7月31日、東京オリンピック野球競技のオープニングラウンドが横浜スタジアムで行われ、日本は第2戦となったメキシコに7対4で快勝。オープニングラウンド1位通過を決め、ノックアウトステージに駒を進めた。
稲葉監督はかねてから、決勝トーナメントの日程に余裕を持たせることができるオープニングラウンドの1位通過を重要なポイントに挙げていただけに、大事な一戦となった。
そんな中、マウンドを任されたのは森下暢仁(広島)。プロ2年目ながら高校と大学の日本代表にも選出されている経験豊富な右腕は落ち着きのある投球を見せる。
初回こそ元オリックスのメネセスにタイムリーを許すも、続くMLBオールスター5度選出のエイドリアン・ゴンザレスを併殺に打ち取って3アウト。すると直後の2回表にバッテリーを組む甲斐拓也(ソフトバンク)がタイムリーを放って、すぐさま同点に追いついた。
さらに3回表には、坂本勇人(巨人)の二塁打と吉田正尚(オリックス)のサードゴロが失策を誘い、浅村栄斗(楽天)の投手ゴロの間に坂本がヘッドスライディングで生還し勝ち越し。続く4回表には山田哲人(ヤクルト)がレフトスタンドに飛び込む本塁打を放って3点を追加した。
この援護に森下も応え、4回にもう1失点こそしたものの5回5安打無四球2失点と試合を作り、稲葉篤紀監督も「暑さの中、強力なメキシコ打線をよく抑えてくれました」と称えた。
5回と6回は無安打に抑えられたものの、7回に野手最年長の坂本勇人(巨人)がソロ本塁打、8回にこの日3安打目となる甲斐の投手強襲安打と盗塁で作ったチャンスを山田がタイムリーで返してダメ押し。
投手陣もプロ1年目の伊藤大海(日本ハム)が6回と7回を無失点に抑え、8回は21歳の平良海馬(西武)がメネセスに2ラン本塁打を浴びるも後続を抑え、最後はプロ1年目の栗林良吏(広島)が3人で締めて試合終了。
経験豊富な選手と若い選手それぞれの活躍で7対4と快勝し、オープニングラウンドを1位で通過。ノックアウトステージ初戦となる次戦はオープニングラウンドBグループ1位(31日夜のアメリカ対韓国の勝者)と、8月2日19時から横浜スタジアムで戦う。
監督・選手コメント
稲葉篤紀監督
「哲人の本塁打はチームを勇気付ける大きなホームランでした。勇人も良いところで打ってくれました。(4盗塁について)みんなが積極的に走ってくれました。これからも、一つひとつ我々の野球をしっかりしていきたいです」
森下暢仁投手(広島)
「立ち上がりの失点と、点を取ってもらった後(4回裏)の失点は次回への反省点です。高校・大学時の国際大会も良い経験になっていますが、全然違う環境と相手のレベルなので新しい自分で臨みました。5イニングで降板したので、次の試合に向けてしっかり調整します」
山田哲人(ヤクルト)
「コンパクトに狙い通り打つことができました。ドミニカ共和国は相手投手の球が想像以上で差されてしまいましたが、今日はイメージ通りの球が来たので初球から打つことができました。ホームランの球はストレートです。追加点が欲しい場面でしっかりと集中して打席に入れました。体のキレも良くバットも振れているので練習通りのバッティングができました」
伊藤大海(日本ハム)
「普段より緊張しましたが、0点でベンチに戻ることだけを考えて、逆球でも、ランナーを出してもOKと思って強気で投げることができました」
坂本勇人(巨人)
「(7回の本塁打について)先頭だったので、塁に出ることだけを考えていました。追加点が欲しい展開だったので、ホームランという最高の結果になって良かったです」