3月4日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本 vs オランダ」（京セラドーム大阪で3月5、6日）に向けた公式練習や記者会見が行われた。
大阪市の杉本商事バファローズスタジアム舞洲で13時前から公式練習を始めた侍ジャパンの選手たち。この日は雨天のため、室内練習場やブルペン、ウェイトルームで投内連係やフリー打撃、投球練習やトレーニングなどで汗を流した。
トップチーム初選出が20名という真新しい陣容ではあるが、各選手ともリラックスした表情で軽快に体を動かした。
初選出の常廣羽也斗（広島）は「キャッチボールを見ているだけで面白かったです」と表情を明るくし「カープでやってきていることを引き続きやって自分らしい投球がしたいです」と自然体で2023年の日米大学野球以来の国際試合に臨む。
同じく初選出の梶原昂希（DeNA）も「身が引き締まって、やってやろうという気持ちです」と意気込み、「走力が通用するか見てみたいですし、躍動感あるプレーをしていきたいです」と武器を最大限に発揮することへ意欲を燃やした。
17時からは公式記者会見が行われ、侍ジャパンからは井端弘和監督と吉川尚輝（巨人）が出席。井端監督はこの2試合のポイントに、かねてから課題としている長距離打者と中継ぎ左腕を挙げ「前回のWBCを見ても長打力は不可欠。1人でも多くそうした期待のできる選手が出てきてくれたら嬉しい」「オランダの左の良い打者に対して左の中継ぎ投手を当てていきたいです」と期待や起用の方向性を示した。
また、井端監督から「一番の魅力はスピード、トータルバランス。今季は昨年以上の成績を望めるのではないか」と期待されている吉川は「このユニホームを着ることは野球人にとって憧れ。良い調整ができているのでアピールしたいです」と抱負を語った。
一方、オランダ代表はエバートヤン・トフーン監督とMLB通算134本塁打の実績を持つ左の強打者であるディディ・グレゴリアスが出席。トフーン監督は出場が決まっている来年のWBCに向けて「もちろんMLBやその傘下にいる選手たちも加わりますが、今回の選手たちがどのような力を持っているか測っていきたいです」と、今回の2試合の重要性を明かした。
さらにグレゴリアスについては、昨年のプレミア12でも5試合で22打数11安打2本塁打を放つなど活躍を続けており「長くチームリーダーも務めてくれている。アメージングな選手です」と全幅の信頼を置く。そしてグレゴリアスも「ともに野球をしてきた仲間たち、活躍をテレビで見てくれていた仲間たち、素晴らしいコーチ陣とプレーできることを大変嬉しく思います」と、祖国の誇りとともに戦うことを誓った。
両チームの先発も発表され、今回の侍ジャパンの選手で唯一のWBC経験者である宮城大弥（オリックス）、昨年に欧州代表の一員として第2戦に登板し1イニングを三者凡退に抑えたケビン・ケリーと発表された。
第1戦は京セラドーム大阪で3月5日19時試合開始予定。2017年の第4回大会で延長タイブレークにもつれこむ激闘を演じたオランダと切磋琢磨をし、ともに来年のWBCに向けて良い弾みをつけることを目指した戦いがまもなく始まる。
選手コメント
宮城大弥（オリックス）
「捕手の山本祐大さん（DeNA）が構えや立ち位置のことを聞いてくれたので“なんでも大丈夫です”と答えました。（ユニホームが同僚・太田椋のものだったが）ホテルに忘れてしまい借りました・・・。今井選手がすぐ突っ込んでくれて助かりました。（来年のWBCに向けて）今回は先発として頑張りますし、来年もし選んでいただいたら、どんな場面でも投げられるよう準備していきたいです」
大山悠輔（阪神）
「（６年ぶりの選出）キャンプをやってきたのでコンディションは良いです。なかなかこういう機会はないので良い時間にしていきたいです。（最年長ではあるが）伝えるということより、僕が学ぶことの方が多いので盗めることは盗んでいきたいです。（来年のWBCに向けて）前回のWBCも見ていましたし出場した中野拓夢からもいろんな話を聞いています。まだ１年後なのでまずは今季をしっかり頑張りたいです。（今回の試合に向けて）いつも通りいろんな場面を想定して準備していきます」
