2月26日、ひなたサンマリンスタジアム宮崎で『カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎』が行われ、侍ジャパンは前日に続きソフトバンクと対戦。この日もチケットは完売で26,382人の観客が集まった中で行われた実戦2戦目は、4対2で勝利し連勝を飾った。
試合前の正午すぎからはMLBの規約で壮行試合に出場できないダルビッシュ有(パドレス)がライブBP(実戦形式の打撃練習)に登板。2イニングの登板を想定し、打者のべ10人を相手に32球を投じた。「寒くて最初はあまり体が動かなかったですが2イニング目はストレートもだんだん良くなって、スライダーは最初から良い形で投げられました」と振り返った。
例年とは異なる調整を続けているが「(例年は)ライブBPで94から95マイルくらい出ていて今日は94.1マイルくらいだったので、気温や環境もあるので単純には比べられませんが、そんなに悪い状態ではないのかなと思います」と、ある程度仕上がりについては手応えを掴んでいるようだ。大会までにはもう一度ライブBPに登板する意向も明かした。
ダルビッシュの登板後には第1回のWBC優勝監督であるソフトバンク・王貞治球団会長が取材対応。「ダルビッシュ選手がいち早く参加を表明してくれたのは心強かったですよね。彼の強い思いが各選手に伝わることで必ず良い結果をもたらしてくれると思います」と期待した。
試合は山本由伸(オリックス)の先発で始まった。先頭打者の飛球をこの試合で左翼手として先発した岡本和真(巨人)が難なく処理するなど初回は1四球のみの無安打で抑えた。だが2回裏に正木智也とガルビスの連続長打、三塁手・村上宗隆(ヤクルト)の送球失策で2点を失った。それでも3回裏は立て直し三者凡退。簡単には崩れない強さを見せた。
反撃は5回表。先頭の山田哲人(ヤクルト)が四球を選ぶと、近藤健介(ソフトバンク)がセンター前に運び、無死一、三塁のチャンスを作ると、近藤の代走に周東佑京(ソフトバンク)が送られた。ここで球界屈指のスピードを生かす。相手投手の暴投を見逃さず二塁を狙うと相手が失策。山田が本塁に生還し、周東も三塁へ。さらに続く岡本の内野ゴロの間に周東が同点のホームを踏んだ。
山本に続く投手陣は2番手の高橋奎二(ヤクルト)、3番手の松井裕樹(楽天)。両投手とも走者は出したが後続を抑えて無失点に抑えると、7回からは湯浅京己(阪神)、大勢(巨人)が1人の走者も許さず流れを引き寄せる。
すると9回表、周東がレフト前安打で出塁するとすかさず盗塁。これが相手捕手の悪送球を誘い三塁に進むと、続く源田壮亮(西武)がライト前に運び勝ち越し。相手失策もあり源田は三塁まで進むと、サポートメンバーの松原聖弥(巨人)がレフトへ犠牲フライを打ってダメ押し。
9回裏は栗林良吏(広島)が先頭打者の今宮健太を安打で出すも後続を抑えて試合終了。前日に続き勝利を収めた。
これで宮崎での実戦は終了。27日は練習を行い、キャンプを打ち上げる予定となっている。
監督・選手コメント
栗山英樹監督
「どういう状況でも負けてはいけないという原理原則の中で全員を起用して、こちらの観ている感覚と選手のやっていることを擦り合わせできたので良かったです。(山本について)失点はしましたが、今の状態とボールを合わせていけますし、絶対的に信頼感のある投手であることは間違いないですね。(鈴木誠也の負傷報道について)全員が元気に集まってくれると信じています」
山本由伸(オリックス)
「感覚良く投げられた球が多く、(捕手の)中村さんと確認しながらいろんな配球を試すことができたので内容は良かったと思います。打者に向かって強いボールを投げようと思って投げました。失点した中でも球数(3回39球)少なく投げられたのでストライクゾーンで勝負できていたということだと思います。大会までにもう1試合投げますし、ここまで順調に来ているので気を引き締めてやっていきたいです。次はもっと細かいコントロールを意識していきたいです」
高橋奎二(ヤクルト)
「緊張しましたが、0点で抑えることができて良かったです。2アウトから四球を出してしまいもったいなかったので、大会に向けて同点に追いついてからの投球を大事にしたいと思います」
大勢(巨人)
「オフシーズンに取り組んできたことをやろうと思ったのですが、動画を見返すとやろうとしていることができなかったので改善していきたいです。体重移動のところですね。ストレートは力んで真ん中に入っていますし、フォークの精度をもう少し上げていきたいです」
源田壮亮(西武)
「周東が走者なので前に飛ばせば得点になると思って打席に立ちました。接戦を勝ちきることができてすごく良かったです。壮行試合ですけど負けていい試合は無いので。昨日今日と4打席立って良い感覚でできています。与えられた役割で最高の仕事ができるよう準備していきます」
周東佑京(ソフトバンク)
「(今日の好走塁)本番でもああいう場面はあるでしょうし、この試合に勝ちたいので、なんとかしようと思いました。(この2試合)良いところも悪いところも全部出たかなと思います。良かったのは今日1球目で走れたり、ワンバウンドで迷いなく行けたりとか、点に絡めたことはすごく良かったなと思います。悪かったのは昨日僕のエラーから始まって4失点。短期決戦でああいうミスをしたら負ける試合があるので反省点です」
2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™
試合日程
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 強化試合
2023年3月6日(月) 18:00 阪神タイガース 1 - 8 日本
2023年3月7日(火) 19:00 日本 9 - 1 オリックス・バファローズ
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 1次ラウンド 東京プール
2023年3月9日(木) 19:00 日本 8 - 1 中国
2023年3月10日(金) 19:00 日本 13 - 4 韓国
2023年3月11日(土) 19:00 日本 10 - 2 チェコ共和国
2023年3月12日(日) 19:00 オーストラリア 1 - 7 日本
カーネクスト 2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™ 準々決勝ラウンド 東京プール
2023年3月16日(木) 19:00 日本 9 - 3 イタリア
準決勝
2023年3月21日(火) 8:00 日本 6 - 5 メキシコ
決勝
2023年3月22日(水) 8:00 日本 3 - 2 アメリカ
開催球場
台中インターコンチネンタル野球場、東京ドーム、チェイス・フィールド、ローンデポ・パーク
強化試合:京セラドーム大阪、ひなたサンマリンスタジアム宮崎、アイビースタジアム
出場チーム
プールA
チャイニーズ・タイペイ、オランダ、キューバ、イタリア、パナマ
プールB
日本、韓国、オーストラリア、中国、チェコ共和国
プールC
アメリカ、メキシコ、コロンビア、カナダ、イギリス
プールD
プエルトリコ、ベネズエラ、ドミニカ共和国、イスラエル、ニカラグア
カーネクスト侍ジャパンシリーズ2023 宮崎
試合日程
2023年2月25日(土) 13:30 侍ジャパン 8 - 4 福岡ソフトバンクホークス
2023年2月26日(日) 14:00 福岡ソフトバンクホークス 2 - 4 侍ジャパン
開催球場
ひなたサンマリンスタジアム宮崎
出場チーム
侍ジャパン、福岡ソフトバンクホークス