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スーパーラウンド第2戦は雨天中止 中国戦へ向け横浜前監督の渡辺氏が熱血指導

2018年9月8日

「第12回 BFA U18アジア選手権」に出場している侍ジャパンU-18代表。9月8日、18時から予定されていた中国とのスーパーラウンド第2戦は雨天中止となった。

 日本は前日、チャイニーズ・タイペイとのスーパーラウンド第1戦で敗退(1対3)し、韓国は中国に勝利。この時点で、一次ラウンドから持ち越しの1勝を含めて「2勝」となった韓国とチャイニーズ・タイペイの決勝(9日)、そして「2敗」同士の日本と中国の3位決定戦の対戦(9日)が決定した。すでに順位が確定していながらも、同8日に韓国とチャイニーズ・タイペイ、日本と中国の同一カードが組まれ「同じ試合をしなくても問題はない」(大会関係者)との判断により、スーパーラウンド第2戦は「打ち切り」となった。

 明日9日は3位決定戦(13時開始)と決勝(18時開始)が予定されているが、悪天候が予想されており、仮に雨天中止となった場合は、予備日の10日に順延される。今大会は来年のU-18W杯(韓国に内定)の出場権(アジアの出場枠は3)をかけた戦いでもあり、3位決定戦の勝者が最後のイスをつかむ。

 優勝こそ逃したが、銅メダル獲得へ、モチベーションが下がることはない。前日、先発した柿木蓮(大阪桐蔭)が「自分たちが(3位決定戦で)負けてしまったら、後輩たちが世界の経験ができなくなる。自分たちのため、後輩たちのためにも勝たないといけない」と語れば、根尾昂(大阪桐蔭)も「2敗した悔しさはあるが、自分たちはここで、普通ではできない経験をさせてもらっている。中国を上回る準備をして、次の世代につながる試合をしたい」、決意を話した。

 15時に発表された中止決定後、日本チームは同20分から90分間、木の花ドームで練習を行っている(その後に予定されていた中国の練習はキャンセル)。前夜は大会連覇が消滅する失意の敗戦であったが、最後の一戦へ向けてもう一度、気持ちを一つにした。

 練習をピリッと引き締めるシーンがあった。横浜(神奈川)の前監督である渡辺元智氏が激励に訪れた。2004年の第21回AAA世界野球選手権(台湾)で渡辺氏が高校日本代表監督、永田監督が同コーチという間柄だ。「親しくお付き合いさせていただいています」(渡辺氏)。テレビ解説で宮崎入りしていた渡辺氏へ、永田監督から指導要請が入った。

 渡辺氏は過去3回、U-18代表(1995年アジア選手権、2004年世界選手権、11年アジア選手権)を率いた経験からアドバイスしている。
「心構え。ちょっとしたズレがある。大学との壮行試合(8月28日、神宮)も見に行きましたが、あのあたりでピークに達していた。以降、コンディションが下がってきている中でスリランカ戦を迎え、錯覚が出てきた。高校生が2~3週間、ベストコンディションなんてあり得ない。そこにタイミングのズレが出てきたんです」。さらに、話は熱気を帯びる。

「投手も野手も間(ま)がない。甲子園でできたことが、ここでは気持ちがはやっている。大阪桐蔭の選手が5人いますが、彼らは『春夏連覇』を目標として公言した。金足農も無欲で勝ち上がってきた。素晴らしい決勝だったが、あの雰囲気がない。再燃したらどうか?という話をした。『負けたら(外を)歩けないよ!!』。ただ楽しむ、ではダメ、日の丸をプレシャーに感じながら『絶対に勝つんだ!!』という思いでやってほしいと伝えました」

 2試合で4失策とスランプに陥っている報徳学園の遊撃手・小園海斗には自らゴロを転がしての熱血指導を行った。
「トラウマにならないように『自信を持て!!』と。バウンドが合わない。合わないところで守っているから、工夫しないといけない。つまり、グラブが浮いているところで捕球するのではなく、地面についているところで捕球する。基本的なことですが、本人も分かっていましたし、明日は十分、やれると思います」

 名将からの助言に、小園は「日本のすごい監督の一人に教えていただいて光栄です。実戦が続いていたので、しっかり基礎を見直すことができました。欠けた部分を修正でき、良い練習ができたと思います」と収穫十分。また、吉田も「原点回帰」の機会となった。

「日の丸のプレッシャーもあった。(大会)連覇という大きな目標もかかっていて、チーム全体が力み過ぎていた。甲子園ではチャレンジャーだった。下からのスタートでただ、登るだけだった。ひたむきさ、泥臭く。金農のときの野球を思い出した。上手い人の集まりだからと言って、声を出さなくていいということではない。うまい人だからこそ、チームのお手本となって声を出す。渡辺監督からの話を通じて、金農で教わったことを忘れないようにしていこうと、改めて思いました」

 3位決定戦へ一つのきっかけを与えた渡辺氏。永田監督からは、短い言葉の中にも強い意気込みを感じた。「何とか3位を死守したい。今日の練習が明日につながる。何が何でも勝ちにいく。泥臭く、野球をやりたい」。中国との今大会ラストマッチで、燃え尽きる覚悟だ。

第12回 BFA U18アジア選手権

大会概要 出場選手

侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表

大会期間

2018年9月3日~9月10日

グループA

9月3日(月)18:00 日本 26 - 0 香港
9月4日(火)18:00 スリランカ 0 - 15 日本
9月5日(水)18:00 日本 1 - 3 韓国

スーパーラウンド

9月7日(金)18:00 チャイニーズ・タイペイ 3 - 1 日本
9月8日(土)18:00 日本 (中止) 中国

3位決定戦

9月10日(月)13:00 日本 14 - 1 中国

開催地

日本(宮崎)

出場する国と地域

グループA
日本、香港、韓国、スリランカ

グループB
中国、チャイニーズ・タイペイ、パキスタン、インドネシア

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