7月19日、第43回 日米大学野球選手権大会の第3戦が山口県岩国市の絆スタジアムで行われ、侍ジャパン大学代表はアメリカ大学代表に0対2で敗れた。これで対戦成績は1勝2敗。アメリカ大学代表に優勝へ王手をかけられた。
昨夜行われる予定が雨天順延となり、朝9時からの試合開始となった第3戦。また、生田勉監督は第2戦の打撃妨害の判定についての抗議を試合後の審判室でも行ったことが問題視されて1試合を謹慎。この日は谷口英規ヘッドコーチが監督代行として指揮を執った。
そんな不測の事態が続いた中ではあったが、第1戦から中2日で先発した森下暢仁(明治大)は、キレの良いストレートやブレーキの効いたチェンジアップなどで走者を出しても落ち着いて抑え、3回まで無失点の投球を続けた。一方、アメリカ大学代表の先発左腕・レイド・デトマース(ルイスビル大)も制球良く力強い球を投げ込み、安打は初回に柳町達(慶應義塾大)に許した1本のみに抑えた。
すると、4回。レフト頭上を越えようかという打球を柳町がフェンス際でジャンプして捕球を試みたが打球はフェンスを直撃。このボールを柳町が見失い、打球が転々としている間に、打ったヘストン・キースタッド(アーカンソー大)が本塁まで生還。ランニング本塁打でアメリカ大学代表に先制を許した。
さらに森下は5回にも3安打を浴びて1失点。「(打たれた場面は)緩い球をもっと使うべきでした」と振り返り、5回5安打2失点6奪三振の内容でマウンドを降りた。
6回以降は山﨑伊織(東海大)、吉田大喜(日本体育大)、佐藤隼輔(筑波大)、伊藤大海(苫小牧駒澤大)が無失点に抑えたが、打線は2番手のコール・ウィルコックス(ジョージア大)、3番手のアンドリュー・アボット(バージニア大)の前に安打を打つことができず。四死球で得たチャンスも生かせずに1安打完封負けを喫し、3大会ぶりの優勝に向けて1敗も許されない状況になった。
監督・選手コメント
谷口英規ヘッドコーチ(監督代行)
「(アメリカ大学代表投手陣に対し)特に左投手の対策が遅れており、右腕の投手も160キロに迫る投球をされているので、もう少し工夫が必要です。“甘い球を振っていこう”“セットポジションや牽制の隙を突いていこう”と伝えましたが、なかなかできていないので、積極的に攻めていかなくてはいけません」
牧秀悟(中央大)
※2試合続けて安打を放ち4番に抜擢されるも無安打
「ボールを見過ぎていて、的も絞れずに甘い球を見逃してしまっています。もっと積極的に振っていかないといけません。なんとか第4戦を勝って、最終戦の神宮球場で優勝を決めたいです」
ダン・マクドネル監督
「先発が試合をしっかり作ってくれましたし、良い継投もできました。(慣れないマウンドだが)アメリカ国内においてもすべてが同じマウンドということはありません。マウンドが変わってもしっかりとチャレンジをする。それが良い投手の条件です。(米軍基地のある岩国で)応援に来ていただいた方の前で勝利ができて誇りに思います」