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試合レポート

川上慧の技あり同点打や主将・新井悠河の5打点などでコロンビアに大勝 スーパーラウンド進出を決める

2024年8月19日

 8月18日(日本時間19日)、「第6回 WBSC U-15 ワールドカップ」(コロンビア・バランキージャ)のオープニングラウンド3戦目が行われ、侍ジャパンU-15代表は地元・コロンビアと対戦。相手の応援が多数を占める中で、先制を許す苦しい展開だったが、守備からリズムを作って逆転に成功すると、その勢いのまま14対3で6回コールド勝ちを果たした。

「観客が多くて緊張しました」と振り返ったのは、今大会初登板となった先発の福井那留(愛知豊橋ボーイズ)。初回に2本の痛烈な当たりを浴びて早々と1点を失う。それでも続く4番打者をセカンドゴロで併殺に打ち取ると、2回以降はストレートやカーブなどの変化球のコンビネーションが冴える。さらに味方守備陣も福井を盛り立て、2回裏2死から左翼手・戸倉光揮(狭山西武ボーイズ)がダイビングキャッチに成功。ベンチは大いに盛り上がった。
 すると3回表、相手の連続四球からチャンスを作ると3番・川上慧(明石ボーイズ)が 「相手投手はピンチになるとスライダーが多くなると思ったので」と狙い澄ましたスライダーを技ありのひと振りで逆方向のレフト前に運ぶと、小久保颯弥(愛知名港ボーイズ)が二塁から生還。同点に追いつくと、続く4番・中嶋蒼空(佐倉リトルシニア)のセカンドゴロの間に勝ち越し。さらに中島齊志(飯塚ボーイズ)の内野安打、戸倉のレフト頭上を越える二塁打で、この回一挙5点を奪った。

 3回裏には福井が簡単に2死を取ると、初先発となった右翼手・岡田良太(熊本泗水ボーイズ)が、小学生時代に陸上の100メートルで全国3位に輝いた俊足を生かしたスライディングキャッチを見せる。こうして再び攻撃の前に良い流れが生まれると、4回表はその岡田の内野安打と小久保颯弥(愛知名港ボーイズ)の連打でチャンスを作り、主将の新井悠河(藤岡ボーイズ)がセンター前へ2点タイムリー。4回裏は、福井が2死をテンポ良く取り、今後の戦いのことも踏まえて大会規定の球数制限で降板すると、代わった太田蓮(京都リトルシニア)がきっちりと抑えて試合を折り返す。

 その後も勢いは止まらず、5回は相手投手の連続四球でチャンスを作ると新井の内野ゴロの間と相手の悪送球で2点を追加。6回は初先発となった鈴木穰(稲城リトルシニア)の安打や相手投手の2四球でチャンスを作ると、小久保の押し出し、新井のこの日5打点目となるライト前への2点タイムリーや川上の犠飛などで5点を奪ってダメ押し。
 太田は5回と6回に失点こそするが、遊撃手・川上の好守などもあり1点ずつに抑えると、6回裏で11点差がつき大会規定(5回10点差以上)のコールドゲームが成立。開幕3連勝とするとともに、対戦成績の兼ね合いなどもありオープニングラウンド各組上位3チーム以上に与えられるスーパーラウンド進出を決めた。

 井端弘和監督は「昨日より初回から選手の動きが良かったですね。先制を許しても慌てず攻撃ができました。打線が繋がり、子どもたちがやっと動き出したなと思います」と評価しつつも、「まだ2ボールや3ボールで打者が見逃す場面が見受けられるので、そこはもったいないですね。国際試合のストライクゾーンが広い中で1ストライクでも見逃さずに打ちにいってもらいたいです」とさらなる積極性を選手たちに求めた。

 勢いに乗る侍ジャパンU-15代表。オープニングラウンド第4戦はグアムと日本時間20日5時から対戦を予定している。

監督・選手コメント

井端弘和監督

「先発の福井はストレートと変化球を制球良く投げていたので次の登板も期待したいです。新井は合宿の時よりも体が動いていてポイントゲッターになっていますね。どんどん主将らしくなってきて、人一倍声を出していて頼もしい主将です。新井のように前に出る選手がこうして増えていくと良いですね」

福井那留(愛知豊橋ボーイズ)

「緊張でフワッと試合に入ってしまったので気合いを入れ直しました。守備陣にも盛り立ててもらいましたし、カーブでストライクが取れるようになりストレートも制球良く投げることができました。自信になる投球となりました。今後も投手や外野手として自分の持ち味を出して役割を果たしていきたいです」

川上慧(明石ボーイズ)

「結果的には大差になりましたが、しぶとく一人ひとりが繋いだ結果だと思います。自分の判断でスライダーしか狙っておらず、追い込まれていたので野手のいないところに打とうと三遊間への打球を意識して打ちました。(好守について)1回戦で失策をしてしまったので投手を助けたいと思っていたので良かったです。気を抜かずに戦っていきたいです」

新井悠河(藤岡ボーイズ)

「(連日の活躍)1試合目に出られなかった悔しさがあったので打てて良かったです。全員で戦うことができました。主将は自分で立候補したので、これからも盛り上げていきたいです。今日は先制を許しましたが打線が繋がって、1番良い試合ができました。結束力もメチャクチャ良いと思います。今後も全員で一戦一戦戦っていきます」

第6回 WBSC U-15 ワールドカップ

大会概要 出場選手 放送予定

大会期間

2024年8月16日~8月25日

オープニングラウンド(グループA)
8月17日(土)9:00 日本 12 - 9 ドミニカ共和国
8月18日(日)5:00 イタリア 3 - 8 日本
8月19日(月)9:00 コロンビア 3 - 14 日本
8月20日(火)5:00 日本 14 - 0 グアム
8月21日(水)0:30 日本 4 - 2 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

スーパーラウンド
8月23日(金)5:00 日本 5 - 6 チャイニーズ・タイペイ
8月24日(土)5:00 日本 6 - 1 メキシコ
8月25日(日)5:00 日本 7 - 2 ニカラグア
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

決勝
8月26日(月)9:00 日本 7 - 6 プエルトリコ
※開始時刻は日本時間(コロンビア:時差-14時間)

開催地

コロンビア(バランキージャ)

出場する国と地域

グループA
日本、ドミニカ共和国、プエルトリコ、コロンビア、イタリア、グアム
グループB
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、ベネズエラ、オランダ、ニカラグア、南アフリカ

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