11月24日から26日まで行われたU-15 アジアチャレンジマッチ2017。2年に1度開催されるU-15W杯の空白年に行われており、中学3年の硬式球児に対して、国際試合の経験を毎年平等に与える意味で大きな役割を果たしている。
今大会も、中学硬式各連盟の垣根を超えた日本一決定戦となっているジャイアンツカップ(全国中学野球選手権大会)の出場選手を中心に、侍ジャパンU-15代表が結成された。大会2日前からの合流・練習となったが、能力・意識ともに高い選手たちは、短い期間で団結力を高め、本来の持ち味を発揮。松山市選抜、オーストラリア、チャイニーズ・タイペイに3連勝して優勝を決めた。
大会前の記者会見で清水隆行監督は「勝つためにチームの中で何をすべきかを考えて行動できることが、上のレベルではさらに必要となっていきます。その後押しをしていきたいです」と語っていたが、短期間で選手たちがそれを実行した。
各チームでは主力の選手たちだが、ベンチスタートとなっても声出しや準備を怠らなかった。また。3試合を終えて清水監督は「連携プレーでのアウトも多く取れました。そういうアウトの取り方は、今後も必要になってくるので、さらに伸ばしてもらえれば」と、語った。細かいプレーの精度も急造チームながら高く、失点を最小限に抑えることができた。
そして清水監督が繰り返したのは「これがゴールではない」ということ。「今の年代ではトップレベルの選手たちですが、今のままでは上の世代では通用しません。良いモノを持った選手たちなので、もっともっと素晴らしい選手になれるように、トップを見据えて野球に向き合って欲しいです」と力を込めた。
まだ彼らの野球人生は前半戦だ。高校では甲子園という目標を全選手が抱いているだろうが、さらにその先の侍ジャパンU-18代表やトップチームのユニフォームも目指して欲しい。そう期待させる高いポテンシャルを短期間で発揮した選手たちの躍動が印象的だった。
チーム順位
1位 日本(侍ジャパンU−15代表)3勝0敗
2位 チャイニーズ・タイペイ 2勝1敗
3位 松山市選抜 1勝2敗
4位 オーストラリア 0勝3敗
個人表彰
最優秀選手
度会隆輝内野手(日本/佐倉リトルシニア)
11打数7安打(打率.636)6打点
優秀選手
コウ・シンギ外野手(チャイニーズ・タイペイ)
山田脩斗投手(松山市選抜/松山中央ボーイズ)
リアム・マッカラム投手(オーストラリア)
選手コメント
度会隆輝内野手(佐倉リトルシニア)
「最優秀選手受賞は嬉しいですが、チームが勝てたことが何よりです。上手い選手たちと野球をすることで、走攻守あらゆる面でどこを伸ばすべきか明確になりました。ここは通過点に過ぎないので、もっと練習してもっと高いレベルを目指します」
南雲壱太主将・内野手(浦和リトルシニア)
「最初の方はおとなしかったけど、すごく仲良くなることができました。みんな技術も高くて学ぶことは多かったですし、笑顔で勝ちを目指せるチームになりました。この大会が終わったら、みんなライバルになりますが、また上のカテゴリーで同じユニフォームを着て戦いたいです」