9月18日(日本時間19日)、アメリカ・フロリダ州で開催されている「第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の3位決定戦が行われた。侍ジャパンU-18代表は韓国を6対2で下し、2017年の第28回大会以来2大会ぶりとなる3位となった。
スーパーラウンド初戦で対戦し0-8で敗れた韓国が相手だったが、初回から主導権を掴んだ。相手先発左腕のファン・ジュンソから2番の黒田義信(九州国際大付)がレフト前に運ぶと松尾汐恩(大阪桐蔭)もライト前に運んで一、三塁とチャンスを作る。ここで大会後半好調の4番・内海優太(広陵)がセンター前に運んで、貴重な先制点を得た。
その裏には日本の高い守備力が発揮される。先発の生盛亜勇太(興南)は先頭から二者を四球で歩かせ、さらにはバントも許して1死二、三塁のピンチ。だがここで遊撃手の光弘帆高(履正社)、三塁手の伊藤櫂人(大阪桐蔭)が立て続けにファインプレーを見せてピンチを凌いだ。
これでリズムに乗ると2回、前回の戦いで先発したサイドスロー右腕のキム・ジョンウンから伊藤がレフト前安打で出塁すると、藤森康淳(天理)のバント失敗こそあったものの、海老根優大(大阪桐蔭)がライト前安打を放ってチャンスを作る。
ここで韓国は最速163キロの剛腕キム・ソヒョンを投入。しかしこの日は制球が定まらず二者連続四球で押し出し。さらに松尾がレフトへ2点タイムリーを放つ。内海も四球を選んだところで、韓国は本格派左腕のユン・ヨンチョルを送るが、渡部海(智辯和歌山)のレフト前タイムリーで、さらに2点を追加。前回の対戦で苦しめられた3投手を相手に打線が爆発し、この回一挙5得点のビッグイニングを作った。
この援護に生盛は3回まで無安打の投球で応える。4回にはキム・ドンホンに2ラン本塁打こそ許したものの、後続から2三振を奪うなど4点差にとどめた。
5回からは今大会3勝を挙げている川原嗣貴(大阪桐蔭)が登板。先頭打者に安打を許すも、光弘と藤森の流れるような連携の併殺打などで後続を抑え無失点。6回も2三振を含む三者凡退で抑え込んでいく。最終7回も簡単に2死を取ると最後は空振り三振に抑えて試合終了。
大会中盤に苦しい戦いを強いられたが、しっかりと持ち直し、このチーム最後の試合は11安打6得点、被安打4本・無失策という今大会ベストゲームとも言える内容で締めた。
また、川原が最優秀投手(勝-負)とベストナイン(救援投手)、松尾がベストナイン(捕手)に輝いた。
監督・選手コメント
馬淵史郎監督
「怪我人もいて思うような戦いができない部分もありましたが最低限の結果を残すことができました。苦しい時に川原が台頭してくれたのが大きかったです。7イニング制は3回までが勝負。先手必勝のオーダーなど、もっとその中での戦いを考えていかなくてはいけませんし、オープニングラウンドからスーパーラウンドの戦いを考えることも必要となってくると感じました」
山田陽翔(近江)
「すごく嬉しいです。チームが勝てたことが一番です。個人としては大会中盤まで調子を上げられず迷惑をかけてしまいましたが、後半にはチームを救う投球が要所要所でできたので良い経験になりました。この経験を次のステージでも生かしたいです」
松尾汐恩(大阪桐蔭)
「投手の持ち味を最大限に引き出すのがキャッチャーの仕事だと思うので、今大会はそこがなかなか上手くできませんでしたが、今日は最高のゲームになったと思います。最後にみんなといい野球ができたことが何より嬉しいです。最高の仲間と戦えて感謝しかありません」
第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ
大会期間
2022年9月9日~9月19日
オープニングラウンド
2022年9月10日(土)4:00 イタリア 0 - 6 日本
2022年9月11日(日)8:00 メキシコ 1 - 4 日本
2022年9月12日(月)8:00 日本 5 - 4 パナマ
2022年9月13日(火)8:00 日本 10 - 0 オーストラリア
2022年9月14日(水)8:00 日本 2 - 9 チャイニーズ・タイペイ
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
スーパーラウンド
2022年9月16日(金)5:00 韓国 8 - 0 日本
2022年9月17日(土)5:00 日本 1 - 0 オランダ
2022年9月18日(日)22:30 アメリカ 4 - 3 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
3位決定戦
2022年9月19日(月)4:00 韓国 2 - 6 日本
※開始時刻は日本時間(フロリダ:時差-13時間)
開催地
アメリカ(フロリダ)
出場する国と地域
グループA
アメリカ、韓国、オランダ、カナダ、ブラジル、南アフリカ
グループB
日本、チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、オーストラリア、パナマ、イタリア