12月5日、侍ジャパン大学代表候補選手の強化合宿が愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで始まった。
今回は例年の4、50名より多い58選手が参加。来年の国際大会に向けての第一歩となる合宿で、各選手たちのアピール合戦が始まった。

今回から代表の指揮を執るのは関西国際大の監督で大学代表のコーチも3回務めた鈴木英之監督。練習前には選手たちに挨拶をするとともに「全員に期待しています。出し惜しみせずにアピールしてください」と激励し、練習は始まった。
この日は投内連係やシートノック、フリー打撃が行われ、翌日に行われる実戦形式のシート打撃に向けて調整した。
初日の練習を終え、鈴木監督は「打撃練習で力強いスイングができる選手が多いなと思いました」と印象を語った。前回、コーチを務めた際の2023年の日米大学野球では敵地開催で史上2回目の優勝を果たした。当時の記憶として、廣瀬隆太(現ソフトバンク)、西川史礁(現ロッテ)、渡部聖弥(現西武)の力強さは今でも鮮明に残っているといい、だからこそ「強くて速いボールに対応できる選手が重要になってくると思います」「スイングの強さは明日のシート打撃でも見ていきたいです」と、重要な視点を語った。
この日に目立った選手を報道陣に問われると、今夏に全勝優勝を果たした日米大学野球でも主力を担った捕手の渡部海(青山学院大)と中堅手の榊原七斗(明治大)の名を挙げて「落ち着きがありましたね」と振り返った。
新戦力で鈴木監督が名前を挙げたのは、昨夏の侍ジャパンU-18代表だった1年生の境亮陽(法政大)。シートノックでの肩の強さが目を引いたという。それを聞いた境は「長所でもあるので嬉しいです」と笑顔を見せた。
2日目となる6日は午前・午後にわたりシート打撃(投手は4人もしくは5人の打者と対戦)を行い、50メートル走の測定も予定されている。
この合宿のメインと言っていい翌日に向けて、境は「良い投手がたくさんいますが、少しでも自分の良さであるコンタクト能力や広角への打撃を見せていきたいです。50メートル走も1番を目標にしています」と意気込んだ。

日米大学野球では主力として多くの4年生が占めていたこともあり、来年に向けて新戦力の台頭は必須。それだけに、各選手が実戦形式の中でどんな持ち味を見せてくれるか楽しみだ。
監督・選手コメント
鈴木英之監督
「コーチは3回していますが、監督は責任感と緊張感が違いますね。今回のメンバーは代表経験者もいますが、日米大学野球で活躍した選手は4年生が多かったので、ここからは新しい選手の発掘も大事にしていきたいです。目標の大会までは時間が長いので、選手の特性を見極めていきたいです」
渡部海(青山学院大)
「(この日は主将役を務め)全国各地から良い選手が集まっているので、僕のできることは限られていますが、とにかく元気を出していこうと思いました。来年はチームを引っ張っていくという気持ちが強いので、そのためにもまずは代表に選ばれるようアピールしていきたいです。(明日のシート打撃では)打者としては初見の投手の対応が大事になると思います。捕手としては登板前になるべくコミュニケーションをとって、投手の良さを引き出していきたいです」

























