。例年は12月になれば、さすがに少しは落ち着いて、じっくり本を読んだり、データ見たりして、“野球ってこうだよな”と感じたりするのですが、今年はそれがありませんね。ここまで動き回る12月はなかなかなく、ものすごくバタバタしています」
――先日、コーチ陣が発表されましたが、人選において重視されたことはどのようなことですか?
「それぞれ必要な要素を持っていることですね。例えば海外を知っている、これまでの侍ジャパンの流れを知っている、WBCの一発勝負の中で選手のサポートをできるなど、そうしたことでこの4人にお願いをしました」
――白井一幸ヘッドコーチ、清水雅治外野守備・走塁コーチ、吉井理人投手コーチは日本ハムで監督・コーチというご関係でしたが、吉村禎章打撃コーチはどういった繋がりですか?
「吉村さんは僕らが現役の頃の一番良い打者ですから。なおかつ(2021年まで巨人で作戦コーチなどを務め)データを生かしたり、指示を与えたりする経験があります。原辰徳監督からもそういうお話を聞きましたし、もちろん一緒にやってみないと分からない部分はありますけど、その部分の信頼度がすごくあります」
「若手を試す」は失礼
――3月のチャイニーズ・タイペイ戦の選手選考に向けて、2月のキャンプ視察はどのような予定ですか?
「全球団をまわる予定です。パ・リーグの選手については“こういうケースになったら、こういう感じになる”というイメージを持っていますが、セ・リーグの選手については全部を分かっているわけではありません。だから“こういう選手でやりたい”という前に、選手個々を各球団の監督、コーチ、選手と話して僕が把握しないといけません」
――代表選手の選考にあたり、特にどのような部分を大切に観て行こうと思われていますか?
「まずはその魂ですね。“俺を侍ジャパンに行かせてください”というのは雰囲気でも分かるでしょうから。ただコロナ禍のストレスだったり、オリンピックでシーズンが延びたことによる疲れだったりも分かっているので、3月に関してはそういうことも考慮します。その中で、翌年のWBCに向けて競争をしてもらい、チームが勝つための有意義な時間にできればと思います」
――2021年の日本球界は若手選手の台頭も目立ちましたが、そうした選手を試すというような気持ちもありますか?
「いえ、逆ですね。試すのではなく勝負して自分でポジションを掴んでもらう。試すだなんて、そんな失礼なことはありません。若い選手にも敬意を持っているので“俺がやります!”という気持ちでその座を奪い取ってくれることを期待しています」
――3月のチャイニーズ・タイペイ戦では、ファンの皆さんにどのような試合を見せたいですか?
「先ほど言ったように選手のコンディショニングなどはもちろん加味しますが、まずは“楽しみで仕方ない!”というワクワク、ドキドキした雰囲気をファンの皆さんに伝えられるよう、しっかり戦いたいです」
第2回へつづく
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