9月1日、「第5回 WBSC U-15 ワールドカップ」(9月4日まで/メキシコ・エルモシージョ)のスーパーラウンドが行われ、侍ジャパンU-15代表は第1戦でアメリカと対戦し、12対6と逆転勝ちした。
前日のオープニングラウンド最終戦に続く逆転劇だった。
スーパーラウンド初戦の先発は堀田昂佑(広島廿日市ボーイズ)。パナマとのオープニングラウンド第1戦の最終回に登板し、打者3人をピシャリと抑えた本格派右腕だが、この試合は持ち味のストレートが高めに浮く場面が目立った。初回、先頭打者に死球を与えると、3連打を含む4安打にエラーも絡み、5点を失った。
いきなり大量ビハインドを背負ったが、日本はすぐさま反撃に転じる。
1回裏、藤田一波(取手リトルシニア)、畠中健太(住吉ボーイズ)が失策で出塁し、1死一、三塁のチャンスを作ると、金本貫汰(関メディベースボール学院ヤング)、矢野塁(高松庵治ヤングストーンズ)、本田翔輝(兵庫伊丹ヤング)、辻琉沙(滋賀野洲ボーイズ)が、怒涛の4連打を放ち、一挙4得点。さらに2死二、三塁から相手のバッテリーミスが飛び出し5点目が入り、試合を振り出しに戻した。
初回に出鼻を挫かれたものの、堀田は走者を背負いながらも2、3回を無失点に抑えた。そんな右腕の粘りに応えるように、3回裏に再び日本打線がつながりを見せる。
矢野、本田の連打で得点圏に走者を置くと、1死後、堀田が放ったフライを相手のライトが落球。その間に本田が生還し、日本が勝ち越しに成功した。さらに2死から藤田の内野安打、坂本慎太郎(取手リトルシニア)の右前打、畠中の内野安打の3連打が飛び出し、好走塁も見せ5点を追加した。
4回からは、前日のコロンビア戦でクローザーを務めた佐藤龍月(東京城南ボーイズ)が登板。先頭に安打を許し、ワイルドピッチとけん制悪送球で三進を許したが、そこから踏ん張り無失点で切り抜けた。
4回裏の日本の攻撃中に雨脚が強まり試合が中断され、約1時間に試合が再開。直後の5回に2失策を喫し、アメリカに1点を献上した。
その裏の攻撃は、2死から四球と失策でチャンスをもらいながらも無得点。追加点を奪えず、嫌なムードが立ちこんでもおかしくない中、6回裏の攻撃でそれを吹き飛ばした。
矢野、本田の連打で1死一、二塁のチャンスを作ると、辻がレフト前にタイムリーを放つ。相手の守備の乱れが重なり、二走の矢野に続き一走の本田も生還。ダメ押しとなる追加点を奪い、ベンチも大きく沸いた。
6点リードの最終回は、サードを守っていた矢野がマウンドへ。アメリカ打線から三者連続の空振り三振を奪い、試合を締め括った。
スーパーラウンド第1戦は、初回に5点を奪われる苦しい滑り出しとなったが、チーム一丸となった攻撃で投手陣を盛り立て、前日に続く逆転勝ちを収めた。次戦は、2日11時半(日本時間)から、スーパーラウンド第2戦をグループA2位通過のチャイニーズ・タイペイと対戦する。
監督・選手コメント
鹿取義隆監督
「1点ずつ返せばどこかで追いつけると思っていましたが、相手の守備に助けられた部分もありました。(堀田は)今日は先発ということで緊張もあったのかなと。2回以降は持ち味を出せたのではないかと思います。(チームは)ベンチで声も出ていていいタイミングで励ますこともできているし、試合に出ている選手もしっかり自分の仕事をしていて、チームワークが良くなってきています」
矢野塁(高松庵治ヤングストーンズ)
「畠中選手が気分が上がる円陣をしてくれて、みんなも気分が乗って試合に入れました。内野の守備が深かったのでゴロを打ったらラッキーなヒットになったのでいい打席になったと思います。最終回は3失点くらいを覚悟してマウンドに上がったのですが、スプリットを上手く使って三振を取ることができたのですごく嬉しかったです。打撃はいいヒットが無かったので、次はいいヒットを打てるように頑張ります」
本田翔輝(兵庫伊丹ヤング)
「アメリカに勝って、チームにも自信がついたのではないかと思います。(3安打は)所属チームで低くて強い打球を意識しているので、それでヒットになる確率が高くなっているのではないかと思います。初戦は実力を発揮できていなかった選手も、チームの環境に慣れてきて自分のプレーができてきているのが勝利の一因だと思います」
辻琉沙(滋賀野洲ボーイズ)
「負ける雰囲気では無かったので、1点ずつ取って終盤に勝負をかけようと思っていました。試合前から鹿取監督に積極的に初球から振りにいくように言ってもらっていたので、タイムリーになってよかったです。ダメ押しの1点が欲しいところでしっかり打つことができたので先の試合にも繋がる1本だったと思います」
第5回 WBSC U-15 ワールドカップ
大会期間
2022年8月26日~9月4日
オープニングラウンド
8月28日(日)11:30 日本 4 - 0 パナマ
8月29日(月)11:30 日本 10 - 0 フランス
8月31日(水)11:30 コロンビア 4 - 7 日本
スーパーラウンド
9月1日(木)11:30 日本 12 - 6 アメリカ
9月2日(金)11:30 日本 4 - 6 チャイニーズ・タイペイ
9月3日(土)11:30 日本 0 - 7 キューバ
9月4日(日)7:00 日本 9 - 1 プエルトリコ
3位決定戦
9月5日(月)3:00 チャイニーズ・タイペイ 7 - 0 日本
開催地
メキシコ(エルモシージョ)
出場する国と地域
グループA
メキシコ、チャイニーズ・タイペイ、キューバ、チェコ
グループB
パナマ、日本、コロンビア、フランス
グループC
アメリカ、南アフリカ、ベネズエラ、プエルトリコ、グアム