7月28日、東京都内のホテルで「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC™」(以下、WBC)の記者会見と、野球日本代表「侍ジャパン」トップチームが11月にオーストラリアと対戦する「侍ジャパンシリーズ2022 日本 vs オーストラリア」の開催発表記者会見が行われた。
WBCの会見にはWorld Baseball Classic Inc.プレジデントのジム・スモール氏、日本プロフェッショナル野球組織コミッショナーの斉藤惇氏、侍ジャパントップチームの栗山英樹監督が登壇。スモール氏は「日本で(東京プールが開催される)3月に皆さんと会えることを楽しみにしている」と挨拶し、斉藤氏も「NPBとしても大会が盛り上がるように最大限の努力をしていきたい」と語った。
大会に向けて栗山監督は「何が何でも勝たないといけない大会。目指す野球は勝ちやすい野球。スピードや投手力を大事にしながら、どうすれば幅のある勝ちやすい野球ができるかを考えていく」と強い決意を口にする。今大会は1次ラウンドを突破すると準々決勝ラウンドからは一発勝負のノックアウト方式となる。「緊張感のある戦いになるが、野球の素晴らしさを伝えられるような試合をしたい」と力を込めた。
2023年の大会は参加が過去最多の20の国と地域に拡大。17年大会に参加した16チームは招待参加となり、自動的に23年大会に出場。22年にドイツとパナマで開催される予選を勝ち抜いた4チームが加わる。1次ラウンドは5チームごとの組に分かれて総当たり戦で行われ、4つのグループそれぞれの上位2チームが準々決勝ラウンドに進出。準々決勝ラウンドからはノックアウト形式となり、各組上位2チームが決勝ラウンドへ進出する。
1次ラウンド東京プールは3月9日から13日に東京ドームで開催される。プールBの日本、韓国、中国、オーストラリア、予選突破国が出場し、日本は9日に中国、10日に韓国、11日に予選勝者、12日にオーストラリアと対戦。準々決勝東京プールは3月15、16日に開催される。また東京プールのチケット販売の概要も発表されている。
続いて「侍ジャパンシリーズ2022 日本 vs オーストラリア」の開催発表記者会見が行われ、11月9、10日に札幌ドームでWBC本大会でも対戦するオーストラリアとの2試合が行われることが発表された。札幌での国際試合は2015年のプレミア12以来となる。
日本野球機構事務局長であり侍ジャパン強化委員長の井原敦氏は「栗山監督率いる侍ジャパントップチームの初の対外試合。WBCに向けたチームづくりの貴重な場、大きな一歩となる」と強化試合の意義を説明した。
このオーストラリアとの2試合がWBC本番に向けた最初で最後の場となるが、栗山監督も「侍ジャパンとしてのトップチームが形成できず、(この2試合が)唯一の準備期間としてWBCに向かう。野手に関してはある程度の方向性を出していきたい」と語る。一方、投手陣については「クライマックスシリーズや日本シリーズの疲労も考慮して、幅を持って考えていきたい」と慎重に見極めていくことを示唆した。
また、この強化試合に向けてオーストラリア野球連盟CEOのグレン・ウィルソン氏は「侍ジャパンと対戦できることを光栄に思っている。札幌で(東京オリンピックの)金メダルチームと対戦することを楽しみにしている」とコメントを寄せている。
いよいよ全貌が明らかになった2023年のWBC、ついに栗山監督の下で本格始動する侍ジャパントップチーム。14年ぶりの世界一奪還に向けて、日本中の期待が高まっていくはずだ。