5月27日、第3回 BFA 女子野球アジアカップ ファイナルラウンドの2日目が香港の晒草湾遊楽場で行われ、侍ジャパン女子代表は粘るフィリピンを7対1で下して2連勝とした。
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「日本の良さである守備力の高さを出せました」と中島梨紗監督が振り返ったように、アジア球界で成長著しいフィリピンに対して、堅守からリズムを作った。
初回は遊撃手の岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)、2回は二塁手の只埜榛奈(東海NEXUS)が無死での外野に抜けそうな打球を好捕し鋭い送球を見せた。このバックアップに、今大会の女子代表最年少である先発右腕・小野寺佳奈(読売ジャイアンツ)は助けられる形で、ストライク先行でアウトを重ねた。
試合が動いたのは2回裏、走者を三塁に進めながらも2度、際どい判定により本塁でアウトとなり嫌な流れになりかねない状況だった。しかし、それを打破したのがチームの元気印・田中美羽(読売ジャイアンツ)だ。この日の1番起用に応えるかのように甘く入った球を見逃さず先制のタイムリー二塁打を放ち、チームに貴重な先制点を与えた。
さらに3回、打線が畳み掛ける。先頭の三浦伊織(阪神タイガースWomen)がセンター前安打で出塁すると、すかさず盗塁。このチャンスに昨日3打点の川端友紀(九州ハニーズ)がセンター前安打で返して2点目。その後も只埜の内野安打でチャンスを広げると、白石美優(大阪体育大学)のファーストゴロ、岩見のタイムリー、相手投手のボークで点差を5点に広げた。
その後はフィリピンの気迫あふれるプレーの前に思うように追加点は重ねられなかったものの、5回に小島也弥(九州ハニーズ)と村松珠希(はつかいちサンブレイズ)のタイムリーでダメ押し。5回からマウンドに上がった堀田ありさ(東海NEXUS)が3連打と押し出し死球で1点こそ失うも、後続を冷静に抑えて試合終了。
試合後は敗れたフィリピンが笑顔で集合写真を依頼し、それに応じる形で両者が笑顔で健闘を称えあった。
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
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中島監督は「フィリピンは初めて戦いましたが身体能力と技術が高かったです」と相手を称えつつも、「判定どうのこうのではなく、セーフティースクイズを投手に捕らせていてはいけません」「小野寺は立ち上がりでベルト付近に球が集まっていたのは課題。2回以降の投球を初回からできるようにしてくれればと思います」と気を引き締めることは忘れなかった。
次戦は日本時間28日16時からインドネシアと戦う。2試合で5打数5安打の活躍を見せる只埜ら好調の打線と堅守で、さらに白星を重ねていきたい。
選手コメント
田中美羽(読売ジャイアンツ)
「とにかく次の打者に繋ごうと振り切りました。(外野手の頭を)越えろー!と思いながら走りました。所属チームで松本哲也コーチに守備と走塁を教わっていて、そのおかげで自信を持って今大会に臨めています。自分の役割をこれからも全力でやっていきます」
只埜榛奈(東海NEXUS)
「(好調の要因)自分の前も後も良い打者ばかりなので、変に意識をしすぎず、とにかく後ろに繋ぐことやチャンスメイクをしようと打席に集中できています。長打も打てることが持ち味なので、状況に応じて繋ぐべきところは繋ぎ、点を取るべきところでは取っていきたいです」
小野寺佳奈(読売ジャイアンツ)
「すごく緊張しました。日本国内では三振を取っていくタイプなのですが、どの球種も積極的に振ってくる相手に対して、ボールを低めに集めて打たせて取ることができました。味方の守備も大きかったです。これからもしっかり役割を果たしていきたいです」
第3回 BFA 女子野球アジアカップ
大会期間
2023年5月21日~6月1日
グループB
5月26日(金)12:00 日本 10 - 0 韓国
5月27日(土)13:00 日本 7 - 1 フィリピン
5月28日(日)16:00 インドネシア 0 - 27 日本
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
スーパーラウンド
5月30日(火)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 12 日本
5月31日(水)16:00 日本 15 - 0 香港
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
決勝
6月1日(木)15:00 日本 8 - 3 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(香港:時差-1時間)
開催地
香港
出場国
一次ラウンド
グループA:インド、マレーシア、タイ
グループB:香港、パキスタン、インドネシア、スリランカ
ファイナルラウンド
グループA:チャイニーズ・タイペイ、中国、香港
グループB:日本、韓国、フィリピン