9月8日、「第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」(9月10日まで)のスーパーラウンド第2戦が台湾の天母野球場で行われ、侍ジャパンU-18代表はプエルトリコと対戦。攻守において隙のない野球を見せて大勝し、決勝進出に大きく近づいた。
「一番大事な試合なので託しました」と馬淵史郎監督が信頼を置く東恩納蒼(沖縄尚学)が三たび期待に応えた。
スペイン戦、ベネズエラ戦に続いて初回を三者凡退に抑えると、その裏に打線がさっそくチャンスを生かす。四球と失策、暴投で1死二、三塁となると、この日4番に抜てきされた武田陸玖(山形中央)がライト前に運んで2点の先制に成功した。
東恩納は2回も三者凡退、3回は三者連続三振と完璧な投球を見せると、3回裏には日本らしい好走塁で追加点が生まれる。
武田に続き中山優月(智辯学園)がライト前安打を打つが、武田が三塁ベースにスライディングした際に勢い余ってベースから離れてしまいタッチアウト。だが、続く丸田湊斗(慶應義塾)がライト前安打を放つと、中山は三塁へ。さらに丸田が二塁を狙うと、このタッチプレーにのみ集中していた相手内野手の隙を突き中山が本塁を陥れて3点目。馬淵監督も「あれは大きかった」と振り返るプレーで、流れを完全に掴むこととなった。
以降も東恩納は5回まで1人の走者も出さず。打線も4回には橋本航河(仙台育英)と寺地隆成(明徳義塾)の連続内野安打で作ったチャンスで緒方漣(横浜)がタイムリー、5回には寺地の2点タイムリーやスタメンを外れた森田大翔(履正社)のタイムリー、相手のミスなどで得点を加えていくと、最後は代打の髙中一樹(聖光学院)がセンター前にタイムリーを放って10点目。大会規定によりコールドゲームとなりスーパーラウンド2連勝、戦績を3勝1敗(オープニングラウンドでのアメリカ戦の1勝、オランダ戦の1敗を含む)とした。
スーパーラウンド最終戦となる第3戦は、グループA1位のチャイニーズ・タイペイと対戦。他の試合結果次第では試合前に決勝進出が決まっている可能性はあるが、馬淵監督は「どんな状況でも必死にやることだけです。余計なことを考えたらロクなことないですから」と変わらず勝利をひたむきに目指していく姿勢を見せた。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「東恩納は試合を作れるし大崩れしないですね。捕手・尾形のリードも良かったです。武田は打てる雰囲気があったので起用しました。今日はホテルでプエルトリコの映像を15分ほど観てから来ました。7イニング制は前半で試合が決まるので、第1打席、遅くとも第2打席には打てるようにしないといけませんから球筋だけでも確認しようと思いまして。チャイニーズ・タイペイは投打に層が厚いですが、同じ高校生ですから食らいついていきたいです」
武田陸玖(山形中央)
「来たボールを全力で振ろうと打席に立ちました。4番のプレッシャーはあったのですが打席に立つと無くなっていました。1打席目に打てたので2打席目は楽に入れました。日本の高校球児を代表して来ているので、日本の世界一のためということだけ考えてプレーしています」
中山優月(智辯学園)
「(好走塁について)3点目がすごく大事だということは監督からも言われていたので、少しでも隙があればと思っていました。常日頃から智辯学園でやっていることが出せました。(今後に向けて)ここのところ迷惑をかけていましたが今日貢献できたので、残り2試合も世界一のために貢献していきたいです」
第31回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2023年8月31日~9月10日
オープニングラウンド
9月1日(金)19:30 日本 10 - 0 スペイン
9月2日(土)19:30 日本 7 - 0 パナマ
9月3日(日)17:35 アメリカ 3 - 4 日本
9月4日(月)21:00 ベネズエラ 0 - 10 日本
9月5日(火)19:30 日本 0 - 1 オランダ
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
9月7日(木)15:30 日本 7 - 1 韓国
9月8日(金)11:30 日本 10 - 0 プエルトリコ
9月9日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ 5 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
9月10日(日)19:00 チャイニーズ・タイペイ 1 - 2 日本
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾
出場する国と地域
グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、韓国、オーストラリア、プエルトリコ、チェコ
グループB
日本、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、スペイン