10月2日から台湾で開催される「第28回BFAアジア選手権」で、2012年の第26回大会以来、2大会ぶりの頂点獲得を狙う侍ジャパン社会人代表。その直前合宿が4日間の日程で始まった。
9月26日は直前合宿に先立ち、11時30分から東京都文京区の野球殿堂博物館で「第28回BFAアジア選手権出場記者会見」を開催。侍ジャパン社会人代表からは石井章夫監督と主将の佐藤 旭外野手(東芝)と田中俊太内野手(日立製作所)、田嶋大樹投手(JR東日本)の3選手が登壇した。
まず石井監督は今大会における代表24選手の選考理由について詳細に説明。「過去の大会の反省と投打のバランスを考えました」と全体像に触れた上で、投手は「内角に速いボールが投げられる選手を選びました。田嶋、谷川昌希(九州三菱自動車)など完投できる投手がいますし、韓国とチャイニーズ・タイペイ戦についてはスクランブル体制で投手陣全員を投入するくらいの覚悟で臨みたい」とし、打者については「外野の間を抜く長打が打てる選手を集め、切れ目のない打線を作りたい」と選考の狙いを明かした。
また、佐藤主将は「日の丸を背負って戦う責任と自覚を持って戦いたい。このチームは個の力が高く、きちんと意思疎通ができれば結果は付いてくると思うので、勝ちに行く姿勢をチームに伝えていきたい」と語った。
また、侍ジャパントップチーム・WBCメンバーに入った田中広輔(広島)の実弟であり、打線の中心として期待される田中は「少数精鋭の侍ジャパン社会人代表に選ばれた誇りを持って、日本らしい集中力と団結力あるプレーを見せつけたい」と抱負を語り、2年前の前大会でもメンバーの一員としてプレーし、悔しい思いをした田嶋は「2年前にくらべて、びくびくせずに堂々と投げられるようになったと思います。アジア選手権では相手打者の様子を見ながら、いつも通りの自分の投球を見せたい」と自信を見せた。
そして最後は石井監督が「目の前の大会に勝利し、実力を見せつけないと次のステージには行けない。目標はもちろん『アジアナンバーワン』になること」と力強く宣言し、会見を終えた。
午後からは代表全選手が神奈川県内のグラウンドに集合。練習前には侍ジャパン代表トップチームの稲葉 篤紀監督がチームを激励。「侍ジャパンはトップチームから女子まで同じユニフォーム。みんなで盛り上げていくつもりで戦ってほしい。アジアの他の国は日本を倒してやろうと戦ってくる中、アジアナンバーワンを目指してもらいたいし、国際大会はいろいろなことが起こるが、結束力を持って臨んでほしい」という含蓄ある言葉の数々に、チームは改めて意気を高めて練習に臨んだ。
アップを終え、最初のメニューは石井監督の「確認不足で実力を出し切れないということがないように」という方針の下、サインプレーを確認しながら、投内連携を中心としたバント処理の守備練習。その後は投手と野手に分かれ、投手陣はブルペンで30~40球の投げ込み。野手陣はフリーバッティングで汗を流した。
初日の練習を終え、石井監督は「日本選手権の予選が終わったばかりの選手もいますが、全選手、万全の状態で集まってくれました」と満足げ、そして改めて「アジアのナンバーワンを目標に戦います」と、アジアの頂点に立つことを誓った。
なお、侍ジャパン社会人代表は明日からは強化試合3連戦でより実戦での練度を高める予定。9月27日は13時から埼玉県さいたま市のロッテ浦和球場において、千葉ロッテマリーンズ2軍と強化試合を行う。