欧州を代表する強豪国として、WBCをはじめとした国際大会でも常連となっているオランダ。特にWBCでは2013年の第3回大会、2017年の第4回大会と2大会連続で4強入りを果たした。第4回大会では2次ラウンドで日本と延長タイブレークにもつれこむ死闘を演じたことが記憶に残っているファンも多いだろう。
一方で、2023年に行われた第5回WBCと昨年の第3回プレミア12ではいずれもオープニングラウンドで敗退。復権を目指すべく、侍ジャパン同様にこの強化試合はWBCに向けた強化に繋がる貴重な場だ。
投手陣で中心となるのは、昨年の欧州代表に選出され来日したトム・デブロックやラース・ハイヤーだ。デブロックは3Aやメキシカンリーグでのキャリアを持つ右腕で150キロ級の速球と制球力を兼ね備え、ハイヤーはマリナーズでのマイナー経験を持ち国内リーグで抜群の安定感を見せている右腕でテンポよく様々な球種を投げ込む。
昨年の欧州代表にも選出されたトム・デブロック
野手陣は、かつてヤンキースでデレク・ジーター引退後の正遊撃手として活躍し、WBCのオランダ代表でも常連となっているディディ・グレゴリアスというビッグネームが名を連ねていることに目がいく。高い守備力に加え、2018年にメジャーリーグで27本塁打を放つなど通算134本塁打の実績を持つ左の強打者。35歳となったが、レベルの高いメキシカンリーグでプレーをしており、昨年のプレミア12でも5試合で22打数11安打2本塁打を放つなど実力は健在だ。
国内リーグ組ではベテランのドウェーン・ケンプに注目。代表常連であり、内外野を守るユーティリティーさと小柄ながらもパンチ力のある打力も兼ね備え、チームに不可欠な存在となっている。
来年のWBCで野手は多くのメジャーリーガーを招集することが予想されるが、すべてのポジションやベンチメンバーまでメジャーリーガーで埋められるほどの層の厚さはなく、各選手ともWBC代表入りへのアピールに向けて格好の舞台となるはずだ。
MLB通算134本塁打のディディ・グレゴリウス
欧州は年代別の大会も含めて国際大会が多く、サッカーのように代表が常設されており、オランダは継続的な代表活動でチームを強化し、国際大会で結果を残してきたチームの代表格だ。
再び世界に爪痕を残す足がかりを掴もうと、このシリーズではWBC王者の撃破を虎視眈々と狙っている。