12月9日、「第30回 BFA アジア選手権」(12月10日まで台湾・台北、台中)のスーパーラウンド第2戦が台北ドームで行われ、侍ジャパン社会人代表は韓国と対戦。攻守が噛み合い、5対2で快勝し全勝で決勝進出を決めた。
川口朋保監督が「彼本来の投球が攻撃に良い影響を与えてくれました」と振り返ったように、タイ戦に続いて先発を任された秋山翔(三菱自動車岡崎)のテンポ良い投球が勝利に導いた。
リリースポイントの見えにくいフォームから放たれる140キロ前後の伸びのあるストレートと、ブレーキの効いたチェンジアップを軸にした投球で3回までに5三振を奪うと、3回裏に打線が応える。
9番・中川拓紀(Honda鈴鹿)と矢野幸耶(三菱重工East)の連打からチャンスを作ると、相手投手のワイルドピッチと猪原隆雅(ミキハウス)のセンター前タイムリーで2点の先制に成功した。
4回表は1死から、昨年のU-18ワールドカップでも4番を務めていたキム・ボムソク(LG)に右中間へ二塁打を打たれ、この際に捕球を試みた4番・中堅手の逢澤崚介(トヨタ自動車)が負傷交代。失点すれば嫌な流れになりかねなかったが、「走者(キム・ボムソク)の足も考えて、ワンヒットはOKという気持ちで投げました」と秋山は冷静さを失わず。ショートライナーで2死とした後に1安打を打たれたが、続く打者を空振り三振に抑えて反撃を許さなかった。
すると、その裏に大西蓮(JR東日本東北)の二塁打や四球から作ったチャンスで、矢野と向山基生(NTT東日本)が連続でタイムリーを放ち2点を追加。秋山は5回の内野ゴロの間に1点こそ失うも、6回5安打1失点8奪三振でまとめ、後続の投手にマウンドを託した。
7回表から登板した片山楽生(NTT東日本)は8回表に、キム・ボムソクにソロ本塁打こそ許したものの最少失点に抑えると、8回裏に2死からまたも矢野と向山の連打が出て、ダメ押しの1点を追加。最後は藤村哲之(東芝)が三者凡退に抑えて試合を締めた。
3点差ではあったが、終始相手に流れを渡さない試合運びで決勝に駒を進めた。
スーパーラウンドを1位で通過し、決勝は同ラウンド2位のチームと日本時間10日19時30分から戦う予定だ。侍ジャパン社会人代表は2017年の第28回大会以来2大会ぶり、そしてアジア選手権20回目となる節目の優勝を目指す。
監督・選手コメント
川口朋保監督
「先発の秋山が落ち着いて自分の投球をしてくれたのが大きかったです。矢野もようやく彼らしい活躍でしたね。気持ちと体が合ってきたと思います。(矢野と向山の連打で取った)8回のダメ押しが2アウトからだったので大きかったですね。選手たちがリスクを恐れずにチャレンジしてくれています。明日が年内最後の試合ですので総力戦で挑みます」
秋山翔(三菱自動車岡崎)
「前回よりも良い投球ができました。ストレートで押すことができましたし、チェンジアップも良く、持ち味を出すことができました。明日は繋いでいく形もあると思うので、もし投げることになればしっかり準備したいです」
矢野幸耶(三菱重工East)
「(3安打含む5打席すべてで出塁)足を絡めた野球をしたいと思っているので出塁はこだわっています。(チーム全体を見て)スーパーラウンドに来てから特に良い雰囲気です。意味のある声が出ていると感じます。全勝優勝して、野球の楽しさを伝えたいです」
向山基生(NTT東日本)
「矢野さんがいい働きをしていたので続ければという気持ちでした。自分の持ち味を存分に出すことができています。決勝戦も攻撃的2番としての役割を果たしたいです。とても風通しが良く、若い選手も含めのびのびとやれています。良い投手が決勝戦も出てくると思うので、いかに点を取るかが大事になってくると思います」
第30回 BFA アジア選手権
大会期間
2023年12月3日~12月10日
オープニングラウンド(グループB)
12月4日(月)19:30 日本 14 - 0 パキスタン
12月5日(火)19:30 タイ 0 - 16 日本
12月6日(水)19:30 日本 9 - 1 フィリピン
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
スーパーラウンド
12月8日(金)19:30 チャイニーズ・タイペイ 0 - 1 日本
12月9日(土)13:30 日本 5 - 2 韓国
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
決勝
12月10日(日)19:30 日本 1 - 0 チャイニーズ・タイペイ
開催地
台湾(台北・台中)
出場する国と地域
グループA
チャイニーズ・タイペイ、韓国、香港、パレスチナ
グループB
日本、フィリピン、パキスタン、タイ