11月10日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2024 日本 vs チェコ」の第2戦がバンテリンドーム ナゴヤで19時から行われた。侍ジャパンは終盤に突き放して9対0で快勝し「ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12」前最後の実戦を終えた(侍ジャパンが出場するグループBは13日開幕)。
試合前の始球式には、井端弘和監督と現役時代に「アライバ」コンビとして鉄壁の二遊間を誇った元中日の荒木雅博さんが登板。捕手役は井端監督が買って出た。登板前に「昨日の(始球式の)小学生の子はいい球を投げたぞ」とプレッシャーをかけられたという荒木さんだったが、ストライクゾーンに投げ込み、スタンドから大きな拍手が送られた。
試合は初回から動いた。チェコの先発マウンドに上がったのは、昨年のWBCで120キロ台のストレートと110キロ台のチェンジアップを駆使して大谷翔平(ドジャース※当時エンゼルス)から三振を奪うなどインパクトを残したオンジェイ・サトリア。
対する侍ジャパン打線は、先頭の桑原将志(DeNA)がレフト前安打で出塁するも、小園海斗(広島)が一塁手マルティン・ムジークの好守もあって併殺に倒れて2死走者無しとなった。それでも、辰己涼介(楽天)が四球で出ると、この日4番に起用された森下翔太(阪神)がサトリアの甘く入ったチェンジアップを見逃さず。力強く振り抜いた打球は左中間スタンドに飛び込む先制2ランとなった。
侍ジャパンの先発マウンドに上がった早川隆久(楽天)は「久々の打者との対戦で無失点に抑えることができて良かったです」と振り返ったように、先頭のボイテハ・メンシクに二塁打を打たれこそしたものの、後続を冷静に抑えて初回を凌ぐと2回は三者連続三振。2回1安打無失点4奪三振の内容に「課題も見つかったので、大会までの数日間で克服していけるように調整します」と、より気を引き締めて大会を見据えた。
投手陣はその後も戸郷翔征(巨人)が2回2安打無失点、隅田知一郎(西武)が三者連続三振、鈴木昭汰(ロッテ)も三者凡退に抑えた。
打線は3回から6回の4イニングを18歳のミハエル・セナイに1安打無失点に抑えられるなど初回以降に追加点を奪えず。
だがセナイがマウンドを降りた7回に、先頭の牧秀悟(DeNA)がレフトオーバーの安打で出塁。ここで井端監督は代走に五十幡亮汰(日本ハム)を送る。すると五十幡は相手投手の牽制に飛び出してしまうが、俊足を飛ばして二塁に向かうと間一髪セーフ(記録は盗塁)。さらに、この後すかさず三盗を成功させると、代打・源田壮亮(西武)のセカンドゴロの間に五十幡は、貴重な追加点のホームを踏んだ。
8回には辰己と栗原陵矢(ソフトバンク)のタイムリー、相手失策、源田と佐藤都志也(ロッテ)のタイムリーで6点を追加してダメ押し。
投手陣は6回以降を鈴木昭汰(ロッテ)、藤平尚真(楽天)、鈴木翔天(楽天)が無失点で繋いでいき最終回は清水達也(中日)がマウンドへ。清水はマトウシュ・ブベニークにセンター前安打を浴び、その後暴投。ヤクブ・クビツァにもセンター前安打を打たれてしまうが、ここは辰己が矢のような送球で本塁を狙ったブベニークを刺して試合終了。前日に続き勝利を収めた。
この後、侍ジャパンは11日に希望者による練習、12日に公式練習が行われ、13日にプレミア12のグループB開幕戦をオーストラリアと19時からバンテリンドーム ナゴヤで対戦する予定となっている。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「勝てたこと、やりたいことをひと通りできたことに満足しています。なかなか追加点が取れず次の1点が大事になってくる中で、五十幡選手を早い段階でも出そうと思っていました。あそこで勝負をかけにいくことができたことや強化試合ではあまりしない送りバントもできたことが良かったと思います。(プレミア12に向けて)初戦がタフな試合になることは、これまでの経験で分かっているので、点を取れる時に取って、無駄な失点をしないように戦いたいです」
森下翔太(阪神)
「どの打順でもいける準備をしていたので、気負わずいつも通りのプレーをしようと思っていました。上手く芯に当たってバットに乗ってくれたので最高の結果になりました。初対戦の相手にも自分の打撃をしようと集中して打席に入れています」
パベル・ハジム監督
「守備は残念でしたが、投手はストライクゾーンで勝負をしにいき、打者も速い球を打ち返すことができていました。今回の貴重な機会をWBCやプレミア12、オリンピックなどの大会へ繋げていきたいです。国は小さいですが、夢は大きく持っていたいと思います」
ボイテハ・メンシク
「(1番打者として2試合で4安打)良い感触を得ることができました。これからも、チームとしては一丸となって戦う雰囲気を醸成すること、私としてはチェコ代表にいつでも招集されてもいいように準備をしていきたいです」
ラグザス presents 第3回WBSCプレミア12
試合日程
オープニングラウンド(グループB)
2024年11月13日(水)19:00 日本 9 - 3 オーストラリア
2024年11月15日(金)19:00 日本 - 韓国
2024年11月16日(土)19:00 チャイニーズ・タイペイ - 日本
2024年11月17日(日)19:00 日本 - キューバ
2024年11月18日(月)19:00 ドミニカ共和国 - 日本
スーパーラウンド
2024年11月21日(木)~ 2024年11月23日(土)
決勝・3位決定戦
2024年11月24日(日)
開催球場
オープニングラウンド(グループB)
バンテリンドーム ナゴヤ、台北ドーム、天母スタジアム
スーパーラウンド・決勝・3位決定戦
東京ドーム
出場チーム
グループA
メキシコ、アメリカ、ベネズエラ、オランダ、パナマ、プエルトリコ
グループB
日本、韓国、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、ドミニカ共和国、オーストラリア