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試合レポート

投手陣の完封リレーや森下翔太の先制弾などでチャイニーズ・タイペイとの開幕戦を制す

2023年11月16日

 11月16日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(11月19日まで東京ドーム)が開幕し、侍ジャパンはチャイニーズ・タイペイと息の詰まる展開の試合を制した。

 序盤はチャイニーズ・タイペイ先発右腕・古林睿煬の150キロを超えるストレートとカーブなどのコンビネーションの前に6回1死まで1人の走者も出させてもらえず。6回1死から門脇誠(巨人)が右中間を破る二塁打を放つが、秋広優人はファーストゴロに倒れ、岡林勇希(中日)も空振り三振に抑えられ先制ならず。
 それでも投手陣が踏ん張った。侍ジャパン先発の赤星優志(巨人)が3安打を打たれながらも粘りの投球で4回3分の2を無失点に抑えた。5回2死二塁からは及川雅貴(阪神)が登板し、相手1番打者の林孝程を空振り三振に抑えてピンチを脱した。

 試合が動いたのは7回表だ。1死走者無しで森下翔太(阪神)が古林叡煬の150キロのストレートを弾き返すと打球はレフトスタンドに飛び込み、貴重な先制本塁打となった。直前に小園が盗塁を試みるも失敗していただけに、嫌な流れを一振りで消し去った。

 すぐに反撃したいチャイニーズ・タイペイ打線を封じたのは、井端監督が「体のキレがあって、立ち上がりからひとまわりは確実に抑えてくれると思っていました」と託した根本悠楓(日本ハム)だ。
 6回裏から登板し、そこでも三者凡退に抑えていたが、7回裏もリリースポイントが見にくいフォームからキレの良いストレートと変化球を投げ込み1人の走者も許さず。侍ジャパンU-15代表でも活躍したが、当時は大会前になかなか周囲に溶け込めず「帰りたい」と関係者にこぼしていたほどの左腕が、6年の時を経て再び侍ジャパンのユニホームに袖を通し、堂々の投球を見せた。

 さらに8回裏を桐敷拓馬(阪神)が三者凡退に抑えると、その裏に森下、牧秀悟(DeNA)、佐藤輝明(阪神)の3連打から1死満塁のチャンスを作り、万波中正(日本ハム)の併殺崩れ、坂倉将吾(広島)と門脇の連続タイムリーでダメ押しの3点を挙げた。
 そして、9回裏は田口麗斗(ヤクルト)が無失点で締めて、4対0で試合終了。要所での勝負強い打撃と2番手以降の救援陣が1安打も許さない完璧な投球で、開幕戦であり井端監督のトップチーム公式戦初陣でもあった試合を飾った。

 17日は、開幕戦でオーストラリアを延長タイブレークの末3対2で下した韓国と19時から対戦。予告先発はリュ・ジュンイル監督が「今の韓国で最高の投手」と称賛する左腕のイ・ウィリ、侍ジャパンは多彩な変化球を操りプロ入り後2年間で36試合に先発してきた左腕の隅田知一郎(西武)と発表されている。好投手との対戦は続くが、粘り強い野球で連勝を目指す。

監督・選手コメント

井端弘和監督

「とてもホッとしています。重苦しい空気の中で特に投手陣が粘って、根負けせずに投げてくれました。根本投手が流れを持ってくる投球をしてくれました。ストレートを狙う打者が差し込まれて見逃していたほどでしたし、変化球も低めに決まっていましたね。森下選手は阪神でもここという時に打っていましたし、フレッシュオールスターや日本シリーズでも良いところで打っていて短期決戦に強いイメージがあったので3番に起用しました。(第2戦で戦う)韓国は初戦で苦しんで勝っただけに、相手に飲まれないよう試合の最初から攻めていきたいです」

根本悠楓(日本ハム)

「(チームで務めている)先発とは違う緊張感でした。ストレートでファウルやストライクを取って、スライダーやフォークを織り交ぜようと思っていました。結果的に空振り(三振3個)が取れて良かったです。勝利投手はたまたまという感じです。次も変に意識せず今日と同じように投げたいです」

森下翔太(阪神)

「(先制本塁打は)バットの芯に噛んでくれたので、あとは伸びろと思いました。大学代表の時に1本も安打を打てていなかったので、この侍ジャパンのユニホームを着ての初安打が本塁打で、こうやって良い形にできて本当に良かったです。全力でやるだけ。明日も必ず勝ちます」

赤星優志(巨人)

「相手の投手もすごく良いと聞いていたので、まずはゼロに抑えようとマウンドに上がりました。投げている時もその思いだけでした。(走者を出しても)坂倉さんが“ストライクゾーン内で勝負しよう”と言ってくれたので、開き直って投げることができました」

門脇誠(巨人)

「居心地が良い雰囲気で非常にやりやすかったです。(チーム初安打を含む3安打)こういう時に流れを変える一打をと思っていました。先輩たちのおかげでのびのびと野球ができています。いつも通り自分のプレーをして明日もチームの勝利に貢献したいです」

カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023

特設サイトチケット出場選手

大会期間

2023年11月16日~11月19日

予選
11月16日(木)19:00 チャイニーズ・タイペイ 0 - 4 日本
11月17日(金)19:00 日本 2 - 1 韓国
11月18日(土)12:00 オーストラリア 0 - 10 日本

決勝
11月19日(日)18:00 日本 4 - 3 韓国

開催地

日本(東京)

出場する国と地域

日本、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイ、韓国

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