9月3日に宮崎で開幕する「第12回 BFA U18アジア選手権」に出場する侍ジャパンU-18代表が8月31日、宮崎県高校選抜と壮行試合を行い、4対2で勝利。大会前最後の対外試合を白星で終えた。
東京から通じて4試合目。永田監督は限られた機会を有効活用し、どの布陣で戦うのがベストなのかを模索してきた。前日に「最後に試したいことがある」と語っていたが、それはまず、先発オーダーに出た。一番・藤原恭大(大阪桐蔭)、二番・小園海斗(報徳学園)を組んだ。2人は昨年も高校日本代表でプレーし、銅メダルを獲得したU-18W杯(カナダ)ではこの一、二番が起爆剤となった。
永田監督は「当初からこの藤原、小園で行こうと思っていた」と明かしたが、これまで3試合の対外試合では、さまざまなパターンを試した。小園は一番が2試合、三番が1試合、藤原は四番が2試合、一番が1試合。ここまで先延ばしにした理由を「藤原の力は分かっているが、小園が成長している。中軸を打たせても面白いと考えた」と語った。
1回表、藤原が初球を左中間方向へ運ぶと、単打の当たりではあったが「いつも1本で2つ行くことを考えている」と、50メートル走5秒7の快足を飛ばして、二塁へ進塁した。続く小園の右前打で、藤原が生還。プレーボールから2分足らずで先制した。さらに、この日はDHを使わず投手として先発した木更津総合・野尻幸輝の適時三塁打で2点目を挙げ、試合の主導権を握った。藤原が「一番、やりやすい。中学時代(枚方ボーイズ)から組んでいるのでタイプも分かる」と言えば、小園も「心強い。どっちかが打てば点が入るし、どっちも打てば、さらに点が入る」と再結成を喜んでいた。
試合序盤に高校日本代表らしい形を披露すると、終盤にも見せ場が待っていた。4対2とリードした9回裏、6番手として金足農・吉田輝星がマウンドに上がった。1万6000人が詰め掛けたKIRISHIMAサンマリンスタジアム宮崎の観衆は、この日一番の盛り上がり。吉田は準優勝を遂げた今夏の甲子園で6試合881球を投げた。8月25日のチーム集合以降は疲労を考慮され、別メニューでの調整を続けてきたが、ついに初登板を迎えたのだ。
1回を無失点に抑え、ストレートの最速は149キロ。「久しぶりの実戦で、疲れも抜けていて、良い形で投げられた。先発して5回くらい投げられれば状態も上がってくると思います」と笑顔を見せた。
永田監督は大会本番までの4試合で「やりたいことはできた」と語った上で、一つだけ想定外があった。それが、吉田の登板だった。 体調を見ながら、この日を迎えた指揮官は明かした。「当初は、予選(一次ラウンド)は難しいかな、と、スーパーラウンドで投げられればと思っていた。皆さんの『GO』が出て、昨日、今日の朝も確認しました」。そして、こう続けた。「理学療法士のほか、皆さんのおかげで、ここまで来ている。そのことを忘れてはいけない。投げられたうれしさから、今は興奮しているようなので、(宿舎に)帰ってから、吉田とはゆっくり話をしたい」
チーム結成からちょうど1週間。ようやく18人の全メンバーが実戦の場に立ち、チームの士気はさらに高まってきた。
第12回 BFA U18アジア選手権
大会期間
2018年9月3日~9月10日
グループA
9月3日(月)18:00 日本 26 - 0 香港
9月4日(火)18:00 スリランカ 0 - 15 日本
9月5日(水)18:00 日本 1 - 3 韓国
スーパーラウンド
9月7日(金)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
9月8日(土)18:00 日本 (中止) 中国
3位決定戦
9月10日(月)13:00 日本 14 - 1 中国
開催地
日本(宮崎)
出場する国と地域
グループA
日本、香港、韓国、スリランカ
グループB
中国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、インドネシア
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