9月15日(日本時間16日)、アメリカ・フロリダ州で開催されている「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」のスーパーラウンド第1戦が行われた。オープニングラウンドのグループBを4勝1敗で2位通過した侍ジャパンU-18代表は、グループA2位の韓国と対戦。投打で韓国に圧倒され0対8で完敗を喫した。
スーパーラウンドは、オープニングラウンド同組との勝敗が持ち越されるため1勝(対メキシコ)1敗(対チャイニーズ・タイペイ)の状態からスタートしただけに、同じく1勝1敗スタートだった韓国との一戦は決勝進出に向けて是が非でも勝ちたい一戦だった。
そのため馬淵史郎監督は主将である山田陽翔(近江)を先発のマウンドに送った。しかし「四死球が目立って守備のリズムが悪くなってしまいました」と試合後、山田が悔やんだように一気に主導権を握られた。
まずは先頭のチョン・ジュニョンに安打を許すと犠打と四球でピンチを作る。すると4番キム・ボムソクとキム・ジョンミンにタイムリーを浴びた。さらに四球を出した後のサードフライを渡部海(智辯和歌山)が落球し二者が生還。7イニング制では痛い初回の4失点となった。
さらに2回も、山田は死球とバント安打でピンチを作ると、暴投とタイムリーで2点を失いノックアウト。
代わった吉村優聖歩(明徳義塾)も2回のピンチは切り抜けたものの、3回は渡部の失策から出た走者をチョン・ジュニョンに返され7点目。3番手の生盛亜勇太(興南)は2回無失点3奪三振に抑えたものの、4番手の宮原明弥(海星)がキム・ミンスクにタイムリーを浴びてダメ押しの8点目を献上した。
なんとか反撃したかった打線だが、サイドスロー右腕のキム・ジョンウン、本格派左腕のユン・ヨンチョルの前に6回まで散発の3安打。最終7回はスリークォーター右腕であるキム・ソヒョンから伊藤櫂人(大阪桐蔭)が内野安打や四球で2人の走者を出すが、最後は浅野翔吾(高松商)が101マイル(約163キロ)のストレートを外角いっぱいに投げ込まれ見逃し三振。完封リレーを許し、決勝進出に黄信号が灯る痛い1敗となった。
決勝進出は絶望的な状況となったが、3位決定戦に向けても負けられないスーパーラウンド第2戦はオランダと対戦。16日16時(日本時間17日5時)から行われる予定となっている。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「先に点を取られると非常に苦しいです。しかもエラーでの2点もありましたし、韓国の投手力が良いだけになかなか4点のビハインドは重かったですね。投げる球種はカウントごとにある程度は分かっていたのですが、打ちに行っても打てませんでした。勝敗は監督の責任です。気持ちを切り替えて、(試合後は)“日本の高校野球の代表として来ているんだから最低でも3位で帰らないかんぞ”という話をしました」
山田陽翔(近江)
「ゴロを打たせようと思って投げましたが、思うような投球ができませんでした。四死球を与えないように次からは投げていきたいです。マウンドの土が硬くて掘りきれない中で修正ができませんでした。自分の力不足でした」
浅野翔吾(高松商)
「守りからリズムが作れず攻撃が雑になりチーム全員が焦ってしまいました。韓国の投手は映像で観た以上に球の強さがあり、素晴らしい投手が多かったです。最後のストレートは遠いかと思ったのですがシュート回転で中に入ってきて手が出ませんでした」
生盛亜勇太(興南)
「負けていたので、少しでもチームに流れを持ってこようと投げました。今までで一番というくらいストレートが走っていましたし、内角も上手く使うことができました。3試合目の登板だったので硬いマウンドにも慣れてきました。投げる際の歩幅を6歩半から6歩にしてリリースで沈み込まずボールを叩けるようになりました」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア