香港・晒草湾遊楽場にて6日間の日程で開催されている「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」。前日の香港戦に勝利し、4連勝で優勝を確定させた侍ジャパン女子代表は、大会5戦全勝を目指し、最終戦をインドと対戦。初回から効果的に得点を重ね、17対0の4回コールドで勝利した。
試合前、橘田恵監督の提案でインドチームと一緒にウォーミングアップを行った侍ジャパン女子代表。大会3日目の試合終了後にもパキスタン選手に打撃指導するシーンもあったが、今回2度目の国際交流となった。元気よく笑顔でアップを行なうインドの選手を見て、主将の吉井温愛(履正社)は「みんな楽しそうで、本当に野球が好きなんだなと感じました」と語った。
試合は初回、無死満塁のチャンスを作ると、緒方佑華(折尾愛真)がレフトへヒットを放ち先制。その後も打線が繋がりこの回打者16人の猛攻で12得点。試合の行方を決定付けた。2回に4点、3回にも1点を加え、計18安打で17得点を奪った侍ジャパン女子代表。この日は初回から全員が積極的に声を出し、これまでの雰囲気とは一変。「試合の入り方が課題」と述べていた橘田監督も、「自分たちの役割を確認しながら声を出していた。最後にひとつ気がついて、自分たちで動いてくれました」と安堵した。
投手陣は、水流麻夏(神戸弘陵)、杉本みな(蒲田女子)、田中志緒梨(埼玉栄)、大野七海(福知山成美)が1イニングずつ投げてノーヒットリレーを完成させ、大会を通して計1失点の投手力、守備の堅さを見せた。
試合後、橘田監督は選手たちに「みんなのおかげで、全勝で終えることができた。本当にありがとうございました。(日本では)敵ですが、活躍を楽しみにしています」と語ると、長野恵利子コーチも「これからが楽しみ。今回経験したことを忘れないで次に活かしてほしい」と、選手たちの未来に期待を込めた。
こうして5戦全勝で「第1回 BFA 女子野球アジアカップ」の初代女王に輝いた侍ジャパン女子代表。明日9月7日(木)午前のチャイニーズ・タイペイ対インドの試合後に閉会式が行われ、今大会は幕を閉じる。
監督・選手コメント
橘田恵監督
「とにかくホッとしています。選手の体調不良など、高校生ながらの難しさを感じ不安なスタートでしたが、日に日に順応してくれました。アジア各国の見本となるプレーを目指していましたが、求めていたこと全てはできなかった。見本となれるような立ち振る舞いを目指していましたが、インドのベンチワークも素晴らしいものでしたし、我々もまだまだ学ばなければならないことが沢山ある。私自身もこの経験を活かして、ステップアップしたいと思います」
吉井温愛主将(履正社)
「今日は初回から全員で声を出して、締まった試合をしようというのが目標でした。初回から得点できて、守備でもしっかり声を出せていたのでよかったです。普段は敵なので、最初はチームに違和感もありましたが、過ごしているうちに仲間の良いところや特徴もわかり、野球も日常生活も楽しかったです。今後も野球を続ける選手が多いと思います。今大会は高校生で挑みましたが、また一緒にプレーしたいので、フル代表で選ばれるようお互い頑張っていければと思います」
阿部希(福知山成美)
「優勝を目標に大会に臨みましたが、厳しい試合が何試合かあり、その中で全勝優勝できたことは本当に大きかったです。インドの選手はウォーミングアップも楽しんでいましたし、そういったところは学ばないといけないなと思いました。長打で貢献できる選手ではないので、守備で確実なプレーをする、攻撃でも与えられた役割以上をすることを今大会は心がけていました。最低限はできたんじゃないかと思います」