新たに野球日本代表「侍ジャパン」トップチームの指揮官となった井端弘和監督。3回にわたるインタビューの連載最終回は、初陣となる「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」(東京ドームで11月16日から19日)に向けての思いを聞いた。
選手たちに求めるもの
――就任早々ですが、WBC後最初の国際大会となるアジアプロ野球チャンピオンシップが1ヶ月後に迫っています。チーム編成を含めてどのように進めていく予定でしょうか?
「就任会見が終わったばかりで、まだメンバー編成の構想まで至っていません。時間は限られているので、寝ずに考えるくらいのつもりで進めようと思っていますし、うまくスタッフと連携を取って良いチームを編成していきたいです」
――参加資格が「24歳以下(1999年1月1日以降生まれ)または入団3年目以内。オーバーエイジ枠は29歳以下(1994年1月1日以降生まれ)で3名まで」という中ではありますが、優勝という目標は変わらないでしょうか?
「そうですね。出る大会については、すべて優勝が目標です。その中でも次の国際大会に向けて1人でも多くの有望な選手が出てきてもらえればと思っています。怯むことなく自分の持っている力を、失敗を恐れずプレーしてもらいたいですね」
――2017年のアジアプロ野球チャンピオンシップも当時コーチとして経験されていますね。
「あの時も初戦は苦しかったですが、上林誠知選手(ソフトバンク)が同点3ランを放つなどして鳥肌が立ちました。ファンの皆さんが大きく温かい声援を送ってくれたからこそ出たものかなと思います。だからこそ、選ばれた選手だけでなくファンの方も含めて結束できれば、選手たちは持っているもの以上の力が出せる。今回もそうした応援をしていただけたらありがたいです」
この大会で大事なこと
――11月上旬から行うキャンプでは、どのようなことを大切にしたいですか?
「レギュラーシーズンが終わってから間が空く選手もいれば、日本シリーズを戦ったばかりの選手もいます。まずはコンディションをしっかり整える、上げるということが最も大事なのかなと思うので、そこを見ながら練習メニューを考えていこうと思います」
――どの大会よりも短い4日間の超短期決戦でもあります。
「イメージはU-12W杯(10日で9試合)などと変わらないのかなと思うので、まずは初戦に全力を注ぎたいですし、それまでの気持ちの持ち方や運び方については、鞭を打つことも必要なので、我々スタッフの重要な役目ですね」
――WBC後初の国際大会で、熱狂や盛り上がりの継承という面もあるかと思います。
「そうですね。この春の優勝がありましたから、勝つことが最低条件かとは思いますが、次の国際大会にどの選手が入ってくるかも大事です。“発掘しながら勝たせる”の両立は難しいことですが、一生懸命やっていきたいです。成功する選手もいれば、思うような結果を残せない選手もいると思いますが、それをレギュラーシーズンや次の大会に向けて努力してくれたら嬉しいです」
――それでは最後にファンの方へのメッセージをお願いします。
「結束力を持ち、ファンの方とも一体となり、各大会すべてで優勝したいと思っております。ご声援よろしくお願いします!」
【第1回】 稲葉篤紀元監督への感謝、U-15代表監督兼務を希望した理由
【第2回】 U-12代表監督として学んだこと、今後の野球界
【第3回】 初陣となるアジアプロ野球チャンピオンシップで目指すもの