10月16日、「第4回 WBSC U-23ワールドカップ」(開催地・台湾)のオープニングラウンド第3戦が台中インターコンチネンタル野球場で行われた。侍ジャパンU-23代表は開幕2連勝して臨んだが、1対3と開催国のチャイニーズ・タイペイに逃げ切られ、初黒星を喫した。
来秋ドラフト候補の高卒2年目右腕・片山楽生(NTT東日本)と身長203cmの大型右腕・林振瑋の先発で始まった試合は、まずミスから先制点を奪われた。
片山が「これまでにない応援や声援に少し飲まれてしまいましたが言い訳はできません」と悔やんだように、先頭打者に四球を出すと、暴投、悪送球で簡単に先制を許してしまう。さらに4番の曾頌恩に右中間を破る二塁打を打たれて、この回2点を失った。
相手先発の林は初回から豪速球を連発。最速159キロを投げ下ろすなど打線は対応に苦慮するかと思われたが、初回は2番の齋田海斗(TDK)と4番の藤井拓海(四国銀行)が安打。この回は得点を奪えなかったが、2回に林の失策から得たチャンスに片山と同じく高卒2年目の大西蓮(JR東日本東北)が152キロの速球を弾き返す二塁打を放って1点を返した。
序盤に自滅から崩れた片山だったがその後は修正し、2回・3回を三者凡退に抑えて追加点を許さなかった。さらに4回を谷優希(伯和ビクトリーズ)、5回を柳橋巧人(JR東海)が1人の走者も許さず打線の反撃を待った。
しかし、3回は先頭の齋田が二塁打を放つも後続が続かず。4回からはCPBL楽天モンキーズ所属の莊昕諺のストレートと変化球のコンビネーションの前に打線が沈黙。すると6回には工藤稜太(信越硬式野球クラブ)が3連打を浴びて、3点目を失った。
2点差を追いつきたい打線は、6回から登板したMLBアスレチックス傘下に所属し150キロ台中盤のストレートを投じる莊陳仲敖に対し、2イニングで4三振を喫するなど無安打に抑え込まれ、1対3と逃げ切られた。
次戦は同じく2勝1敗のコロンビアと日本時間17日15時半から対戦。オープニングラウンド同組との対戦成績はスーパーラウンドにも持ち越されるため、負けられない一戦となる。
監督・選手コメント
石井章夫監督
「投手は逃げずに立ち向かっていましたし、打者も球の速い投手に対して踏み込んでいくなど立ち向かう気持ちは見せてくれました。チームとして良い経験ができました。こうした投手陣に対してどのように修正・調整していくのか期待したいです。これからも一戦一戦を攻撃的に戦っていきます」
片山楽生(NTT東日本)
「なんとか3回まで投げることはできましたが、初回にああいう形で失点してしまい中身の良いものではありませんでした。全然良い球が行ってなかったので、2回以降は力を1つ2つ落としてコントロール重視で投げました。短期決戦なので引きずってはいられない。もう一度チャイニーズ・タイペイと戦ってやり返したいです」
大西蓮(JR東日本東北)
「相手投手のストレートが速いと聞いていたので振り遅れないように意識して打席に立ちました。なんとしても1点を返そうと思いました。球速ほどの速さは感じませんでしたね。(今後の戦いに向けて)ここぞという一打で貢献していきたいです」
齋田海斗(TDK)
「(この日2打数2安打1四球)150キロを超える投手ということは分かっていたので振り抜くことだけを意識しました。2打席目は相手投手が変化球中心になっていたので、前膝(右膝)でストップをかけるようにして打ちました。独特の雰囲気を経験できたことは大きい。“あの負けがあって良かった”と思えるような戦いをしていきたいです」
第4回 WBSC U-23ワールドカップ
大会期間
2022年10月13日~10月23日
オープニングラウンド
10月14日(金)18:00 ドイツ 0 - 6 日本
10月15日(土)15:30 ベネズエラ 2 - 5 日本
10月16日(日)20:00 日本 1 - 3 チャイニーズ・タイペイ
10月17日(月)15:30 日本 4 - 1 コロンビア
10月18日(火)15:30 南アフリカ 0 - 9 日本
スーパーラウンド
10月20日(木)15:30 日本 2 - 1 オーストラリア
10月21日(金)15:30 韓国 1 - 2 日本
10月22日(土)14:00 日本 4 - 2 メキシコ
決勝
10月23日(日)20:00 日本 3 - 0 韓国
※開始時刻は日本時間(台北:時差-1時間)
開催地
台湾(台北)
出場する国と地域
グループA
日本、チャイニーズ・タイペイ、コロンビア、ドイツ、南アフリカ、ベネズエラ
グループB
オーストラリア、キューバ、メキシコ、オランダ、プエルトリコ、韓国