8月3日、「第6回 WBSC U-12 ワールドカップ」(8月7日まで/台湾・台南市)のオープニングラウンド最終戦、侍ジャパンU-12代表はドミニカ共和国と対戦。序盤の大量失点が響き2対5で敗れた。
ここまで1勝2敗の日本と2勝1敗のドミニカ共和国との対戦はTQB(得失点率)の関係で、日本のスーパーラウンド進出には「2点差以上の勝利」が求められた。
そうした背景もあって是が非でも先制点の欲しかった日本は1回表から攻め立てる。先発投手でありながら1番打者に起用された柏木春瑛(小平リトル)が追い込まれてからレフト前に運び出塁。続く土屋惇登(東京城南ボーイズ)は犠打を決められなかったが3番・石川莉大(熊谷リトルシニア)の場面で相手投手の暴投もあって柏木は三塁に。ここで石川がショートゴロを放ち、その間に柏木が生還。喉から手が出るほど欲しかった先制点をいきなり挙げた。
しかし、その裏。アメリカ戦同様、序盤に守備で乱れが出る。先頭打者の当たりを土屋がファンブルしかけ、相手の俊足もあって一塁はセーフに(記録は失策)。続く2番打者にはレフト前安打を打たれる。さらに四球を出して無死満塁のピンチを作ると、相手4番打者のサードゴロを林虎之介(東京中野リトル)が一塁へ悪送球し、この間に2点が入り逆転を許した。さらに2本のタイムリーと暴投で、初回に一挙5点を失った。
反撃したい日本は2回表の攻撃こそわずか8球であっさりと終わってしまうが、3回表の攻撃を前に井端弘和監督が選手たちに語りかけた。
「今までやってきたことを表現しよう。急には上手くなるわけじゃない。そんな暗くやったって点数入るわけがないから“楽しくやろう”と伝えました」(井端監督)
するとベンチの雰囲気はガラリと変わり、大きな声で打者を盛り立てる。二死後、柏木が四球で出塁すると、盗塁を決めて二塁へ。ここで打席に立った土屋は「初回の守備のミスで流れを悪くしてしまったので、僕が打たないといけないと思いました」と振り返るように、内角高めのストレートに詰まりながらも執念でレフト前に運び、柏木が生還。点差を3点に縮めた。
さらに3回裏には無死満塁のピンチを迎えるが、この回途中から2番手でマウンドに上がった内田篤玖(越谷リトル)が強い気持ちで投げ込んでいくとバックもそれに応える。二塁に回った柏木の素早い打球処理が目立った併殺と大石裕斗(都筑中央ボーイズ)が落ち着いてゴロをさばいて無失点で切り抜けた。
さらにこの後の内田はドミニカ共和国の強力打線を無安打に抑える好救援で、味方の反撃を待った。
しかし打線は4回以降、ドミニカ共和国の左腕D.GRULLONと右腕G.ALTAGRACIAに無安打に抑えられて無得点に終わった。
これでオープニングラウンド1勝3敗の4位となった日本は各グループ上位3カ国に与えられるスーパーラウンド進出を逃し、過去最低の7位以下が決まった。
次戦は下位チームで戦うプレイスメントラウンドの第1戦で、パナマと4日の日本時間11時半から戦う予定だ。相手はスーパーラウンド進出こそ逃したが開幕戦のチャイニーズ・タイペイ戦で6回表までリードするなど力がある相手だけに、心機一転で1つでも高い順位を目指す。
監督・選手コメント
井端弘和監督
「勝ち負けは監督の責任なので子どもたちはよくやったと思います。3回くらいからベンチの雰囲気だったり、選手の動きや目つきだったりが変わって、やっとチームっぽくなりました。短期間でこういう姿になってくれたので、あれを初戦からできるような時間がもう少しあれば良かったなと思います。まだ、すぐに一喜一憂するところもあるので、そうした強さを身につけて欲しいです。初回に先制はしたのですが、その裏を切り抜けることができませんでした。残り全部勝てるように、今日の試合後半のような勢いで戦いたいです」
土屋惇登(東京城南ボーイズ)
「悔しいですが、ここまでみんなで頑張ってきたし精いっぱいやった結果なので仕方ありません。タイムリーはインハイのストレートに詰まりましたが、気持ちで持っていくことができました。スーパーラウンドには行けませんが、ここからも負けてしまうと次の大会以降で“日本は弱い”と思われてしまうので全部勝ちたいです」
第6回 WBSC U-12 ワールドカップ
大会期間
2022年7月29日~8月7日
オープニングラウンド
7月30日(土)15:30 日本 6 - 21 アメリカ
7月31日(日)15:30 韓国 3 - 1 日本
8月1日(月)11:30 日本 15 - 0 チェコ
8月3日(水)15:30 ドミニカ共和国 5 - 2 日本
プレイスメントラウンド
8月4日(木)11:30 パナマ 0 - 5 日本
8月5日(金)15:30 日本 14 - 0 南アフリカ
8月6日(土)11:30 日本 - イタリア
決勝・3位決定戦
8月7日(日)
※開始時刻は日本時間(台湾:時差-1時間)
開催地
台湾(台南)
出場する国と地域
グループA
チャイニーズ・タイペイ、メキシコ、ベネズエラ、パナマ、イタリア、南アフリカ
グループB
日本、韓国、アメリカ、ドミニカ共和国、チェコ